スコットランド 歴史を歩く (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.85
  • (9)
  • (13)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 101
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308959

作品紹介・あらすじ

氏族の誇りを示すタータン柄のキルトや民族の英雄叙事詩「オシアン」など、古代に遡る「伝統」とされていたものの思いがけない起源。それは英・仏という大国の間に挟まれ、内部には分裂を抱えたこの小国の複雑な軌跡と深くかかわりを持っていた。聖堂や古城、渓谷などをめぐる旅から浮かび上がる、スコットランド国民再生の歴史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 素晴らしく面白かった。恥ずかしながらイギリス史もスコットランド史もまるで知らないできました。もったいないことでした。本書に啓蒙されました。

  • 【展示用コメント】
     タータンチェックは新しい伝統?

    【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2001151443&key=B151608031516586&start=1&srmode=0&srmode=0#

  • w

  • 知識がほぼない自分にも、けっこう読みやすかった。

  • 2014年9月18日にスコットランド独立の賛否を問う国民(住民)投票が実施される。
    どうやら No が過半数を超えそうだが、平和裏に独立が達成できる前例をいつか作って欲しいものだ。
    本書でそうした国民性を育んだ歴史的背景を学べたが、今回の経緯を含めた増補版を期待している。
    “Westminster won’t devolve further power in the result of a No vote, for the simple reason that it won’t have to. Cameron fought to remove devo-max from the ballot for a reason. At the moment, the threat of independence is the only bargaining chip Scotland possesses, the only thing which prevents, for example, a lowering of our block grant….Westminster promised treats if we voted against devolution in 1979. What happened? Thatcherism.”
    Alan Bissett, author and playwright

  • スコッチとアイルランドの違いから、同国が如何に合理主義的な国なのかを説き始めており、その背景にあるジョン・ノックスのカルバン主義による宗教改革の説明は説得力があります。そして同国内のハイランドとロウランドの対抗意識。国運を賭けた船の沈没もありスコッチ国家の経済破綻の結果としての1707年のイングランドとの悲しい結婚式(国家統合)。1999年の議会復活そして独立の動きということもその中で理解が深まったように思います。EU統合が逆にスコッチの自立性を良い意味で高めていってくれそうですね。それにしても北アイルランド、チェチェンなどの民族闘争を見るとき、スコッチとイングランドの関係は幸せだと痛感します。キルトとタータンという同国を象徴する2つの文化が実はあまり歴史のないものだったものが意図を持って象徴となり、そして禁止されたりしたという解き明かしも興味深いものがありました。文化不毛の地から人材排出の国への転換。実はNZ発見のクック船長もスコッチだったのでした。その外、多くの有名人が出身であるということを認識していなかったということそのものが、一体化が進んでいたと言うことなのかも知れません。

  • スコットランドの民族衣装、キルトとタータンは意外に新しい―

    男性がはく膝丈のヒダつきスカートのキルトも、氏族ごとに色や柄がちがうといわれる格子縞模様のクラン・タータンも、そんなに歴史を遡るものではなく、意外と新しい風俗だとあって、歴史や伝統の捏造とはいわないまでも、伝統性などというものは遡って虚構化されていくものだと、あらためて実例をもって気づかされる。

    著者によれば、スコットランドは、ハイランド(高地地方)とロウランド(低地地方)の二つの異質の地域がこの王国のなかに居心地悪く同居しつづけてきた。ハイランドはスコットランドの北ないし北西に広がる高地地方と島嶼部からなる。深い谷と入江で分断され、人口密度は低く、ほとんど都市や産業らしきものはない。牛と羊の高地放牧を主な生業としてきた。18世紀まではケルト系のゲール語圏で、独特の氏族制が残っていた。いわば「化外の地」であって、わずかに古い城砦や石の十字架を見るにとどまる。
    ロウランドは都市化の進んだ中央低地-エディンバラやグラスゴウがある-と東部海岸平野、それに南部の丘陵地帯を合わせた地域。地味、気候にめぐまれて早くから農業が行なわれ、産業化も進み、所得水準も相対的に高い。自治都市、王宮、司教座聖堂、修道院、裁判所、大学等はすべてロウランドに集中した。

    キルトの場合、18世紀の初め頃に、ハイランド地方の森の作業場で、必要に迫られ生れた作業着にすぎないものが、19世紀初めの民族衣装ブームのなかで上・中流階級に急速にひろまって古来からの民族衣装へと昇格していったというのが事の真相らしい。
    クラン・タータンとなるとさらに時代は新しく、ハイランド地方における氏族制度は1746年のジャコバイトの乱の敗北で解体されていくが、その頃でも氏族別のタータン柄というのは生れていなかったようで、ところが1822年のイングランド国王ジョージ4世がエディンバラ行幸したさいには、ハイランドだけでなくロウランドの貴族や郷士たちまでもが「わが家のタータン柄」と称してクラン・タータンを身につけていたという。

    こうした<伝統が創られる>背景には、イングランド地方のイギリス国王とスコットランド地方の歴史的な長いあいだの相克から、統合・征服化されていくにしたがって、かえって征服される側=スコットランド地方の物語化、ロマン化が紡ぎ出されていくということがあるようだ。

  • 北のハイランドと、南のロウランドに区分できるとのこと。
    北は山が多く、南は都市が発展している。

    スコットランドは、イギリスの中では、ケルトの国の性格が濃い。
    ゲール語はハイランドに残っているとのこと。

    しこし、スコットランドのことがわかりました。
    サッカーの話題もあると、より馴染めたかもしれません。

  • スコットランドを通史的に概説した入門書です。貧困に喘ぐスコットランドが、いかにイングランドから酷い目に合わされても、合邦せざるをえなかったのか、英国の近代産業革命におけるスコットランド人がいかに<実学>や<実業>の分野でリードしたか、を再認識しました。スコットランドの象徴であるキルトやタータンが18世紀に初めて採り入れられたという点は、本書を読むまでは知りませんでしたし。
    通史的な説明といっても駆け足にならず、歴史上の人物の人物像もきちんと押さえていますので、スコットランド史を概観する最初の一冊としてオススメです。

  • 400430895x  232p 2004・6・18 1刷

全14件中 1 - 10件を表示

高橋哲雄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印

スコットランド 歴史を歩く (岩波新書)に関連するまとめ

スコットランド 歴史を歩く (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする