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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784004309628
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ベトナム戦争に関する深い洞察を提供する本作は、著名な写真家の作品を通じて、戦争の現実を鮮明に伝えています。石川文洋の衝撃的な写真は、単なる記録を超え、読者に強い印象を与えます。特に、ホーチミンの戦争博...
感想・レビュー・書評
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ベトナム戦争の写真家、というと沢田教一が有名で彼のようにドラマチックに語られることはないけど、石川文洋も多くの衝撃的な写真をベトナムで撮っている。
私もホーチミンの戦争博物館で彼の写真を見た。その前に書籍は幾つか読んでいたので、それらの中で既に写真は見ていたけど実際にあの博物館で目の前にしてみると「本の中の写真」ではなく現実味がひしひしと伝わってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ベトナム戦争はドミノ理論に基づくアメリカが東南アジアの共産化を防ぐために参戦した事で泥沼化する。当初18ヶ月程度で収束すると見込んだアメリカであったが、いざ始めてみると、新兵器の技術力だけでは勝てないことを悟る。ベトナム国民の意思を完全に無視し、自国の利益や思惑だけを追いかけた末に待っていたのは、多くのアメリカの若者の死と国内の反戦世論の激化であった。対するベトナムはかつての宗主国であるフランスを追いやり、先進諸国に虐げられてきた国民の反骨心、独立心、そして何より自分たちの国を思う愛国心に強く支えられている。加えて北ベトナム軍や南ベトナム解放戦線(通称ベトコン=ベトナムコミュニスト(ベトナム共産主義者)とアメリカが呼ぶ)はソ連(中国も)の強力な後ろ盾もある。彼らが南ベトナムを支援するアメリカを駆逐し、自分たちの手で国を造るという強い意識に支えられながら、徐々にアメリカを追い出していく姿。本書はそうした中で命を落としたり、人生を狂わせられた一般市民、特に女性や子供の姿をレンズに収め、解説と合わせて読者の目に焼き付けていく。因みに本戦争の姿はアメリカ内でも報道統制が大して敷かれなかった事から、アメリカ国内の報道でも残虐なシーンがそのまま流されテレビを賑わせた事から「お茶の間戦争」とも呼ばれている。本書の写真の中には傷ついた兵士の姿、まるで投げ置かれたモノの様に地面に横たわる死体も映っている。強大な力で押さえ込もうとして失敗したアメリカ。武器や戦力では劣りながらも、地下トンネルや地形、地理を利用して精神力を大きな武器に戦い続けるベトナム。側から見ればどうやっても歴然とした力の差を覆し、最終的に大国アメリカをインドシナ半島から追い出したベトナム。当初はベトナム戦争を正しいとしたアメリカ世論も前述した様な報道も手伝い徐々に国内世論が撤退を望んだことも、アメリカの撤退を後押しする結果となる。
だが戦争はそれだけでは終わらない。戦時中にアメリカが散布した枯葉剤(ダイオキシン)の影響は、長くベトナムを苦しめ続け、二世三世にまで負の遺産を押し付け続ける。それ(枯葉剤)を利用したアメリカが身体的な影響の存在を知らずに散布したとは思えないから、きっと恐らくは勝利したのちに自分たちに有利な国家を作り上げるために、寧ろ身体的にも長きに亘り弱体化させる必要性を認識していたのだと考えられる。まさか自分たちが負けるなどとは夢にも思わずに。ベトナムはその後も隣国の中国やカンボジアなどと度々衝突し、60年代以降戦争の渦の中に度々放り込まれながらそれを乗り越えて成長を続ける。不屈の精神と民族愛を持つベトナムは現在も年7〜8パーセントの成長を続け、特にデジタル分野でのそれは著しい。
本書はそうした負の遺産を抱えながらも、戦後から現在に至るまで復興を続けるベトナムの姿を追い続けている。私も何度かベトナムを訪れたが、朝早くから大量のバイクが街を埋め尽くし、市場に行けば独特の匂いと活気、熱量に圧倒される。この国が悲しい戦争の記憶を乗り越えて強く伸び続ける要因は何か。そこにはベトナム戦争でアメリカが味合わされた国民の結束が常にあったのではないだろうか。まだまだこの先も伸び続けるであろうこの国に、かつてあった悲惨な戦争の記憶を撮り続け我々に平和の尊さを教えてくれる一冊だ。 -
ベトナム旅行(サイゴン)に行く予定ができたので、歴史の振り返りに読みました。カラー写真のお陰で、その当時の街や人々の様子が鮮明に伝わります。戦争をテーマにしたものなので当然ですが、結構目を背けたくなるような写真もあります。割とサッと読めるので、ベトナムの近代史を知ってみたい、ベトナムに行く予定がある、というような人には読みやすいかと思います。
