日本宗教史 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310037

作品紹介・あらすじ

『記・紀』にみる神々の記述には仏教が影を落とし、中世には神仏習合から独特な神話が生まれる。近世におけるキリスト教との出会い、国家と個の葛藤する近代を経て、現代新宗教の出現に至るまでを、精神の"古層"が形成され、「発見」されるダイナミックな過程としてとらえ、世俗倫理、権力との関係をも視野に入れた、大胆な通史の試み。

感想・レビュー・書評

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  • 宗教には興味があるが
    古代神話と宗教がわかれ
    天皇の位置 祭祀を司る
    平安から鎌倉になり大乗仏教としての 聖が出始め 山伏 などが密教系と別れる
    キリスト教の伝来 江戸から明治にかけて神道との合祀
    江戸時代は寺社が 戸籍の役割を果たす
    現代にかけて新興宗教が出てくる

  • 日本宗教の歴史のイメージをとりあえずふんわりと抑えるという意味において、本書の持っている力というのは絶大だと思う。

    無論、新書という形態をとっている以上、細かいところまでは言及されてはいないし別の見方もあるのだろう。

    けれど、日本における「宗教」概念がどのように形成されてきたのか、そしてどのような実態があったのかを振り返るためには、本書のような存在が欠かせない。

    宗教学をやっている人にかぎらず、日本の思想に興味がある人は読んでみても決して損はしない一冊。

  • 良書である。たった240頁であるが、中身は濃すぎるほどに濃い。7世紀から現代まで、神道・仏教・儒教・キリスト教・修験道・新興宗教等の栄枯盛衰(?)が語られる。この本の長所は、読者に、細部はともかく、日本の宗教史の大まかなところはわかったという気にさせるところである。著者がそれだけ揺るぎない宗教史観を有していることの証左であろう。なお、同じ著者の「日本仏教史ー思想史としてのアプローチ」も好著。こちらは、橋本治が熱い解説を書いているが、あの橋本治にそのような解説を書かせたこと自体、この著者の凄さを物語っていると思う。

  • 大学時代に日本古代史ゼミで記紀神話を専攻していたので、律令制成立以降の宗教史に関心を抱いて読んだ一冊。古代の箇所は指導教官による指導に重なる部分が多々あってするりと読めたが、中世以降の仏教思想のくだりが難しかった。私が興味があるのは近世までの宗教史なのだなと再確認。それでもキリスト教とそれまでの既存宗教を完全に分けて考えていた身としてはそれらの相互関係が不可分なものであることを学べただけでも収穫だった。長崎出身で大学がカトリックなのでキリシタン史に関しては基礎知識があるが、仏教の勉強をもっとしてみたい。

  • 前半はキレの良い部分もあったが、後半は粗っぽい印象を受けた。

    記紀神話の政治性、聖の登場、聖地化、キリスト教と権力者の神格化、国家神道の詭弁。

  • 正月は神社に初詣に行き、結婚式はキリスト教の教会で挙げ、盆に先祖の霊を迎え、クリスマスを祝い、葬儀は仏式で行う…、そんな無節操さを、しばしば批判的な論調で語られることが多い日本人。
    私自身、まったくの無宗教・無信心で、いわゆる信仰というものに対する嗜好は皆無だが、日本に生まれ暮らす日本人の一人として、そういったあまりにも混沌たる日本人と宗教との関わりについては、以前より強い関心を抱いている。
    結果的に本書は、日本人の国民性および精神性と宗教との関連を包括的に分析し、一つの見方を提示する、という私が求めていたようなスキームで論じられたものではなかったが、そうした思索の前提となる予備知識を、古代より時系列を追って適宜説明してくれており、まさしく"日本宗教史"の概論としては充分に読み応えがあるものだと思う。
    何となくは知っているつもりの"神仏習合"の本当の意味合いや、檀家制度の成り立ちと葬式仏教の意義、記紀神話の成立には実は仏教が影響していた、などといった目から鱗の知識にも出会うことができた。
    他にも、日本独特の様式である山岳信仰や、実在の人物が神として祀られる数々の事例など、掘り下げていけばきりがないような興味深いトピックスが多くあることが分かる。

