だます心 だまされる心 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309543

感想・レビュー・書評

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  •  科学的な分析というより、詐欺やだましをめぐる豆知識、トリビアみたいな本。思い込みや権威にとらわれず、懐疑的にいきましょう、というのが大筋の内容。でも多くの人はそれができないから困ってる。「へ~」と思える個所や参考になる点はあるが、読んで得したという気持ちにはあまりなれなかった。

  • 1.どのようなことを書いた本か
    「だまし」についての魅力や楽しみ方、それとは反対に悪徳商法の被害やだまされることについての危険など、様々なだましのテクニックや狙いが紹介されている。さらに、だまされないためにはどのような姿勢が必要なのかが解説されている。

    2.特に注目するところ
     人間は一般に、状況を納得ずくで理解できるときに安心感を覚えます。逆に、人間が一番不安になるのは、「こうなるはずだ」と思っているときに、予想外の事態が起こる場合です。状況が理解できず、結果が予想できないことは、大きな不安の原因です。(p3)
     「だまし、だまされることを楽しむ」という文化が根付いて初めて、手品が技芸として社会に受容されるといえるでしょう。(p5)
     人間は「ちょっと不思議な現象」を見せつけられ、それに「超常現象的解釈」を与えられると、容易にその気にさせられがちです。(p22)
     日常生活での私たちの判断の多くは、部分的な情報にもとづいてなされています。詐欺師がそこに目をつけるとき、人間の認識は他愛もなく錯誤の世界にいざなわれていきます。それは、対象が自然現象でも社会現象でも同じことであり、要注意です。人間はだまされやすい―そのことを深く心に刻むことが大切です。

    3.感想、意見
     だますということは、悪い意味ばかりで捉えられがちだが、手品やだまし絵、推理小説など人々を楽しませるエンターテイメントにも通じるものがある。
    人間は理性的だからこそだまされやすく、部分から全体を推定してしまうものだと思う。更に一度思い込みが始まると、思考の可能性や柔軟性、融通性を狭めるので、問題の解決が難しくなる。脳の錯覚に似ていると思った。この本を読んで、超能力や霊能者の類は益々怪しい物だと思った。。(愛 20150105)

  • 自分用キーワード
    一章
    中村弘『マジックは科学』(技芸としての手品を楽しむという文化が育っていないと、手品は悪魔の業と見られる、という記述がある) 呑刀履火・種瓜植樹(散楽の一種) 馬腹術(外術のひとつ) 果心居士(鎌倉時代にいた外術師) 豆蔵(江戸時代における大道芸人) 時計復活現象(超能力ともてはやされたトリック。潤滑油の粘性抵抗と「動いた人をテレビに連絡させる」ことを利用している) 
    二章
    コッティングリーの妖精写真 口品(言葉を用いたトリック。筆者は徳利を用いている) R・N・シェパード『視覚のトリック』 
    三章
    マイケル・ファラデー(「こっくりさん」は人間の意志によって動かされていることを実証した) 井上圓了『妖怪玄談 狐狗狸の事』(こっくりさんは人間の潜在意識を反映して、無意識の筋肉運動が起きていると論じた) ガッピイ婦人(本名アグネス・ニコル)とフロレンス・クック(霊媒師) 幽霊詐欺商法(19世紀に流行った商法。色仕掛け) パンタ笛吹(手から物を出すサイ◯バ氏のトリックを本で明かした) 明覚寺グループ(霊感商法で問題になっていた本覚寺グループの一員。京都の本山とは関係がない) 
    四章
    フォン・オステン(結果的に「クレバー・ハンス効果」という言葉を産み出してしまった人物。この事は警察犬の信頼性の有無へと発展して言った) 旧石器発掘捏造事件 ピルトダウン事件 虹と地震(消印が押されたはがきを利用して地震を「予知」していた人物がいた)
    五章
    F・アバグネイル『華麗なる騙しのテクニック』(スティーブン・スピルバーグ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の元ネタ) 
    六章
    柴山哲也『戦争報道とアメリカ』(ナイラの証言など、捏造された情報で人をコントロールする怖さが記されている)
     

