ジャンヌ・ダルク: 歴史を生き続ける「聖女」 (岩波新書 新赤版 968)
- 岩波書店 (2005年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004309680
作品紹介・あらすじ
フランス解放の闘いの先頭に立ちながら、異端裁判で火刑にされたジャンヌ・ダルクは、死後復権して、聖人に列せられた。同時代から現在まで、五百五十年余にわたって歴史を生き続ける「聖女」像を、史料を博捜して追跡する。そこからは、中世、啓蒙の時代、国民国家と変わりゆくフランスの歴史が浮び上り、興味ぶかい。図版多数。
感想・レビュー・書評
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しっかりと資料に裏付けられたジャンヌ像。当時の裁判記録が残っており、そこから全て解き明かすことができる。等身大の当時の女性である。そこには神秘的な出来事などはない。あるとすれば、「声」に導かれているとしているところくらいである。
それでも「声」に導かれて、行動をする乙女には神性があり、さまざまなストーリーを考えたくなってしまうのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他の解説本とは少し違った観点で描かれている。
『処刑裁判記録』や『復権裁判記録』をベースに彼女が歴史において、
どのように解釈されていったのかを追跡した本になります。
参考文献が明らかになっているのが良。
その神秘性から人類史において最も議論された人物の一人。
色んな人間が、様々な角度でジャンヌを解釈しているのがわかります。 -
『それって〇△×のジャンヌダルクやなぁ。』のような比喩は使うが、何となく、しか、知らない。ということで、古書街で手に取る。
歴史上にありがちな謎の多い人物ではあるが、この方の場合、処刑前と名誉回復で2回の裁判が行われており、当時の関係者の証言という稀有な記録があり、かなり正確に状況を把握できる。それでも未だに、研究者がいて、論争があり、注目をされるのは、やはり本人の存在が長い歴史の中でもひときわ輝いているからだろう。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
2005/11/29読了
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ジャンヌがどう描かれ評価されてきたかにスポットを当てている。近世までローカルな存在で、誤ったいでたちで描かれたジャンヌが、現在に繋がる比較的史実通りのイメージになったのは、対外戦争の為国民の士気を鼓舞する必要のあったナポレオンに端を発するというのは面白かった。裁判記録の整理でかなり研究が進んだ今日、将来再びジャンヌ像が変わるとしたら、その時も時代の要請がきっかけなのかもしれない。
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ジャンヌ・ダルクのイメージの変遷を追った1冊です。異端者・魔女の烙印を押されて火刑に処された彼女が名誉を回復して列聖に至る過程とフランス史の不可分な関係が分かります。
九州大学
ニックネーム:天神(あまがみ)ルナ -
英雄視されるジャンヌ・ダルクを,これまでどのように人々がとらえてきたか,いくつもの文献から紹介される.彼女については「処刑裁判記録」と「復権裁判記録」が詳細に記録されており,これをどう読み解くかというところであろう.
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[ 内容 ]
フランス解放の闘いの先頭に立ちながら、異端裁判で火刑にされたジャンヌ・ダルクは、死後復権して、聖人に列せられた。
同時代から現在まで、五百五十年余にわたって歴史を生き続ける「聖女」像を、史料を博捜して追跡する。
そこからは、中世、啓蒙の時代、国民国家と変わりゆくフランスの歴史が浮び上り、興味ぶかい。
図版多数。
[ 目次 ]
序章 史実と伝説
第1章 同時代人が描くジャンヌ像
第2章 後世の人々が描いたさまざまなジャンヌ
第3章 処刑裁判記録に現われたジャンヌ像
第4章 ジャンヌ列聖とジャンヌのめぐる論争
終章 歴史を生き続ける「聖女」
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
ジャンヌダルクに関する最高峰の本かも
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物語的なジャンヌ・ダルクではなく、限りなく彼女の実像に近付ける内容だと思います。
ある程度ジャンヌ・ダルクについて知っているならば、読んでつまらないことはないはずです。
学校から借りた本ですが、手元に置きたくなっちゃいました。 -
さまざまな視点や文献からジャンヌダルクはどういう人物だったのか、を分析している本。
偏っておらずとても参考になった。 -
それを題材とする多々の史料等から、聖女ジャンヌの素顔を探求する。
それにしても、史実があらわになればなるほど、彼女の人生はとてつもなく、強い意志の元に、劇的に、伝説のように、嘘みたい。
MVP:マリー・ドルレアン(像が、かっこよすぎです)
wさんに借りた -
私達は精一杯、神の言葉に従って祈らなければなりません。私達は自らを殺さないという前提に立つ限り、人間としての苦労を苦しまなければなりますまい。しかし私達がこの世でなしうるのはそこまでなのです。
主が限りない慈悲によって私達の祈りと努力と苦しみを受け入れてくださるなら幸いと申さねばならない。 -
キリスト教界における「ジャンヌ・ダルクの」立場の変化を、細かくそして正確さを意識して描いている。
愛国心の象徴、聖人の象徴としての「ジャンヌ・ダルク」の姿が浮き彫りになっている。 -
確かこの著者の方、日本ではジャンヌ・ダルク研究の第一人者だったと思います。
面白いなあと思ったのが、ジャンヌ・ダルクに関する公式文章って結構あるんですよね。裁判記録なんかきっちりと残っている。なのに、謎。色々なジャンヌ・ダルク像がある。
それら文章を紐解けば、そこで語られる事実は分かるのに、ジャンヌ・ダルク自身は謎。「歴史を生き続ける」っていう副題は、言いえて妙。
これからもジャンヌ・ダルクは、さまざまな像が生み出されるんでしょうねぇ。
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裁判の様子や生涯など、マニアックな話がメインだったので楽しめない1冊でした。