    とどのつまりが、"宗教"と肩肘張っていても、突き詰めればその国や土地に、文化と不可分なものとして根付く"生活様式"こそがそれだと言えるのではないか、という自分なりの結論に至った。
    もちろんそれは信仰や信心とは縁が薄いものにもなりうるので、狭義的には"宗教"とは言えないのかもしれないが、帰依する対象の有無を別にすれば、例えば"道徳"や"倫理"として捉えられているものこそ、人々の行動を縛り、そして冠婚葬祭など生活の中の節目節目で様式を規定する"宗教"なのだ、と定めても完全な誤りではないだろう。
    儒教(儒学)は宗教なのか、という議論も古くより行われていると聞くが、その辺りは専門家の間でも意見が分かれているようだ。

    少し話は飛躍してしまうかもしれないが、宗教に対する日本人の寛容さ(ルーズさ)、というものに考えを巡らせてみると、なぜ日本の街並み(たとえ古都と雖も)がヨーロッパのそれらと比べて無秩序で美観を伴わぬのか、その理由が朧げながら分かるような気もする。

  • 日本古来のものだと考えられているもの、そうした<古層>は中世に形成されたものだった。
    アニミズムのような考えも仏教の影響抜きには捉えられない。

  • 〈古層〉論を論を批判的に発展させる観点で、日本の宗教史を概観した本。仏教、神道、儒教、キリスト教などの宗教諸派が互いに影響しあい、そこに政治が絡む形で、各々発展して来たと言うストーリーになっている。
    時代区分ごとにその時代の代表的な事例を紹介していて、記紀神話は仏教の影響の下に創作されているから、日本の〈古層〉じゃないと喝破するあたり小気味よい。個人的には、中世に創作された偽書に、積極的な意味を持たせている話が面白かった。
    個別の話は他にも面白いことが書いてあるのだが、本書全体のパースペクティブが一番最後の章に記載されているため、読んでいる途中は、その話が全体の中でどんな位置づけなのか把握できないのは難点。
    初読の場合は、最後の「いま宗教を問い直す」を読んで、全体像を把握してから読み進めることをお勧めする。

  • 日本人と宗教について分りやすく説明してくれています。主に神仏が密接に関わりあいながら展開していく宗教史を丁寧に解説してくれています。自分のように大雑把に日本の宗教について把握したい人にためになる一冊だと思います。

  • [ 内容 ]
    『記・紀』にみる神々の記述には仏教が影を落とし、中世には神仏習合から独特な神話が生まれる。
    近世におけるキリスト教との出会い、国家と個の葛藤する近代を経て、現代新宗教の出現に至るまでを、精神の“古層”が形成され、「発見」されるダイナミックな過程としてとらえ、世俗倫理、権力との関係をも視野に入れた、大胆な通史の試み。

    [ 目次 ]
    1 仏教の浸透と神々―古代(神々の世界 神と仏 ほか)
    2 神仏論の展開―中世(鎌倉仏教の世界 神仏と中世の精神 ほか)
    3 世俗と宗教―近世(キリシタンと権力者崇拝 世俗の中の宗教 ほか)
    4 近代化と宗教―近代(国家神道と諸宗教 宗教と社会 ほか)

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著者プロフィール

1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。比較思想学会会長。専門は仏教学・日本思想史。仏教を含めた日本思想史・宗教史の研究とともに、広く哲学・倫理学の文脈のなかで、現代に生きる思想としてそのあり方を模索。『日本宗教史』(岩波新書)、『日本仏教史』『仏典をよむ』(新潮文庫)、『日本仏教入門』『日本の思想をよむ』(KADOKAWA)、『草木成仏の思想』(サンガ)、『親鸞』(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

「2018年 『仏教からよむ古典文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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