森の紳士録 ぼくの出会った生き物たち (岩波新書)

  • 岩波書店 (2005年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784004309703

みんなの感想まとめ

生き物への深い愛情が込められたエッセイは、森の中で出会った様々な生き物たちを生き生きと描写しています。著者は、ヒグマやオオカミ、ムササビなど、一般的には獰猛とされる生き物たちにも独自の視点を持ち、彼ら...

感想・レビュー・書評

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  • 森に行ってみたいと思える。

  • 森好きのドイツ文学者が森で出会った生き物を生き生きと描いたエッセイ。生き物への愛があふれ出る文章がほっこりさせる。それは、獰猛という表現が使われがちな、ヒグマや、モズや、オオカミに対しても変わらない。
    森に行ってみようか。

  •  
    ── 池内 紀《森の紳士録 ~ ぼくの出会った生き物たち 20050921 岩波新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4004309700
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19470520
     一貧一富 ~ 紳士録の人々 ~
     
    (20150106)
     

  • 森にいる様々な生き物の生態を、温かみのある文章で綴った本。

  • [ 内容 ]
    月下の散歩者ムササビ、森の怪人ヒグマ、忍びの名人イワナ、幻の獣オオカミ―森のつつましい生き物たちは、人間よりもはるかに「紳士」である。
    ドイツ文学者にして自然をこよなく愛する旅人でもある著者が、山歩きの道すがら、またさまざまな書物の中で出会った生き物たちの姿を、生き生きと描き出す。
    著者自筆イラストも満載。

    [ 目次 ]
    1 早春・夜から朝(ムササビ;アカハラ・クロツグミ;ブッポウソウ ほか)
    2 昼下がり・夏(サワガニ;カワガラス;イワナ ほか)
    3 秋の到来(キノコ;アキアカネ;タヌキ ほか)
    4 夜の世界(イノシシ;モズ;モグラ ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 主にドイツ文学を専門としていた研究者であった著者は、55歳で退官して、そのまま山歩きを愉しんでいるようだ。どうにも、一人であちこち自由に歩きまわっているようで、奥さんはやきもきしているのではないかなぁ、といらんことを考えながら読みふける。文献資料なんかがときおり出されていたりするけれど、それよりも心惹かれるのは、著者が直に感じた印象が柔らかな文体で綴られていることである。芽吹きや息吹、自然の営みが、著者の感性を通して伝えられる。別に詩的な表現が含まれているのではないのだけれど、子育ても一段落、仕事もやめて、こう自由気ままにのびのびと自然を愉しむ著者の気質みたいなのがこう一文一文にまで現れてきている。また、本著の売りは著者が自分で描いたらしきイラストかもしれない。色がついているわけでもなし、ものすごく巧いわけでもないのだけれど、それだけになんだかすごい身近で動物をいとおしみがひとしおに感じられる。


    個人的に印象に強く残ったのは、「ウサギ」だろうか。耳が大きくて、聴覚能力が優れている。それなのに、ぎりぎりまで逃げずにじっとしている。そうして、茂みの前へ人が来るとようやくがばっと飛び出して姿をさらけ出しながら逃げる。眼前に飛び出す丸い物体に腰を抜かしかける著者は、思わず、自分とウサギの双方を指して、「馬鹿だなぁ」とつぶやく。なんとも微笑ましい邂逅である。

