- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004309918
作品紹介・あらすじ
誰にも読めない「幽霊文字」、特定の職業で使われる文字、個人が造った漢字…。中国から取り入れた漢字を日本語として使いこなすための試行錯誤の中から生まれてきた、驚くほど多様な文字の世界を紹介する。意味、用法から字画に至るまで柔軟に変容をとげた「日本の漢字」の歴史から、日本語表記の豊かさを支えてきたものが見えてくる。
感想・レビュー・書評
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中学生にして諸橋『大漢和辞典』辞典を購入し通覧したという漢字オタクの少年が、日本漢字の専門家として、日本人がいかに漢字を自家薬籠中のものにし、さまざまな国字をつくり、今もつくりつつあるかを、歴史上の文献、地名表記、現代の携帯の絵文字に至るまで、豊かな例をもとにわれわれに示している。歴史に証拠をさぐろうとすると手書きのものを調べないといけないし、地名に使われた漢字を調べるためには現地に赴かなくてはいけない。著者のねばりに脱帽する。それにしても、これだけ一般の活字にない文字をつくった印刷所もたいしたオタクである。
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705583 -
慶應義塾大学を广K广Oと書くのは高校時代の早稲田卒の先生が独自に編み出したものだと思っていたがこんなにも奥深い歴史があったとは。 堅苦しい内容だけでなく色々なテーマが取り扱われていて読み物として面白かった。
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国字、特に小字地名用の知られざる国字の調査をした方らしい。
こんな字があるのかと思わされる。
漢字研究者であるから漢字尊重派。しかし漢字検定などには批判的のようだ。
P198:口偏の漢字。中国語の咖啡(日本では珈琲)は口で飲むからではない。音だけの音訳字として使っていることを示すもの。仏典の漢訳時などに使われた。 -
日本の漢字にまつわる話題が面白い。和字だけでなく個人漢字もあるんだ〜。
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漢字hsこうして生まれた。国字から漢字誕生の秘密を読み解く。
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日本で生まれた漢字の話や、日本独自の漢字の運用について、普段はあまり意識しない面白さや不思議が述べられている。とにかく膨大な数を誇る漢字。その研究の地道さに頭が下がる。個人的には位相文字の話が面白かった。また、同じ漢字権と言われる近隣の国々での漢字の事情は、予想以上に差がある。
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誰にも読めない「幽霊文字」、特定の職業で使われる文字、個人が造った・・・。中国から取り入れた漢字を日本語として使いこなすための試行錯誤の中から生まれてきた、驚くほど多様な文字の世界を紹介する。意味、用法から字画に至るまで柔軟に変容をとげた「日本の漢字」の歴史から、日本語表記の豊かさを支えてきたものが見えてくる。
面白い! 岩波新書の味気ないカバー表紙のせいか、とっつきにくいかなあと思って読み始めたところ、あっという間に引き込まれて一気に読み終えてしまいました。おそらく気が遠くなるような膨大な資料を研究し尽くした著者だからこその説得力のある説明が素晴らしいです。見たこともない異体字、略字がどういった経緯でできて、いつのどの文献で使われたのかが的確に示されているのに驚きました。普段使っている漢字の意外な成り立ちについても目からウロコがいっぱいです。著者は漢字の歴史・変遷を尊重しつつ、現代での漢字の使われ方もおおらかに受け入れています。漢字の世界がこれからも変化し、大きく広がっていくのが楽しみです。 -
日本の漢字 笹原宏之 岩波新書
(2010:川口 幸子先生 推薦) -
自費。どんどん読まなきゃ。
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総数を語るときに確かな数値出せないらしい
振れ幅が個人単位であったりして大忙し
これラビリンスに立ち向かう筆者も評価したいくらいある -
日本語と日本の漢字の柔軟性に脱帽。そして知識量にも脱帽。単に日本語の「乱れ」として排除してしまうのではなく、肯定的積極的に言葉の変化を受け入れる姿勢が凄い。
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「春夏冬二升五合」は、どうやって読ませる? リュウは「竜」か「龍」か? 個人が造った漢字が社会に広がっていく・・・「漢字」にまつわる歴史的な話、社会学的な話などなどを中国や韓国などの漢字の歴史と合わせながら読み解く。日本人のことばと漢字の姿がダイナミックに描かれている。
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万葉仮名から 2ch まで、ありとあらゆる「漢字」について語る。その博覧強記ぶりにはただただ舌を巻くしかない。
一般的には「言葉の乱れ」と捉えられがちな新しい漢字、個人が創造した漢字などについて、「この創造性が漢字の本来のあり方」として積極的に受け入れる一方で、漢字の「本来の意味」を無視し、字面のイメージのみを重視する最近の傾向に警鐘を鳴らす。
コンピュータ上にしか存在しない漢字「妛」(山冠に女という字を誤記して、JIS に登録された)の話も面白かった。