ルポ改憲潮流 (岩波新書 新赤版 1014)

著者 :
  • 岩波書店
3.59
  • (5)
  • (8)
  • (15)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 77
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310143

作品紹介・あらすじ

自民党の「新憲法草案」公表など、憲法改正の動きが活発化し、自衛隊の海外派兵をはじめ憲法をないがしろにする事態も目立っている。改憲を目指す動きの底流にあるのは何か。国家と国民の関係をどう変えようとしているのか。政治、経済、ジャーナリズムの動向など、幅広い丹念な取材を通して、改憲問題の本質に鋭く迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 政治や財界、ジャーナリズムの動向を通して、憲法改正の本質に迫った本。

    改憲を目指す動きの底流にある思想は何かが、本書を読むとよくわかります。

  • 超監視社会は誰のため◆立憲主義が危ない◆財界の意思と加害の記憶◆新自由主義と靖国の接点◆国民投票法案にみる権力の本能◆新憲法への奔流とジャーナリズム◆アメリカ世界戦略の一部としての日本「自衛軍」

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:323.149||S
    資料ID:95060103

  • 小林節教授が激怒する自民党憲法改正案。国民に愛国心を持たせ、家庭の大切さを自覚させるのは国民への説教。国会議員には国民に託されて権力を行使するという意識がなく、国民を支配する発想。立憲主義は日本人にはそぐわない、人は自由を制限することで自らの存在理由を見つけるとまで言う伊藤信太郎議員。国家の利益をそのまま己の利益にできる立場。民主党案も危険。戦後70年以上国民に受け入れられてきた憲法の内容や近代立憲主義の理念を根本的に覆そうとするのなら、そこには徹底した国民的議論の積み重ねが伴わなければならない。

  • 護憲の立場から現在の改憲へと着々へ進行している政治状況、世論のルポ。
    若干遠回し的な表現や、分かりづらい部分はあるものの、右傾化へのカウンター的な本として、
    鋭く現在の状況への警鐘を鳴らしている。

  • [ 内容 ]
    自民党の「新憲法草案」公表など、憲法改正の動きが活発化し、自衛隊の海外派兵をはじめ憲法をないがしろにする事態も目立っている。
    改憲を目指す動きの底流にあるのは何か。
    国家と国民の関係をどう変えようとしているのか。
    政治、経済、ジャーナリズムの動向など、幅広い丹念な取材を通して、改憲問題の本質に鋭く迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 超監視社会は誰のため
    第2章 立憲主義が危ない
    第3章 財界の意思と加害の記憶―衛星プチ帝国への道(前編)
    第4章 新自由主義と靖国の接点―衛生プチ帝国への道(後編)
    第5章 国民投票法案にみる権力の本能
    第6章 新憲法への奔流とジャーナリズム
    第7章 アメリカ世界戦略の一部としての日本「自衛軍」

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 20100802
    改憲を目指す一連の流れ、ひとつひとつの問題のつながりを考えるために必読かと思う。
    本書くらいの危機感を持つことは、けして行き過ぎではないと思う。
    現在の日本においては、改悪にならない改憲は不可能だろう。

  • 正直「改憲による弊害」を煽りすぎではないかとも思ったが、なかなかどうして、論理的一貫性が通っていると感じる。その意味でも、現行憲法の良さと云うものが伝わってくると言える。少々、著者の主観が混じっているとも云えなくはないかもだが・・・。

    自民党の新憲法草案の討議は、読んでて頭が痛くなった。「国民と政府が同一のものとする、新しい憲法」というよく分からない発想であった。基本的に国家というものは暴力によって成り立っているという大原則を知らないのだろうか?国連の憲章も「われら連合国の人民は」で始まっている。これはカントの哲学によるものである。国家は暴力によって成り立っているという原則があるからこそ、「どれほどまでに権力をふるっていいのか」ということを、云わば「契約」の形で記しているのが、他ならぬ憲法である。

    また自衛隊が海外の侵略戦争に使われる可能性が、最近出てきた。日本国憲法の受難は耐えない。裁判所も「法の番人」であるわけだから、きちんと道理を示して欲しい。そう思った。
    その意味でも、最高裁判所裁判官国民審査はきちんとなされるべきであると、重ねて思った次第である。

  • おそろしい波がきている。

  • <DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">「戦後民主主義は個人の権利ばかりが幅をきかせて、国家への義務を果たさない国民が増えた」などという議論を&#12317;居酒屋談義&#12319;の一言で片付けているのが潔い。どれだけ理屈をつけようが、改憲とは戦争国家、監視国家、動員国家への道であることがわかる。2世3世のボンボン議員の描く未来図がいかに空虚か。憲法の本質的な役割=悪いことをすることもある権力をしばる法は、そんな政治家の姿を見るにつけ、必要性を増すことはあっても、うっかり変えようとは思わない。</DIV>
    <h5>出版社 / 著者からの内容紹介</h5>
    自民党の「新憲法草案」公表など、憲法改正の動きが活発化し、自衛隊の海外派兵をはじめ憲法をないがしろにする事態も目立っている。改憲を目指す動きの底流にあるのは何か。国家と国民の関係をどう変えようとしているのか。政治、経済、ジャーナリズムの動向など、幅広い丹念な取材を通して、改憲問題の本質に鋭く迫る。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、週刊誌記者を経てフリーに。さまざまな社会問題をテーマに精力的な執筆活動を行っている。『「東京電力」研究 排除の系譜』(角川文庫)で第三回いける本大賞受賞。著書に『日本が壊れていく』(ちくま新書)、『「心」と「国策」の内幕』(ちくま文庫)、『機会不平等』(岩波現代文庫)、『『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡』(朝日文庫)など多数。

「2019年 『カルト資本主義 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤貴男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×