本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004309390
みんなの感想まとめ
民主主義の形成過程を深く掘り下げた本書は、明治時代の自由民権運動を中心に、先人たちの理論と実践がいかに現代日本の国体や政体に影響を与えたかを描いています。著者は、福澤諭吉や徳富蘇峰などの思想を通じて、...
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
・大正初年の第一次護憲運動:けいえんじだいという「官民調和体制」が、民衆運動によって倒される過程
p.214
吉野の、民衆的示威行動を論ず…第一次大戦前の西欧の合法的社会主義運動との比較で、1912末から1914始めまでの日本の民衆運動のお粗末さが論じられている -
本書は、明治における歴史的過程を「政治システム」という側面から捉えなおし、しかも日本の近代史を「上からの枠組み」ではなく、「下からのデモクラシー」という枠組みで理解するというという、歴史書としてはあまり見たことがない視点から展開している。
「大同団結運動」や「明治憲法体制の定着」「大正デモクラシー」、すべて当時の政治運動についての考察は相当この時代についての知識がないと歯が立たないほど緻密・精密としかいいようがない。
それでも、本書を読み続けることができた理由は、「第一に、日本人は二大政党制が嫌いなのではないだろうか。戦前日本で1925年から31年までの7年間、二大政党制は実現されたが、この7年間以外の約120年間、それは一度も実現していないのである」という本書の一節に衝撃を受けたからである。
本書を読んで、2009年に発足した民主党政権がわずか3年3ヶ月で崩壊した理由は、「鳩山由紀夫」の不用意な対米対応や「管直人」の特異なキャラクターにあるのではなく、日本人が意識せずに持っている「国民文化」やそれに規定された「政治システム」自身の内側にあったのではないかと驚きとともに思いついた。
しかし、本書は当時の「政治運動」だけでなく、その裏打ちたる「政治思想」や「人的評価」までも総合的というか、じつに立体的に考察している。
その内容はあまりにも専門的というか緻密であり、読んでも巨大なモニュメントの前で呆然とたたずむように圧倒されるばかりであるが、現在の日本の政治を考える上で、「明治日本」の歴史考察が生きてくるという視点に興奮する思いを持った。
本書は、日本という国家がもつ独特かつ特殊な歴史を解析した凄い本であると高く評価したい。 -
67
-
福沢諭吉からはじまって、植木枝盛・中江兆民・徳富蘇峰・北一輝・美濃部達吉が登場。
-
明治から戦後民主主義までを貫く、日本における「デモクラシーの伝統」
を規定し、その明治期における展開(二大政党制、普通選挙、君民同治
あるいは社会民主主義―「明治デモクラシー」とよぶ)を、思想史的に
叙述した著作。文体は比較的平易で、非常に読みやすい。
ひとつ疑問なのは、日本におけるデモクラシーの伝統の始点が明治維新に
置かれている点だ。また、それ以前は筆者は「王政復古以前の歴史に無知
な近代史研究者」であるがゆえに、あえて言及を避けている。
しかし、デモクラシーの伝統を言うのであれば、近代以前から展開して
いる租税協議権的発想なんかをどう位置づけるのだろうか、という点は
少し疑問に思った。
-
迷ったが政治史の本なのでここ。面白い考察だと思うが、著者の悪文がすさまじく憎くなる。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
坂野潤治の作品
本棚登録 :
感想 :
