現代に生きるケインズ: モラル・サイエンスとしての経済理論 (岩波新書 新赤版 1013)
- 岩波書店 (2006年5月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310136
作品紹介・あらすじ
ケインズ革命が否定され「小さな政府」論が隆盛を誇る今日、主著『一般理論』はどう読み直されるべきか。英国で公表された資料などをもとに、その意外な成立事情、内在する矛盾、誤った解釈などを論じ、現代日本の不況対策のあり方を考察する。名著『ケインズ』(岩波新書)刊行から四十余年、待望の最新ケインズ案内。
感想・レビュー・書評
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小難しい経済学書で、予想通りのなかなか歯ごたえのある一冊。新書とは思えないほど専門的だったが、大学で学ぶ者として、これくらいアカデミックな本を読まなくては名が廃る、、、ような気がする。内容としては数式は読み飛ばしたので、細かくはぶっちゃけよくわからないが、経済学の流派について今まで知らなかったことを体系的に学ぶことができたのは非常に大きい。特になんとなくの理解でしかなかったケインズ学派、リバタリアンと、新古典派、リベラルの相違について理解できたことは社会に出る上で、また一人のジェネラリストを目指すものとして財産になると思う。最後に個人的な感想として、ミクロ経済学の限界を感じたし、ケインズに考え方は近いのかもしれない。単に一冊読んだだけで流されているだけなのかもしれないが。
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読んだ記憶はあるが、内容はまったく覚えていない
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1927年生まれの著名な経済学者が2006年に刊行したケインズ解説本。
テキトーな感想
・理論部分の骨子をわかりやすく解説している。
・批判部分でやや挙げ足取りが多くてよろしくない。
・ケインズの経済学について細かい知識も補給できる。細かすぎてパンピーにはわからないところもある -
経済学を専門とする全ての学生にオススメの書。
新古典派経済学への批判を中心に、ケインズの学説を丁寧かつ緻密に紹介する。
道徳科学としての経済学の立ち位置や、科学史や哲学からの基礎付け、各理論の詳説など、とにかく勉強になる。
「人はどのように経済学を勘違いするか」についてなど。
テーマとしては学説史と分類されるのかしら。
これをしっかり武器にするには、あと2〜3回は熟読しないといけないんだろうなあ… -
ひととおり読んだものの、知識不足ゆえの消化不良。経済学の入門書、青版『ケインズ』を読み、経済学説史を把握しておく必要がある。内容的には素晴らしいものだとおもう。
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ケインズ論。
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この本は学校でも取り上げるべき。道徳としてのケインズ経済学はすばらしい。政治は手段か、そのとおり。
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経済学と一口に言っても、扱う分野・考え方は様々。そして、本当に大事なことは一言では説明できず、また、読み解くためにも力が要る。そのようなことが実感できる一冊だった。
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[ 内容 ]
ケインズ革命が否定され「小さな政府」論が隆盛を誇る今日、主著『一般理論』はどう読み直されるべきか。
英国で公表された資料などをもとに、その意外な成立事情、内在する矛盾、誤った解釈などを論じ、現代日本の不況対策のあり方を考察する。
名著『ケインズ』(岩波新書)刊行から四十余年、待望の最新ケインズ案内。
[ 目次 ]
序章 ケインズ没後六〇年―いま問われねばならないもの
第1章 道徳科学としてのケインズ体系―伝統的体系の継承
第2章 ケインズ理論再考―パラダイム転換
第3章 妥協の書『一般理論』(ケインズの金融市場分析―新古典派への妥協とケインズの真意;乗数論の誤った理解―それがケインズ政策批判を生みだした;カーンの提言が新古典派反革命を用意した)
第4章 ヒックスによるケインズ理解―IS‐LM分析の誤り
終章 学説史のなかのケインズ(道徳哲学から道徳科学へ;ケインズの市場観;ホモ・エコノミカス批判)
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