いまどきの「常識」 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 326
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004309697

作品紹介・あらすじ

「反戦・平和は野暮」「お金は万能」「世の中すべて自己責任」…。身も蓋もない「現実主義」が横行し、理想を語ることは忌避される。心の余裕が失われ、どこか息苦しい現代のなかで、世間の「常識」が大きく変わりつつある。さまざまな事象や言説から、いまどきの「常識」を浮き彫りにし、日本社会に何が起きているのかを鋭く考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 「常識」とは何だろうとあらためて考えてみた。常識は固定で普遍的なものではなく時代や世情で変わっていく。常識の範囲は人それぞれに違っているが、「少なくとも自分はいつだって常識を持っている」と誰しもが思っている。自分のストライクゾーンに入ることは常識で、ストライクゾーンに入らないことは非常識。これじゃちょっと身も蓋もないか。

  • いまどきの若者は軟弱だなぁと思いながら読み進めてみたりするけど、いざ客観視すると、「自分のことだ」とハッとさせられる。

  • 個人の強さを中心に据えた最近の「常識」に対して、社会や価値の多様性、連帯といったものが本当に時代遅れなのか?を問うています。幾分の揺れ戻しはあるものの、その流れは事実。ただし、それでよいかは別問題。

  • 常識とは何でしょう。
    お金、コミュニケーションなど、いくつかのテーマで、著者の思いが語られます。それに感心させられたり、共感したり、反論したくなったり。
    自分の思いが頭をよぎり、読むのには時間がかかりました。
    いろいろ考えるきっかけになり、満足な一冊でした。

  • 時々「そこまで話飛ぶか?」というのはあるけど、全体的にはマル。そう言えば昔、スピリチュアルに嵌っていた知人に「そのうち世界の常識になるわよ!」と捨て台詞吐かれたことがあったな。スピリチュアルが世界の常識になったら、全く興味のない私って「異端者」として罰せられるのかな?なんて考えたっけ。昨今の愛国主義も同じ臭いがするわ。

    香山さん、ごめん。もし私が大学生で香山さんの授業を受けたら・・・尾崎豊の曲の感想は、あんまりいいこと書けないだろう。彼の音楽、好みじゃないの。ブルーハーツは大好きなんだけど。

  • 香山リカのエッセー集、のようなもの。いまや常識となっているような30の「常識」に対して、時には皮肉も交えながら、疑問を投げかける。エッセー集(のようなもの)なので電車でも気楽に読める。

    全体を通して感じることは、住みにくい世の中だなあということ。別に政治、経済の状況がまるっきり異なる過去と比較して言うわけじゃないんだけどさ。特に印象に残ったのはジェンダーフリーに言及した「男は男らしく、女は女らしく」。あまり聞かない論調で新鮮だった。

    政治に関してはあまり言及したくない。本人だって、おそらく気楽に書いてるんだし、そうした本に向かってあーだこーだ言ってもしょうがないでしょうに。ただ敢えて一つ言うならば、右だ左だと罵り合っては思考を停止させてしまうような世の中にはなってほしくない、ということです。
    (2006年04月08日)

  • 常識と言われているものに対しての著者の疑問、警告。
    全体を通して共通して言えると思われることは、
    現代の日本人は若者に代表されるように
    自分という概念が非常に狭く他人の立場に立つということが苦手ということ。
    またまず現実ありきで考える癖があって、
    理想や理念に合うように現実を変えていこうという線ではなく
    現実に合うように理想や理念を変えていこうという線が濃厚。
    確かに自分はどうだったかということを考えてみると
    一見自分の意見を持てているようで実はメディアなどによって流されていたかもしれないと思った。

  • タイトル通りです。
    精神科医??が書いた本みたいですが、
    一つ一つの節が短いので、もうちょっと深く掘り下げて論じて欲しい気がしたのと、
    自分的に駆け足な感じだったので、要所要所でついていけなくなりました。


    中身としては、この人の主張がずっと書かれています。
    特に人に勧めて読んでほしいってわけでもありませんでした。
    コメンテーターの一意見として読む程度で、深く刺さる言葉があるわけでもありませんでした。。
    時代と共に、常識も変わるもんでしょう。

  •  いまどきの「常識」をよくよく考えてみると、そこにいまの社会そのものがが表れていることがわかる。権力や財力を持っていない「得をしていない人」までが自己責任を語るのは、問題を個人的次元に矮小化することで「現実を見据えて深く考えること」の厄介さや恐ろしさに向き合わなくて済むし、「私はこうではない」と、とりあえずは自分の身の安全を確保できるからだ、という。社会の中になんとなく広がる「足並みをそろえること」にも不気味さを感じる。「人は、自分が信じたいことしか信じない」という心理学的な特性や、「ひとつのこと、とくに身近なことを考え出すと、もうほかのことには目が向かない」という最近の傾向も興味深い。

  • 『「ゲーム脳」にしても「テレビは子供に危険」という提言にしても、信じる人はその科学的根拠や正当性など、実はどうでもいいのかもしれない。自分がなんとなく「あやしいな」と思っていたことが、専門家によって裏づけされた。「やっぱり私は正しかったのだ」という快感はあまりに大きく、たとえその後で「科学的に正しくないことが明らかになった」と発表されても、もはやそれを受け入れることはできないのだろう。』
    ただ序盤にある『「私は、その病気になったことがないので、患者さんの気持はわかりません」』と回答する学生の言葉を『自分とは少しでも異なる立場や状況にある人の心情を想像する気が、はじめからないのである。』と解釈するのは、精神科医としてどうなのか。
    他人の苦しみに対して、それを味わったこともない人間が想像だけで同情することを偽善として激しく嫌うのは若者の基本的な特徴だと思うのですが・・・。

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プロフィール

精神科医・立教大学現代心理学部教授。
 1960年7月1日北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒。学生時代より雑誌等に寄稿。
 その後も臨床経験を生かして、新聞、雑誌で社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ。

「2018年 『身近な人が「うつ」になったら読む本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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