生きる意味 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 641
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309314

作品紹介・あらすじ

経済的不況よりもはるかに深刻な「生きる意味の不況」の中で、「本当に欲しいもの」がわからない「空しさ」に苦しむ私たち。時には命をも奪うほどのこの苦しみはどこから来るのか?苦悩をむしろバネとして未来へ向かうために、いま出来ることは何か?生きることへの素直な欲求を肯定し合える社会づくりへ、熱い提言の書。

感想・レビュー・書評

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  • 高度経済成長後の社会において、誰もが他人の欲しがるもの(他人と同じもの)を欲しがるっており、自分が本当に欲しいものを手に入れていない
    みんなと同じ欲求を持ち、みんなが目指す人生を歩むことが推奨された今、自分自身が生きる意味を見失った人が多い

    現代日本人の虚しさの核心は、自分がどこまでも交換可能であるという意識からくる、「かけがえのなさの喪失」→日本の伝統の、他社の目を意識した恥の文化から来ている
    これを、日本文化のせいだ、親のせいだと言い続けることで、「自分を確立する」という次のステップに進むことから逃げている。自分が被害者、アダルトチルドレンの立場にとどまることへの言い訳を提供してしまっている。

    グローバリズムの弊害
    ①格差の拡大
    ②自然環境と文化の破壊

    バブル崩壊後の日本が構造改革を進めた結果、社会制度の持続性への不安を生んだ→人がヒトという経済成長のための道具として扱われ、透明な存在へと変わっていった。
    グローバリズムは、「場」を重視する日本社会独自の閉鎖性への解放者かのように、日本に受け入れられた。

    グローバル化とは効率性と評価による市場原理であり、それは自分の能力を常に効率的に生かし、ひとりひとりがより大きな社会に対して評価を問いていくものである。
    →そんなことが全ての人間に可能なのか?一握りの強い人間にはいいが、弱い人間には、「努力が足りない」という自己責任論で見放すような社会となる。
    →これからの社会で大事なのは、自分の弱さも他者の弱さも認める包容力のある人間

    【数字信仰】から【人生の質へ】
    数字は評価の場で、曖昧さがない圧倒的な強みを持つ。
    世界には様々な文化があり、その中には多様性、生きる意味があるが、そうした多様性は効率性の悪いシステムである。そうした世界では客観的指標である「数字」により瞬時にコミュニケーションが取れるが、そういった誰にでも通用する意味を求めることが、結局誰の意味にもならない時代となっている。

    これからは、自分の心、感じ方を尊重し、自分が一番何を求めているかを重視する「心の時代」
    自分が好きなことに一点豪華主義を貫ける人間は強い
    生きることの内的成長の豊かさを重視し、「生きる意味の創造者になる」

    そのためには、「ワクワクすること」と、「苦悩」への感性を研ぎ澄ます
    ※苦悩とは、自分が何を求めているかが分からないため、何にワクワクするかをもがきながら探求していくこと。苦悩すべきときに苦悩することで、生きる意味の再構築につながる。
    これら2つは、仲間との豊かなコミュニケーションにより強く育まれる。
    他の人のワクワクすることと刺激し合って、相乗的に実現していき、また、苦悩が他社に受け止められ、自分の生きる意味をコミュニケーションの中から発見していけるようなコミュニティーの再創造が、今こそ求められている。
    (NPO、ワークショップ、セルフ・ヘルプグループなど)
    生きる意味を育むネットワークを、職場の内外に張り巡らせておく。

  • かけがえのなさの喪失

  • あまり共感できない
    →批判しかしていないからか…

  • 38404


  • 生きる意味(岩波新書)

    #上田紀行

    “これからの時代、私たちは自分の人生を支える意味、「生きる意味」を創り上げていかねばならない。自分が何を求めて生きるのかという、自己の欲求のあり方を発見しなければいけないのである。しかし、私たちはその課題の前で途方に暮れている。自分が一体何を求めているのかを探求する方法も知らないし、「生きる意味」を構築する訓練もなされいない。自分が何を求めているのかなど、自分が一番知ってるはずではないかと言われそうだ。しかし、一番分かりそうな「自分」が何を求めているのかが私たちには分からないのだ。そして自分の「生きる意味」がどこになるのかも。”

    著者は「生きる意味」のオーダーメイドの時代がきたという

    しかし、誰もが
    自分の「生きる意味」の創り方がわからない
    教わってもいない

    「生きる意味」を見つけている
    大人に出会うこともない

    そんな中で、グローバリズム、新自由主義の
    弱肉強食の世界に投げ出されている

    そんな存在が
    今の日本を生きる私たちなのだ

    その上で、
    私たちは選ばないといけない

    社会の被害者として生きていく生き方か

    それとも、
    新しいコミュ二ティを創り

    手探りでも
    「生きる意味」を創っていこうとする
    生き方か

    もし、後者の生き方を選びたいのであれば

    自分の中の「苦悩」や「違和感」を
    安易な解決策の元に
    手放してはいけない

    それがあなたの「オリジナリティ」の元になる
    「オリジン」であるからだ

    「生きる意味」の創造は
    喜びとも、苦しみとも
    ともに歩んでいく生き方だ

    読み応えのある本だった。
    物質的に豊かになった
    今だからこそ、
    日本だからこそ、

    人文知が、教養が
    そしてコミュニケーションが
    個人レベルでも
    社会レベルでも
    必要とされていることを
    実感させられた。

    #読書
    #歴史
    #教養
    #リベラルアーツ
    #Honstagram

  • 1 「苦悩」の正体(「生きる意味」の病;「かけがえのなさ」の喪失)
    2 数値化と効率化の果てに(グローバリズムと私たちの「喪失」;「数字信仰」から「人生の質」へ)
    3 「生きる意味」を創る社会へ(「苦悩」がきりひらく「内的成長」;「内的成長」社会へ;かけがえのない「私」たち)

    著者:上田紀行(1958-、東京都、文化人類学)

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  • 内的成長やコミュニティなど示唆に富んだ内容です。

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著者プロフィール

上田紀行
1958年東京都生まれ。文化人類学者、医学博士。東京工業大学教授、リベラルアーツ研究教育院長。東京大学大学院博士課程修了。86年よりスリランカで「悪魔祓い」のフィールドワークを行い、その後「癒し」の観点を最も早くから提示し、現代社会の諸問題について提言を続けている。
日本仏教の再生に向けての運動にも取り組み、2005年にはスタンフォード大学仏教学研究所フェローとして講義を行う他、ダライ・ラマ14世との対談も出版する。著書に『生きる意味』『スリランカの悪魔祓い』『ダライ・ラマとの対話』『人間らしさ』など。

「2019年 『立て直す力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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