戦後史 (岩波新書 新赤版955)

  • 岩波書店 (2005年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784004309550

感想・レビュー・書評

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  • 本書では如何に第二次世界大戦が日本に影響を及ぼしたか、日本が大戦をどのように考えてきたかについて重視しながら、批判的に戦後史を叙述している。この本は小泉政権で終わっているが、今書いてもそんなに変わらないであろうことに気づく。ある意味「戦後レジーム」が地続きなのであり、それが政治を規定しているということであろうか。有事法制、構造改革、女性活躍と現政権は論点の多くを共有している。戦後という視点から現政権を考えることに多くの材料を提供してくれる。
    戦後社会の風景については、著者の体験・実感が滲み出ていることが味を出している。傍観者ではなく、まさにその時代を生きた者としての書きぶりである。
    この本にはリベラルな史観が通底しており、その史観で書かれた教科書として非常に分かりやすくまとまっている。とりあえず読んでみることをお薦めしたい。

  • 「歴史の考え方」(岩波新書)での分析本である。分厚いが自分の体験も含めて文化的な面白い事実も含めて書いてあるので大学生でも容易に読める。戦後史を通して読むことができる本である。

  • 体験の記述を多く採用し、人の記憶を大切に扱った戦後史だ。とても実感しやすい。
    1945年から2005年までをカバーしている。同じスタンスですべての出来事を記述しているのだとすると、戦後すぐから1960年までの記述もかなり恣意的に出来事をピックアップしているのだと思われる。
    そおれはさておき、「昭和天皇が退位しなかったことが、この国の無責任体質を生み出すことになった」にはうならされてしまった。

  • 岩波新書の「戦後政治史」は有名だが、別な著者による岩波新書のの「戦後史」。

    2005年のイラク戦争や小泉政権までの主に日本の政治史を扱っている。ただし、海外の戦争党は簡単に扱っている。戦後の通史としては良い本ではないだろうか。

  • 1945年の終戦から2005年のアフガン、イラク戦争までを区切って説明している。
    著者:中村政則氏はまだ戦後は終わっていない。今のスタンスを取る限る中国、韓国は納得しない。謝罪にしても謝罪はしていない。世界に誇れる憲法はとことん守るべきである。その大きな障害が日米安保協定でこれがある限りアメリカの従属でしかない。これを改訂し本当の自立した国になり、今の憲法を守るべき。今の東アジアの緊張をそれで守れるのか?中国の強きに従い、弱きをいじめるこれをこの憲法で守れるのか?まさに社会党と共産党の言っている護憲の空言に聞こえる。

  • 戦後をさらっと復習するために読了。

    時代区分に関しては、政治的というより経済的視点からの見方を優先している。

  • ▼『戦後史』――この本を初めて手にとったのは大学1年の時だった(読み返してみると、自身の戦後史観の基礎になっているのではないかと思われる)。
    ▼内容は経済についての言及が一番多かったように思う。著者の言う「60年体制」も、いわゆる「55年体制」とは違った観点から提唱されていると考えてよいだろう。
    ▼全体的にボリュームがあり、また社会学的視点からの言及が多く感じさせられる戦後史で、「出来事」を振り返るのを目的とするならば、第3章(「昭和史」の終わり)まで一通り目を通すことを勧めたい。
    ▼なお、便宜上「昭和史」に分類したが、本書はその後平成、小泉政権期までカバーされている。

  • [ 内容 ]
    敗戦から60年。
    戦後を否定的にとらえる論調や歴史意識が強まり、いま戦後最大の岐路に立っている。
    戦後とはいったい何だったのか。
    戦争とグローバルな視点を重視する貫戦史という方法を用いて、激動の60年を描き出す。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 時代・出来事の一つ一つの説明は駆け足感が否めないが、全体の大きな流れをつかむことには適している。
    これを読んだのち、興味があるところを扱ったものを読んでいくことで、より知識が深めていけるであろう。

  • 大学からの課題で読んだ本。
    日本史をやっていたのでなんとなく聞いたことある部分もありましたが、まだまだ知らないことがたくさんあるんだなーと実感させられました。
    バブルが石油危機によって終わった、とか違った認識もってたし。
    本当に読んで良かったです。

  • 敗戦
    新しいタイプの占領:軍隊の解体、賠償金の取立てだけでなく、日本の政治・経済・社会構造の全面改造ともいうべき包括的占領政策
    天皇制を利用した間接占領
    日本占領はイラク占領のモデルにならない
    理由?フセインには天皇のようなカリスマ性および政治的威力がない
    ?日本には資源がないがイラクには石油資源がある
    ?対日占領には国際世論の支持

    日本の民主化:あきらめや再生の転機として積極的に受け止められた

    経済民主化政策のかなめ:農地改革・労働改革・財閥解体
    農地改革は最も成功した改革←農民の勤労意欲が高まり農業生産力が向上したから

    憲法第一条と第九条の関係
    天皇制を維持し、国体を護持する一条と戦争を放棄する九条はいわばバーターの関係
    (天皇処刑の国際世論をかわすため)
    ⇒天皇制の護持に成功

