逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)

  • 133人登録
  • 3.20評価
    • (4)
    • (5)
    • (28)
    • (3)
    • (1)
  • 11レビュー
  • 岩波書店 (2004年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308751

作品紹介

市場や生命という複雑なしくみを解明する新たな方法を、著者たちは「逆システム学」と呼ぶ。それは、新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し、市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ。経済学と生命科学の対話から浮かび上がる、まったく新しい科学の方法論。

逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 大学の先輩の引っ越しの際に譲り受けたと記憶。気前よく譲ってくれただけに、読後の感じも含めて、当たりハズレで言えばハズレだったのかなと思いつつ、ちゃんと最後まで通読して本を閉じましたよ。

    本としてはもう、最悪です。
    まず、構成が酷すぎる。構成の悪さで読む側の脳味噌に対して過度な負担をかけ、読む気力を徹底的に削ぐ仕様になってます。
    そして、往復の割に「だから何?」と首を傾げたくなるような内容の薄っぺらさ。あぁ、研究者であるあなたがそのアプローチを取れるようになれて、幸せそうですね良かったですね。以上。終わり。
    「逆システム学部」でも立ち上げたいなら、どうぞお好きに、という感じ。まぁ、この本書かれて10年以上経つので、そんな学部ない辺りお察しですよね。

    構成の酷さの原因はトピックが共著者間でやたら往復するところでしょう。分子生物学→経済学→分子生物学→経済学→……と続く行ったり来たりっぷり。節同士のつながりがいいかどうかについては、全くのアナロジー頼りなので正直キツい。「逆システム学」というテーマで書かれた生物学と経済学の論文を1節毎抜き出しで交互に読まされている感じ。だから、冒頭から直線的に読むといちいち頭の切り替えが必要になって来て、切り替えを繰り返しているうちに何を言っているのか全く分からなくなる。

    そして、実際中身としても、「要素還元主義批判」で、「要素と要素の関係に注目しよう」以上には、特段面白い話をしている訳でも何でもありません。確かに「多重なフィードバック」だとか、「セーフティネット」だとか、「制度の束」だとか、目を引きそうな概念はありますけれどもね。
    構造を考える議論と何が違うんでしょう?
    要素と要素の関係性こそ、どんなにミクロな関係性だろうと、構造に他ならないんじゃないでしょうか。
    私は、構造を議論する学問や研究領域の研究者達が、単純に筆者たちの言うように自分の考えたモデルに頑なであるとは全く思いません。また、先にモデルありきで全てを還元したがる研究者は、単に「センスが欠けている」だけで、学問が学問として機能していればそれこそ淘汰されるのではないでしょうか。構造の理論的モデルの現実との対応関係は、それこそフィールドワークのような現場でのデータ集めと現場での体験に基づく思索の繰り返しで常に書き換えられもしますし。

    それより何より、何でこのコンビ(金子勝と児玉龍彦)なんだろうと思ってちょっとWikipediaを参照させて頂きました。中高時代からのダチなんすね。「新しいパラダイム」とか野心剥き出しで言いつつも盛大にスベってる辺り、何というか、何かイタイタしいものを感じます。蛇足すれば、主に金子氏の方が盛大にスベっていて、児玉氏の方はそれに付き合わされて引きずられている感じ。

  • 2007-08-13

    間違いなく野心的な書であることは言えるでしょう.

    東大文化?

    そこまで重くない気持ちで読み始めましたが,かなりのタフさでした.

    日本にとどまらないマクロ経済の話を歴史的なレベルで政策の話などをしつつ,5ページくらいに一度,
    生命科学のトピックと切り替わるという,

    経済学と生命科学が行ったり来たりのコンフュージョン.

    これを,総合的に読みこなせる読者は殆ど居ないでしょう.(部分的にはクリアですが)

    僕は,経済学に詳しい生命科学の学生も,生命科学に詳しい経済学の学生も殆ど知りません.(海外ではダブルメジャーがあるんで,
    そこそこ居るでしょうが)

    経済学と生命科学が5ページに一度切り替わる進行パターンで,

    徐々に何言ってるのかわからなくなっていくという,恐ろしい本です.

    まあ,
    システム論好きとしてはこの二つの領域に積極的にアナロジーを成立させてシステムを読み解こうとする立場には感銘を受けます.


    ゲノムの調整機能と経済のセーフティーネットにアナロジーを結びつけていくのは,なにかひらめきがあったんだろうなあとは伝わってきました.

    オリジナルなキーワードとしては逆システム学以外に,<多重フィードバック>と<制度の束>という言葉が出てきましたが,
    共に

     たくさんのフィードバック

     いろんな制度

    以上の意味がよみとれませんでした.・・・・
    僕の理解不足でしょうが.

    僕が不勉強なせいで,「逆システム学」自体も,よく理解できませんでした.
    また,後々に読んでみたいです.

    まあ,久しぶりに骨が在りそうで,わからん本だったので,ディスカッションの題材にはナカナカいいかもしれませんね.
    positive!!

    本の内容としては批判や批評的な部分が多く,
    「結局,[逆システム学]でどんな研究が成立するの?」
    が,不在な感じがしました.

    次は是非,数式や体系化を込みにした横書きの本で読んでみたい.

  • 世の中、単一の因果関係だけではなく、多重フィードバック機構があって安定しているということを前提に、諸々の処理系を理解しなければならないというのが、「逆システム学」の立場である(らしい)。
    市場経済と生命の仕組みの両面から、こうした多重フィードバックの事例を分析する。経済学と生物学を行き交う巧妙なコンテキスト・スイッチが読んでいて面白い。生物は多重フィードバックで恒常性を維持している典型的な成功例ではなかろうか。一方の市場経済活動い対しては、人為的なフィードバックの不足が深く批判されている。

  • 生命と経済学における市場の概念に、深い相関があるとする。
    あくまで概論だが、興味深い話ではある。いつか続きが読めるといいなという一冊。

  • 視点はちょっと面白いが、残念ながら着想だけで中身が無い。

  • 要素還元論でも、構造論でもなく、演繹的に説明するのではなく、現象を説明するという感じに読めました。
    それなら、現象論ではないのだろうか。
    医学を引用しているので、生命だけに限定して解明してもらえるとうれしい。

  • [ 内容 ]
    市場や生命という複雑なしくみを解明する新たな方法を、著者たちは「逆システム学」と呼ぶ。
    それは、新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し、市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ。
    経済学と生命科学の対話から浮かび上がる、まったく新しい科学の方法論。

    [ 目次 ]
    序章 逆システム学とは何か
    第1章 セントラルドグマの暴走
    第2章 制度の束と多重フィードバック
    第3章 フィードフォーワードの罠?医学と経済学の逆システム学
    第4章 変化と進化における多様性と適応
    終章 どのようにしてパラダイムは転換してきたか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 市場や生命という複雑なしくみを解明する方法を著者たちは「逆システム学」と呼ぶ.それは,新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し,市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ.経済学と生命科学の対話から浮かび上がる,まったく新しい科学の方法論

  • また読まないと理解できない

  •  行政改革の軟着陸の指南書 二元的対立よりも 真の問題解決可能なところを改善していこうという本です

全11件中 1 - 10件を表示

金子勝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)に関連するまとめ

逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)はこんな本です

逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする