ことば遊びの楽しみ (岩波新書 新赤版 1019)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310198

作品紹介・あらすじ

「竹やぶ焼けた」「貴社の記者、汽車で帰社した」「世の中は澄むと濁るの違いにて、刷毛に毛があり禿に毛がなし」。日本語ほど盛んにことば遊びが楽しまれてきた言語はあるまい。幼い頃からその多彩な遊びを愛してきた作家が、古今の傑作や自らの創作をまじえて、駄じゃれ、いろは歌、回文、アナグラムなどの豊かな世界へと案内する。

感想・レビュー・書評

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  • 日本各地に伝わっている言葉遊びについて記された本。早口ことばや回文といった、誰しも一度は聞いたことがある遊びから、ある特定の地域のみに伝わる遊びまで、多くの遊びに注目していることが特徴にあげられる。

    オススメ度:
    ★★★★☆

    かきつばた(海洋生物資源学科)

    所蔵情報:
    品川図書館 807.9/A94

  • ことば遊びって面白い。
    回文作る人すごいなあ。
    ユーモアとか洒落とか、日本語独特の言葉の遊び方って奥深い。

  • ことば遊びが大好きなものとしてよくぞ書いてくれたという一冊。駄洒落、回文、早口言葉、なぞかけ、本当に日本語って面白いし奥深い。世の中同じような趣味?をもっている人がいるんだなあと共感しながら読みました。

  • 日本語という言葉の特性からいかに遊びが馴染むかということから始まり、いろいろな洒落を紹介しています。能登地方の曼陀羅ということで、木村氏の本の紹介もありました。阿刀田氏もいくつか挑戦しているようです。回文は「邪馬台の詩」という素晴らしい作品の紹介がありました。感動モノでした。
    いろは歌も実は無数の可能性があるのではないかと著者が書いており、一人で1千首以上のいろは歌を詠んで1冊の本にしている人もいるというのは驚きです。日本棋院の中山典之6段という人だそうです。後はアナグラム、早口言葉、折り句、替え歌、記憶術「リーベ僕のお船・・・」「富士山麓オームなく」なども懐かしいところです。

  • 読みやすい語り口で書かれたこの本は、日本語への愛に溢れている。駄洒落、回文、アナグラムから早口言葉、果ては耳慣れない「段駄羅」というローカルな言葉遊びまで紹介しており、また文学や伝統芸能との関わりや、外国との比較など様々な方面からアプローチをかける。改めての日本語の面白さに感心する一冊。

  • 言葉にはどんな機能があるか。
    すぐに思いつくのは「伝達」という機能だろう。
    でもそれだけで終わってしまってはもったいない。
    車の機能が「移動」であると同時に、ドライブが余暇の楽しみにもなることを想像すれば分かる。
    言葉で戯れることはドライブのように楽しい。コミュニケーションの本質は実はそこにあるんじゃないか。遊びの中で生まれる相手との親近感は、生活に必要な会話しかしていない人とのそれと比べて、圧倒的に密度が高い。
    戯れよう。
    ハンドルにも言葉にも、遊びを。

  • [ 内容 ]
    「竹やぶ焼けた」「貴社の記者、汽車で帰社した」「世の中は澄むと濁るの違いにて、刷毛に毛があり禿に毛がなし」。
    日本語ほど盛んにことば遊びが楽しまれてきた言語はあるまい。
    幼い頃からその多彩な遊びを愛してきた作家が、古今の傑作や自らの創作をまじえて、駄じゃれ、いろは歌、回文、アナグラムなどの豊かな世界へと案内する。

    [ 目次 ]
    第1章 日本語とことば遊び―少ない音、おおらかな耳
    第2章 文芸のなかのしゃれ・比喩―古典に現代小説に、息づく遊び心
    第3章 若い脳みその中へ―私のことば遊び遍歴
    第4章 漢字の感じを忘れるな―単純な遊び、高度な遊び
    第5章 なぞの構造―二段なぞから無理問答まで
    第6章 回文という怪文―アナグラムは発展途上?
    第7章 いろは歌は文化遺産だ―七五調のリズムに乗せて
    第8章 舌を走らせ早口ことば―落語・歌舞伎に『マザー・グース』に
    第9章 ユーモア辞典のすすめ―目から鱗の“天使の辞典”を
    第10章 落ち穂拾いから―折り句、記憶術、替え歌…

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 阿刀田氏の本。2006年。俳句やら駄洒落やらの言葉遊びについて紹介する本。親父ギャグの中にもなるほどと思えるものが多くあり、話のネタとしても使える。
    昨今、いろいろな言葉が作られ使用され消えていく。そして、古来から続いているが今にもなくなりそうな表現方法などを、テレビのコメンテーターなどが発掘して再び使うようになると、より面白い文化を築けそうな気がする。

  • アカサタナハマヤラワはどうしてこの順なのか。
    それをちょうど私も思っていたんだけどな。

    という細部へのツッコミはどうでも良くて。
    日本語って面白いなぁと再認識しました。

  • 新書コーナーにて購入。

  • ダジャレ、なぞなぞ、回文、いろは歌、アナグラム、なぞかけ、無理問答、無駄口、等々日本語のおもしろい使い方を紹介する本。とくに無駄口が気に入った。なんだか寅さんのようで良い。おなじみの「結構毛だらけ猫灰だらけ」とか「その手は桑名の焼きはまぐり」「敵もさるもの引っかくものだ」「恐れ入谷の鬼子母神」「どんなもんだ公徳寺の門だ」などなど。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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