  • 「だまし」を美学とするためには騙される方も騙す方もユーモアが必要なんだな、というものです。
    騙すと言う言葉から人はマイナス、負のイメージを持つが、実は騙すということは、実生活のなかでも私たちは積極的に、かつふんだんに使っている事に気づかされます。
    騙される方もその騙しのテクニックに拍手喝采を贈りながら、騙すという高度なテクニックを育てあげ、
    人は心の余裕や文化や、はたまた科学さえ作り上げてきたのです。
    勿論、マイナス、負の騙しも日々テクニックを磨き、人の心の隙に分け入ってくるのですが。
    では、
    文化としての騙しは楽しみながら、
    悪としての騙しにはかからないには私たちはどうするか。
    それには、
    客観的事実と主観的事実を混同しないように日頃から訓練することだと著者は言います。
    心にゆとりをもつこと。
    また詐欺等に対しては、近隣とネットワークを作っておく。
    など、日頃の心構えも書いてあります。

    ためになりました!!!

  • 騙す。瞞す。詐す。欺す。「こどもだまし(騙し)」が一番罪がないだろうか。

  • 手品などのトリック、文学・芸術の中のだまし、霊やカリスマ、科学者の錯誤、現代の詐欺などについて「だまし」という観点から述べた本。

    ・部分から全体を推定する危うさ(あくまで自分がみているところしか判断材料はないのに)
    ・さまざまな詐欺など
    ・タネはあることを理解しつつも楽しむ、マジックのだまし

    など、いろんな意味があることをわかりやすく説明している。

    人間界のだましは①金品を奪い取るためのさまざまな悪質な「だまし」、②世間を欺いて一人ほくそ笑む愉快犯の「だまし」、③「だまし」をたのしむ人間独特の文化のありようがある。
    動物界では擬態などいろんな手段もある。

  • ユーモアのあるだまし、悪意のあるだまし、自然界におけるだまし、社会現象としてのだましなど工学博士でありアマチュアのマジシャンでもある筆者があくまでも科学者としての立場を貫きながら、だましの背景やトリックを語る。

  • [ 内容 ]
    「だまし」には大きな魅力がある。
    巧みな手品や小説、だまし絵などは、存分に楽しめる。
    しかし、その魅力にのめりこんで、悪徳商法の被害など、危ういところへ連れていかれることも多い。
    さまざまな「だまし」のテクニックや狙いを紹介しながら、「だまされ」への道は何か、だまされないためにはどんな姿勢が必要なのかを解説する。

    [ 目次 ]
    1章 トリック-人為的な不思議現象にはタネがある
    2章 文学・芸術の中の「だまし」-ユーモアあふれるウソ
    3章 霊とカリスマの世界
    4章 科学者もだまされる
    5章 実生活にひそむだまし-思い込みと欲得の落とし穴
    6章 だましの社会現象-政策誘導のための「だまし」
    7章 どうすればだまされないか?

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • サイババの何も無いところから粉を取り出すトリックの紹介、
    クレバーハンス錯誤という動物の人間を深く考察した上での行動など
    いろんな騙し騙されの話が詰まっている本。
    クレバーハンスの話が個人的に一番面白く印象に残っている。

  • だます心理、だまされる心理など興味深い話がいろいろあります。

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著者プロフィール

立命館大学名誉教授。立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長。原子力工学者。 昭和15年4月16日生まれ。昭和61年立命館大教授となり、平成7年同大国際平和ミュージアム館長。放射線被曝の影響と防護を研究。原発の危険性や食品の放射能汚染について警鐘をならす。東京出身。東大卒。著作に「超能力ふしぎ大研究」「だます心 だまされる心」など。

「2014年 『「原発」文献事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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