社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流 (岩波新書)

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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309000

作品紹介・あらすじ

単に収入を得る手段としてだけでなく、自己実現のために、そして環境・人権などの課題に使命感をもつ-このような価値観をもって働く社会起業家がいま注目されている。社会責任投資の高まり、企業とNPOのパートナーシップといった新しい動向を明らかにしながら、アメリカ・日本の社会起業家の生き方を紹介し、その意義を考える。

感想・レビュー・書評

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  • よい本。著者の情熱が分掌からひしひしと伝わってくる

  • 名門大学を出て、自分で会社を興して、事業が拡大した暁には株式を上場し、第二のビル・ゲイツになるか、さもなければ大企業に就職して、ハードワークをこなしながら高級を得る

    一昔前のエリートの考え方だったが、最近は事情が違うらしい。

    「日本でもNPOが就職ランク1位になれるか?」
    http://agora-web.jp/archives/1530290.html

    今では、NPO(利潤も追及するNPO)が上位にきている

    Humanities/Liberal Arts、日本でいう文系出身の新卒は

    3位が、Teach for America(教育のNPO)

    という記事を見て、この本をとりました。

    社会起業とは何なのか、社会起業家が増えてきた時代背景など、一通り学べる。

    自己啓発本よりも、はるかに自分が将来何を実現したいのか考えさせられる。

    企業が社会性を求めている背景と理由
    ・企業のグローバル化(国家が衰退、GDPで比較すると、上位で21位でエクソンモービルが他国を抜いてでてくる)
    ・ステークホルダーの行動の変化(買う・買わないで意思表示。ナイキの不買運動など)
    ・エンロン事件の影響(自分は何のために働くのか、考えるきっかけとなった事件)

    パタゴニアのイヴォン・シュナイザー
    「会社は社会を変えるための道具」
    この人を紹介している章を読んでしびれた。かっこよすぎる。

    いろいろと勉強になりました。

    次は、イヴォンの本買うぞーーー

  • ビジネスを通じて社会を変えようと登場した社会起業家についてまとめた本。出版が2004年と古いため、あまり目新しいことはなかったのが残念。

    ①社会起業家とは(結びにかえて)

    (1) 経済への貢献
    (2) 市民社会の形成
    (3) ライフスタイルの提唱

  • ひとつに、消費者の啓蒙の重要性を感じた。
    環境に配慮していたり、きちんと労働基準を守る企業の商品を選んで買ってもらう。そういった雰囲気を醸成する必要がある。

    市場における商品選択の基準を、より人道的・環境配慮的なものにシフトすることによって、企業の利益至上主義を資本主義の内部から解体させる。解体というより「ずらす」。そういう試みも可能なわけで、とても面白いと思った。

    つまるところ、買い物は常に政治的な行為なのだ。
    消費者としての市民は、労働者としての市民と同等に重要なトピックだと感じた。

    そして、消費者がよりよい商品選びをするための選択肢を、社会事業家が積極的に示していく。
    進歩的な企業の 良識的な振る舞いが、他の企業の経営方針にも影響を与えていく。

    営業成績以外の評価基準を新設し、意識的な投資家たちに示していく。

    そういった投資家が援助するのは、「所属する組織に対する忠誠心」よりも「目標達成に対する忠誠心」を持った人たち。市場原理に飲み込まれることをうまく避けつつ、思い思いの社会貢献事業を目指す。

    企業や個人のミクロな行動が、マクロ的な市場全体に影響を与えることが可能であることを示していると思う。


    ところで、筆者は行政のダメダメさを自明として、「官から民へ」みたいな項目もメリットとして掲げているが、「社会事業」って そもそも そういう枠組みの話なのか、対比されるべきものなのか疑問。
    「官僚」ははたして非効率なのか、社会に関する事業をすべて個人に任せて良いのかは、また次の機会に考えてみたい。

  • 国内外で活躍する社会起業家達のやりがいと困難をわかりやすい文章で簡潔に掘り下げていってくれる。
    なかでも私はSRIであるとか、NPOにも求められるようになってきた経営的な視点に惹かれた。
    善意だけでは長期的な社会貢献は難しいというのが私の考えである。第一世代の社会起業家達が、自らが正しいと思って営利活動に勤しみ、その結果として社会貢献が付随してきたというこのモデルこそ、理想であると考える。そのようなモデルが生まれる背景を作るには消費者の監視が不可欠である。
    しかし消費者全てがいちいち「この企業のこの製品はどこどこでこのような方法で製品を作っている」という風に調べていくのは困難である。そこでSRIである。SRIが企業倫理の監査として機能するには私達、消費者が環境や福祉、労働基準といった新しい経済的価値について関心を持たねばならない。
    我々消費者は、価格やブランドといった選択が主流となっている現状の経済から、もう一段階上へと考えをシフトする必要があると感じた。

  • 入門編としていいと思います。

    少し難解な表現のきらいもありますが、事例がよく載せてあって、イメージがつかめるかもしれません。

  • NPOであれ企業であれ、そこでの活動を通して世の中にポジティブな影響を与える。社会問題を解決する。そんなことを大切にして起業する人達の活動を紹介している本です。

    彼らが注目するのは、地域活性化や環境保護、社会福祉・・・。問題が山積みのこれらの分野を前にしてひるまず、前向きに解決策を考え行動し、それで食べている。自分の所属する団体を大きくすることや、そこで得られる利益を最大化することよりも、その組織を作り出した理由や哲学を優先する。なんか企業のイメージ変ります。

     社会問題解決の手段として企業的活動を利用する彼らの世の中へのスタンスには、とってもあこがれます。だって、それって問題だらけの世の中を変えていくことだから。思えば何とかしたい社会問題は周りにいっぱいあるなぁ。

  • 起業家への応援歌。

    髪の毛が真っ白になった方、
    廃業した方、
    夢を忘れて、維持に走っているように見られている方
    などなど、必ずしも薔薇色ではないかもしれない。

    仕事柄、起業家を支援しなくてはいけないのに出来ていない現状が嘆かわしい。

    技術支援をしなくてはいけない組織なのに、「仕事がないか」「人がいないか」の相談が多い。

    原点に帰れなくなる起業家はそう多くない。
    次世代に引き継げない悩みは耳にする。

    次世代は次世代で起業してもらえばいいということだろうか。

  •  岩波新書にしては分かりやすかった(笑)。社会起業家というのがどのようなものなのかよく分かった。ざっくり説明すると、社会に与える影響を十分に考慮しながら、最終的に公益につながような手法で利益を追求する起業家のこと。
     高い志と優れたスキルがなければ社会起業家になれない訳ではない。社会起業家は、ちょっとした問題意識から生まれることもある。社会起業家は「難しい」とか「流行に過ぎない」とか思っている人には是非とも読んで欲しい。

  • 最近は登録してから買うようにしている。

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