働きながら書く人の文章教室 (岩波新書 新赤版 916)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309161

作品紹介・あらすじ

勤めていた工場の廃業によって、小関さんが50年間誇りにしてきた肩書「旋盤工・作家」が消えた。仕事を守りつつ、生活と現実から実感する喜びと悲しみを作品として書くことは、人生にどんな意味をもつのか。いま、自分と社会について深く考えるために文章を書こうとする人々に表現することの精神と方法を、自らの体験をもとに語る。

感想・レビュー・書評

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  • 旋盤工・作家である著者が、これまでの生き方を振り返りつつ働きながら書くことの意義を教えてくれる。町工場の人々や同人雑誌に集う人々の熱い思いがひしひしと伝わってくる。「『働きながら』を否定的にとらえる人が多い」(p64)。この本が書かれてから20年経ち、労働時間をもっと短くとか働きたくないといった投稿がSNSに飛び交い、いいね!を集める現在。著者の主張は次の一文に凝縮されている。「自宅の書斎とバーの止まり木を往復するだけのもの書きが、いくら技巧を凝らしたところで、人の心を打つものは書けない」(p65)。

  • この人の文章を読んでいると「端正」という言葉が浮かぶ。感情に任せて書いたのではない、吟味を重ねて丹念に書かれた文章は、読んでいて大変心地いい。最近ありがちな「泣ける」なんていう感情を押し付けてくるのではない、読めば自分のなかから自然に感情が浮かび上がってくる本だった。文章教室とあるけど、ここで学べるのはハウツーではなく作法や心構え。私は常々ものづくりに携わる人を大変尊敬しているのだが、この本を読んで、その気持ちをさらに強くした次第。

  • 文章教室ではなく、
    読書術
    編集者
    取材
    などなど、文章に関わる出来事。

    最初は、誤訳,誤用,誤植の話題から入っている。

  • [ 内容 ]
    勤めていた工場の廃業によって、小関さんが50年間誇りにしてきた肩書「旋盤工・作家」が消えた。
    仕事を守りつつ、生活と現実から実感する喜びと悲しみを作品として書くことは、人生にどんな意味をもつのか。
    いま、自分と社会について深く考えるために文章を書こうとする人々に表現することの精神と方法を、自らの体験をもとに語る。

    [ 目次 ]
    1 働きながら書く
    2 わたしの読書術
    3 走り書きのメモから教えられる
    4 編集者との出会い
    5 小説の取材、ノンフィクションの取材
    6 町工場巡礼の旅をする
    7 旋盤工・作家のナカグロ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • タイトルは文書教室となっていますが、文書を書く技術等はあまり書いてありません。文章を書く心がけ、気持ちを学ぶ為の本です。

    …いや、学べないな。この人の人生面白すぎるもの。真似は出来ないだろうな。

    そんな本です。

  • bookoff
    2009/8/5
    home

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著者プロフィール

1933年、東京生まれ。
都立大学附属工業高校卒業後、旋盤工として町工場に勤務する。
そのかたわら、執筆活動をつづけ、作品を発表する。
◎おもな著書
『大森界隈職人往来』(朝日新聞社、81年)--第8回日本ノンフィクション賞
『粋な旋盤工』(風媒社)、『春は鉄までが匂った』(晩聲社)、『羽田浦地図』(文芸春秋)ほか

「1985年 『鉄を削る 町工場の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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