少年事件に取り組む 家裁調査官の現場から (岩波新書 新赤版995)

  • 岩波書店 (2006年2月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004309956

みんなの感想まとめ

少年事件や少年司法の在り方を深く考察した一冊で、元家裁調査官の著者が自身の経験を基に、少年法の精神やその実践について鋭い視点を提供しています。家庭裁判所の現場からの具体的な事例を通じて、少年院の更生支...

感想・レビュー・書評

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  •  元家裁調査官として、苦い経験も交えて、少年事件・少年司法の在り方を問う一冊。
     少年院の更生支援の能力を認めつつ、「自由」を奪うことでの教育効果への鋭い疑問を投げかける。
     著者のような真摯な調査官にあたるかどうかも、少年の一生を作用するのかなとも思った。

  • 661円購入2010-02-26

  • 元家裁調査官の著者が、その経験に基づき、「少年司法」の在り方を考察。
    家裁調査官出身の著者は、基本的に少年法の精神に共感的な立場であるが、少年法について考える上で、とても含蓄に富んだ内容である。また、少年事件における家裁調査官をはじめとする少年司法の専門職の重要性を感じた。
    少年司法に関わる各専門職間の連携強化や、修復的司法の取組の推進、否認事件を中心に家裁調査官の調査結果を事実認定に使えるようにしてはどうかという意見など、家裁調査官の役割に関わることをはじめとして、いろいろと積極的な提案がされているのも、意欲的だと感じた。

  • 少年事件に取り組む―家裁調査官の現場から (岩波新書)

    本書は、元家庭裁判所調査官で、本書出版当時は鈴鹿医療科学大学助教授であった藤原正範氏による、「少年司法」の制度と現場での活動について述べられた本である。

    本書は2005年12月に執筆されており、これは2001年に施行された改正少年法の見直し時期である2006年3月の直前である。著者は長年、家裁の調査官を務めてきた経験から、少年法の理念であった保護・更生から厳罰化の流れに向かうことを懸念する。いわゆる「非行少年」でない児童・生徒が保護されることも多く、そのような例では再犯もほとんどないこと、また保護処分の一つである「保護観察」が大きな効果を挙げていることを述べている。

    筆者としてはあくまでも少年法の目的は「健全な育成」であるとし、厳罰化には反対のようであるが、本書は筆者の意見を極力排して書かれており、少年犯罪に関する各種データとともに、少年法、検察、家庭裁判所、保護処分などについて詳しく書かれている。

    初学者にはとても参考になる内容であり、内容も読みやすいので★5つと評価したい。少年犯罪に関する他の書籍の前に一読しておくことをおすすめしたいと思う。

  • 元家裁調査官が執筆。

    自己の経験から、具体的な少年事件の事例とその背景が紹介されている。
    また2000年に改正された少年法についても述べられている。

    毎度のことだが、加害少年と向き合う調査官の目線を追うと、犯罪を侵した少年を割り切って考えられなくなる。
    もしその少年の性格と家庭・学校等の環境だったら、果たして自分は犯罪を起こさずにいられるか、自信がない事例がある。

  • 家裁調査官による少年事件・非行についての論考。大変よくまとまっており、現場にいたものでないと書けない内容から少年法の理念や問題点についてまでの議論がなされている。時流にのった書き方をしている少年非行ものの新書の中で、本書は非常に冷静に分析した内容が記されていると思う。

  • 家裁での少年事件処理の流れが見えてきました。

  • 家裁調査官である藤原氏が、自らの現場経験から、少年事件とは何かについて考察する本。少年司法の運用、また、少年事件が起こるとどのような過程で処遇がされるのか、詳しくかつ、易しく書いてあるので、少年事件を勉強するきっかけになると思います。
    また、実際に少年司法関係に携わっている方も、今後の少年司法のあり方についての記述は大変参考になると思います。

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著者プロフィール

1954年岡山県生まれ。1977年岡山大学教育学部卒業後、2005年まで家庭裁判所調査官を務め、神戸家裁姫路支部を最後に退職。2008年日本福祉大学社会福祉学研究科修了。博士(社会福祉学)。現在、鈴鹿医療科学大学保健衛生学部医療福祉学科教授。
著書に『戦前感化・教護実践史』(共著、春風社、2000年)、『家裁調査官レポート』(共著、日本評論社、2001年)、『児童自立支援施設の可能性』(共著、ミネルヴァ書房、2004年)、『少年事件に取り組む』(岩波書店、2006年)、『児童自立支援施設これまでとこれから』(共著、生活書院、2009年)、『Q&A少年事件と裁判員裁判』(編著、明石書店、2009年)などがある。

「2010年 『被害者のこころ 加害者のこころ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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