    後は「クマ」と「イノシシ」、それに「モズ」と「ブッポウソウ」あたりも記憶に留めておきたい。「ブッポウソウ」はそもそも、その鳴き声から名前をつけられたわけだが、しかし、実際にブッポウソウと鳴いていたのはミミズクであり、ブッポウソウ自体はあまりに耳に心地よくない鳴き方をするらしい。この誤解は凡そ千年以上にも渡って続いたそうでなんとも面白い一例である。「モズ」はそもそも漢字が誤用のようだ。百舌というのは、中国ではツグミのことらしく日本書紀に書き記す際に間違ってしまったようである。とはいえ、鳴き真似が非情に巧いのであながち意味がずれているわけでもないのだとか……。そして、肉食鳥であり、「速贄」などをすることから怖れられ忌避される存在でもある。だが、外見自体は実は非情にかわいらしい。そして、口ばしだけが異様に鋭い。なので、スズメの頭や、ときおりモグラの頭まですっぱりと切断してしまうそうなのだが、しかし口自体は小さいので食べるのに難儀するそう。速贄が放置されるのはそのあたりもあるそうだ。保存食としていることもあるし、食いきれないから放置というのもまたあるのかもしれない。しかし、カッコウにタマゴを巣穴に産み落とされ、そのカッコウの子供が自分たちよりも大きくなってもなお世話を焼くというのだから、なんて一途なんだろうなとも思う。それだけ一途なのだから、カッコウが巣立ちしてもなお、我が子と思い、鳴いているのではないか?そのためか、心なしか切ない鳴き声にきこえる、というあたりにはなんともしみじみとさせられる。

    また、「イノシシ」ってやつは意外と律儀らしい。身体から、ノミやらダニやらを払うために泥浴びをするものの、あれも汚らしいというよりは清潔感の顕れだろう。痒いってのもあるだろうけれど。また、イノシシが通った路はきれいで巣穴もやはりきれいなようだ。また、畑を荒らすものの、その代わり、最初に食べた一種しか食べないそう。サトイモを食べたらサトイモだけなのだとか。畑が踏み荒らされているのは、どうにもサトイモの堀残しを探しているという推測ものせられていて、なんていうか、変に律儀なやつだなぁと少し関心も呆れもしてしまう。また、「クマ」、クマが実は凶暴ってよりは臆病なことはけっこう誰もが知っているのかもしれない。だから、大声を出せば逃げていく。クマとの遭遇はお互いにとって不幸。つまり、クマって自分の力がわかってない臆病者なのだ。なので怖くてわけもわからずに襲いかかる。気付いたら殺しちゃってる、みたいな感じだろうか、しかし、それすらも違うようだ。実はクマによって殺された人ってあんまりいないそう、スズメバチのほうがよっぽど多いくらいで、危機意識だけが高まってしまっているのだとか。そもそも、クマは木の実やらが主食であって、鮭も食べるのだろうけれど、鮭なんて一年中いるわけでもないし、そもそも、食べても鮭くらいなわけだ。まぁ、確かにアイヌではクマ送り(イオマンテ)っていうクマ崇拝みたいなのがあったくらいで、どうにも、クマによって大量に人が死んだのは、屯田兵がクマの住処に切りこんでいったときにクマ=凶暴というイメージが定着してしまったそうだ。まあ、なんというか、クマはかわいいと思う。


    個人的に好きな動物
    「猫」「ウサギ」「クマ」「亀」あたりだろうか。犬も好きだけれど、個人的にこの四種類を四天王としておこう。俺的四天王。

  • 人間の紳士と言うとどんなイメージだろうか?森にいる著者が出会った生き物たちの中の紳士とは、いったいどうゆう生きものなのだろうか?ワクワクしながら読んだ。
    なるほど、人間のイメージとは全く違う。ムササビ、ヒグマ、キノコ、ぶな、果てはオオカミまでもこのリストに入っている。興味深く、そして愉快な文章で別世界に引き込んでくれる本です。ただ、紳士録があるなら、淑女録はないだろうか?「森の淑女録」誰か書いてくれないだろうか。
                    ちゃちゃ

  • むささびは、昔、仙台市内の山の中で飛行を目撃!!

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著者プロフィール

1940年、兵庫県姫路市生まれ。
ドイツ文学者・エッセイスト。
主な著書に
『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、
『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、
『恩地孝四郎 一つの伝記』(読売文学賞)など。
訳書に
『カフカ小説全集』(全6巻、日本翻訳文化賞)、
『ファウスト』(毎日出版文化賞)など。

「2019年 『ことば事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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