    押し付け憲法?
    押し付けられたのは日本の”支配層”。not 国民
    国際世論も反映

    教育基本法
    ふつう前文を付さない法律に前文をおすという異例の法律
    「憲法の精神を徹底」「ほかの教育法令の根拠法」「教育は国民全体に対し直接に責任」
    憲法と教育基本法は一体不可分(ワンセット)の理念
    58年間改正されたことなし

    東京裁判の意義
    ?満州事変や南京大虐殺の事実が初めて明るみに。
    ⇒権力やマスメディアのうそにごまかされず真実を知る大切さを国民が学ぶ。
    ?因果応報を国民的規模で学ぶ
    問題
    ?天皇の戦争責任の不問
    ?日本のアジア軽視

  • 英語で2000語のレポートを書けという無茶苦茶な課題を出されて、referされていたこの本を図書館で借りて読もうとしたものの、読み終る前、レポートのテーマすら決める前に提出期限が過ぎてしまった。明るい話題もあるはずなのに、暗いことばかりが目立ちますね。この国の戦後は。戦争がないという点で戦前よりは遥かに良いし、生活水準もかなり上がったのに、国家全体としてはどうも幸せじゃないんですよね。そういう雰囲気を感じました。著者は経済史が専門なんかな? 僕は経済というものが全く理解できないので、経済の話がでてくると辛かったです。93ページの、「ウィノー、ウィノー」というのがどういう意味なのか非常に気になる。我が地元の北関東では使われていない言葉だ。あと著者の言葉遣いにちょっと疑問が生じた。例えば165ページの「日米関係は米中関係の(従属)関数である」。この関数をfとすると、[日米関係]=f([米中関係])ということになるのだと思うけど、何のことやら全く分からない。もっと分かり易く説明して欲しいな。今一つは184ページ。「世界には楕円の中心のように英米という二つの中心があった」。これは多分楕円の焦点のことを言っているのだろう。楕円に中心と呼ばれる点があるのだとしたら、それは文字通り真ん中の点なのでは? つまり、xy平面における楕円をA(x-a)^2+B(y-a)^2=1としたときの、点(a,b)。図書館のが初版なので、直ってたらごめんなさい。フリーターってフリー+アルバイターなんですね。初めて知りました。(266ページ)巻末に年表がありますが、かなり最近の出来事まで詳しく載ってるので、自分が生きてきた時代の年表を目にするのは面白いです。

  • 私事ですが、わしの実家は千葉市の端の方にあります。市の中でも「田舎」の部類に入る場所だと思います。
    今でこそ、実家は新築家屋に囲まれていますが、昔は家の前に180度、田んぼが広がり、朝には日の出の光がこうこうと家の中を照らしたものでした。
    その一面の田んぼの中には一本の細い農道が走り、ここを片道30分かけて小学校へ通いました。この農道の半ば、田んぼの真ん中から、遠く東京方向を見渡せば、いつも遠くに聳えていたのが「2人の黒い巨人」。
    正体は川崎製鉄の2基の溶鉱炉です。学生時にアルバイトしたマツキヨでは作業着用の洗剤が飛ぶように売れるほど、地元は労働者の町でもありました。私の父も、川鉄の下請けの下請けとして、会社を起こし一家を支えてきました。時には家に生活費を入れられないほど、厳しい時代もあったようです。
    この川崎製鉄千葉製鉄所ができたのは昭和26年。その前年、川鉄初代社長の西山弥太郎が千葉市への製鉄鉄鋼一貫製鉄所の建設を発表しました。この計画に対して当時の日銀総裁一万田尚登は、「ぺんぺん草を生やしてみせる」と、この計画の無謀さを非難したとか。
    結果、世界銀行への借款などを通じて計画は成功。川鉄は一時代を築きました。その、恩恵にあずかり、我が一家も生活をしていたわけです。
    思い出せば、2人の巨人が見えるあの農道。ぺんぺん草を耳元でサラサラ振り鳴らしながら、友達と下校したものです。
    この本とは関係のないような話ですが、戦前から繋がる戦後史は、どの家庭の歴史にも繋がっているはずです。この本を読みながら、両親が歩み、わしへと続く、我が家の歴史を思い出してみました。

  • 1945年8月15日の敗戦から60年。戦後民主主義を否定的にとらえる論調や歴史意識が強まり、いま戦後最大の岐路に立っている。戦後とはいったい何だったのか。戦争とグローバルな視点を重視する貫戦史という方法を用いて、アジアとの関係や戦争の記憶の問題に留意しながら、激動の60年を描きだす。

  • 近年の日本史研究では、「戦前−戦後」という時代区分を好まないが、本書も戦前−戦後を貫く“貫通史”の立場から戦後日本史を語ってくれる。かなり大枠の説明だし、特に目新しい議論があるわけではないが、高校の社会科でコレくらい教えてくれたらなぁ、とは思う

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