- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310020
感想・レビュー・書評
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立憲主義とは何か。それから導かれる憲法の役割とは。憲法の具体的内容でなく憲法そのものについて記した良書
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法の素人だが面白く読めた。立憲主義の根底の思想がよくわかる。立憲主義は「中途半端な煮え切らない」ものでそれを選ぶことは「中途半端な立場にあえてこだわる」ことを意味する…と著者。政治がかったるいのは道理なのだ。
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国家権力を制限することで個々人の人権を護ろうという理念として語られるのが通例である立憲主義を、異なる(筆者の言葉を借りれば「比較不能な」)価値観を持つ人々が公平に共存すための枠組みと捉えられている点に目を惹かれる。
特に注目させられたのは、筆者が立憲主義、特にその公と私の弁別について「人の本性に反する」(p15)と言い切っている点である。人々が「人間らしい生活を送るため」(p9)の共存の枠組みが、人間の本性に反したものであるとは。価値観・世界観が異なる人々の共存とは何と困難なものであることか。 -
憲法はバラ色でもなければ理想でもない。それを巡って戦争は繰り返される。とはいえ社会を形作るのに必要な機構。「国体」という言葉が頭をよぎります。内容は簡単ではないですが読み応えありました。学生時代の授業、独特の雰囲気だったのを思い出すなー
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NDC分類: 323.
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メモ
憲法が国家の、属する人々の在り方そのものである。故に戦争とは相手国の憲法の否定である。
立憲主義が「公」と「私」の区別によって、価値観・文化の違いを内包させつつ国家を成立させている。故に本来的に、人間としては受け入れ難い。
憲法典を変えたからといって憲法が変わるとはかぎらない。 -
とても分かりやすく憲法や政治制度について書かれている。
主に憲法改正論議の矛盾を突く内容。
日本の統治構造、という中公新書の本を読んだ後だったので議院内閣制がなぜ大統領制より優れているかと言った問題については非常に興味深かった。