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様々な表象として描かれているのは見たことがあるのに、なかなか具体的な経過に触れることができなかったアジアの15年戦争。
手始めに規格外の数字ばかりを並べてみると、
米兵221万徴兵、累計800万の兵士を南ベトナムに展開し、最大時54万が戦場に派遣された。
死者はベトナム民間人200万、解放軍110万(行方不明30万)、サイゴン政府軍22万、米兵5万(行方不明2千)韓国など支援国5千。
ざっと概略を書いておく。
1883から続いていた仏領インドシナを1945年3月日本が武装解除しフエにバオダイ皇帝を擁立。8月日本が敗戦しホーチミンがハノイで共和国樹立宣言。フランスがサイゴンにコーチシナ自治共和国を建国し、46年暮からグエンザップ将軍指揮下のベトミン(ベトナム独立同盟)軍との間で戦闘開始。戦闘機、戦車、大砲のまえにベトミン司令部はハノイを撤退、北部山岳地帯に移動し、戦闘は長期化する。べトミン軍が増強し、53年ディエンビエンフーで激戦、補給路をたち翌年仏軍を降伏させる。五大国を中心にジュネーブ会議が開かれ、北緯17度線を国境とし仏軍は南へ移動。アメリカは協定に調印せず、サイゴンにゴディンジェム政権樹立。米はトルーマンドクトリンを踏襲したドミノ理論に基づき、仏軍の戦費を負担してきたがいよいよ仏にかわって介入を強めた。秘密警察が選挙実現運動に介入し、監獄で数十万が殺された。これに対し、60年南ベトナム解放戦線が結成され、サイゴン政府軍との間で戦闘が始まった。
61年ケネディは400人の軍事顧問を派遣し、武器弾薬を支給した。派遣された顧問は18ヶ月で平定できる、と報告。
63年メコンデルタで一個大隊が大敗。北ベトナムの支援がその原因と見て、トンキン湾事件(魚雷艇による攻撃、決定打となった二度目の攻撃はなくでっちあげだったことが後に判明する)をおこして北ベトナム爆撃を開始。64年またしても海兵隊が大敗したのをうけ、65年沖縄から部隊を派遣。ほかにもタイ、フィリピンの基地が使われた。
68年1月テト(旧正月)攻勢開始、サイゴンのアメリカ大使館が一時占拠される。これを期に休戦協定交渉がはじまり、69年夏段階的引き上げを開始。73年完了。南北の分断はその後も続き、75年サイゴン陥落、戦争集結。
○戦後
南ベはアメリカの援助を受けられなくなり、失業者が300万発生。120万いた華僑の半分が出国、ボートピープルとなって脱出した。
85年暮れ、共産党大会で計画経済の反省、市場原理の導入を決議。ドイモイ(刷新)とよばれる。重工業から農業生産に転換し、外国からの投資をよびかけた。投資額順に1位から台湾、香港、オーストラリア、日本は9位。95年クリントン大統領との国交正常化発表。同じく一位から台湾、香港、日本。
○枯葉剤
枯葉剤は十年で8千万リットル撒かれた。マングローブはじめ森林が3割減ったとされ、奇形、未熟児などが多数うまれた。
○不発弾
1100万トン。二次対戦の二倍。不発弾は百年後でも残るとされる。
○遺骨の発掘
ヴァンヴァンさんの名案。ペニシリンの小瓶に氏名、死亡した場所、出生地、生年月日、部隊を書いた紙を油と一緒にいれて、遺体の口の中に入れて埋葬。このメソッドのおかげで戦後遺骨の発掘が効率よく行われ、95年時点で2千人発掘された、と -
ベトナムに行く前に読み始めたのに、マレーシアから帰ってきてからようやく読み終わった。
ホーチミンの戦争博物館でこの人の写真を昨年みて、興味をもったのだった。文学者ではないので、文章は記録風で、心揺さぶられるようなものではないし、緻密でもないが。
かえってそれが、米国の不条理さをシンプルに伝える(北ベトナムの2度目の攻撃はなかったのに、とか、民衆でも探して殺す「サーチ&デストロイ」作成とか、、、もちろん、枯葉剤のことも)。
やや時系列の入り乱れた記述は気にもなるが。
ただ、写真の訴えるものは大きい。
もっと写真メインの本でもよかったな。新書なんかではなくて。 -
ジャーナリズムは大事だねえと月並みな感想。
多くの死体の写真はそれだけで、戦争は絶対に嫌だと思わせるもんな。
後半に集められた、平和が戻ったベトナムの写真も、前半の悲惨さがあっただけに一層際立つ。 -
開高健のレポートは人間の内面の戦争を描き、石川文洋の写真は人間の外側の戦争を目撃する。どちらも必要なんだなと思った。
撃たれて倒れた妻や母親に、駆け寄るでもなく、すがりつくでもなく、傍らに呆然と立ちすくみ、少し離れたところにしゃがみこんで泣きじゃくる。殺された兵士は糸の切れたあやつり形のように、埃っぽい道に放り出されている。雷に撃たれたわけでも、交通事故にあったわけでもない。これが人間の仕事だ。
写真はもちろん、プロの書き手ではないからこその、素直で真っ直ぐな文章。 -
著者はベトナム戦争時、米軍に従軍した戦場カメラマンである。写真はベトナム戦争中の農村や市街の民間人の生活の様子や遺体なども写されている。ベトナム戦争は戦争中も悲惨だったが、枯葉剤の影響による奇形児や不発弾で2001年に2人の息子と自分の脚を失った父親の写真など戦後何十年たっても消えてない現実を直視する上で貴重な本だった。
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冷戦の狭間で発生した、アメリカとベトナムの戦争の事を、数多くの写真と現地を体験した筆者の文章で表現している本。ベトナム戦争の情景を克明に捉えた写真が多く使われている。
その中には、本物の遺体写真や枯葉剤の影響による障害に苦しむ人々を捉えたものなど、目を背けたくなるものも多くある。特に、標本として保管されている奇形児の数の多さにはゾッとさせられる。また、「敵の肝臓を食べると戦死しない」という言い伝えに従って、処理された敵兵の生々しい写真もある。
いつの時代も、戦争で真っ先に苦しむのは力ない国民であり、徴兵、捕虜、そして大切な家族を目の前で失う事を余儀なくさせる。戦争後も不発弾に巻き込まれてしまい、病院に担ぎ込まれる人が後を絶たない。
自分用キーワード
ドミノ理論 トンキン湾事件 グエン・ヴァン・チュー大統領 スペシャルフォース(ベトナム戦争) サーチ・アンド・デストロイ(索敵撃滅) ロバート・S・マクナマラ『回顧録』(北ベトナムを過小評価し、かつベトナムの歴史・文化の無知、近代兵器の効力に限界があった、と記述) -
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ベトナム戦争の通史的な本がないかと、図書館に訪れたが、いい本がなかった。
それで、この本を借りたが、まことにつまらなかった。
なぜに、北ベトナム軍を「解放軍」と称するのか、わたしには理解できない。
ベトナム戦争に関していい本はないか。 -
ベトナム戦争の惨状がカラー写真で豊富に掲載されています。中には、枯葉剤の影響で眼球がない子供などのショッキングな写真も…。ベトナム戦争は終結して長らく経ち、都市開発も進む事で、プラスの面が少しずつ見え始めていますが、未だ戦争の傷や後遺症に苦しむ人がいるという現状も同時に知っておかねばと痛感しました。
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ときどきベトナム戦争に関する本を読むのだけれど、これもその一冊。
「NAM」でも十分だと思っていたのだけれども、そうではなかった。
この一冊を少し読み始めて、そう思った。
これは、腹の割かれた死体(ベトナム人の解放戦線兵士)を囲んでベトナム人(政府軍)の兵士が立ち尽くす写真に「敵兵の肝臓を生で食べると戦死しないと言われている」旨の説明がされた写真を見たときに感じたことだ。
これまで知っていたベトナム関係の本に対する見方も変わった。
ティム・オブライエンの小説について、作中の逸話について明らかに創作と思われるカ所(例えば、彼女を連れてきたらグリーンベレーになってしまった的な話)、またどうして小説という創作によってしかベトナム戦争を伝えられないと考えているのか、が突然はっきり感じられたのだった。
(この感覚があっているか間違っているかはさておいて)
また、これまでおっくうで確認していなかったベトナム戦争の経緯についても、コンパクトにまとめられているので、読む気になったし、よく読んだら理解できた。良かった。 -
現場の空気が伝わってくるかのような写真と文章だった。本当に、ベトナム
の現場に行ってみたいと思った。 -
戦場カメラマンとして有名な石川文洋氏の写真と文によるベトナム戦争時から2005年まで至るまでのベトナムの軌跡を見ることができる一冊。石川文洋氏の名前は以前から知ってはいたが、その存在を私が再認識したのは今年の1月ホーチミンの戦争証跡博物館を訪ねた時だった。
彼の写真がたくさん展示されていたのだ。
本書では彼が見てきた彼が愛するベトナムが読者をも心が打たれざるを得ない。中国、フランス、米国などの大国の覇権と思惑に常にさらされてきたベトナムという国の悲哀を感じずにいられない。そして日本人としてこの国をもっと知りたくなりました。 -
戦場での生々しく悲惨な写真が掲載されている。 戦争で一番に被害を被るのは子供と老人である。 この世界から戦争は無くならないのであろうか。いつの時代でも戦争をしたがる権力者、独裁者がいるのだろうか。しかし、武器でもってある国を奪取しても、その国の人々は絶対に統治者に対して支持はしない。だから統治はできない。それは歴史が証明している。戦争はほんとうに愚かなことである。
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[ 参考となる書評 ] -
ベトナム戦争についてよくわかるように書かれている!!
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ベトナム戦争をよく知らない人にぜひ読んで欲しい。
一応知っている、という人にもオススメ。
戦争自体についての説明は簡単なものですが、カラー写真を通して文章を読むだけよりもさらにリアルに伝わってくると思います。
著者プロフィール
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