溥儀 (岩波新書)

  • 岩波書店 (2006年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004310273

感想・レビュー・書評

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  • 様々な意味でとても興味深い。他書も読んでみたい。

  • 溥儀の簡便な評伝。生涯にわたって「父なるもの」の庇護を求め続けた「永遠の少年」としての溥儀を描く。自伝『わが半生』を先に読んでいると何ともほろ苦く感じられる挿話も多い。時宜に応じて権力者の求めるところを察知し実践してみせる溥儀の生き方を狡猾さとか小心さと片付けてしまったらあまりにも不毛だ。数奇な運命を必死で泳ごうとした溥儀に寄り添う著者の姿勢には共感できた。
    『わが半生』執筆から世を去るまでの様子がわかったのは有難かった。文革の災禍と病とに苦しめられた最晩年は辛かったろうけれど、彼は人格を破壊されることなく生涯を閉じられた。傑出した人物ではなくとも、この過酷な運命をやり過ごす天分に恵まれていたのだろう。
    著者の熱意が迸りすぎているのか文章がどうも読みづらいのが難点。飛躍が多い。ただわかりにくいのは溥儀の特殊な人間性によるものなのかも。こんな人生を強いられたら私なら気が狂ってしまう。溥儀はやはり凡人の理解を超越したところにいるのだ。

  • 謎の人、溥儀。数奇な人生すぎる

  • 世の中には知らないほうがよかった、と思えるものが
    いくつか存在します。
    その「知らなければよかった」に該当するのが
    個のラストエンペラーの人生です。

    本当にどこまでも救いようがないんですよ。
    彼がラストエンペラーになったいきさつまでも
    救いようがないというか様々な事情が
    絡んでいるのでね…

    彼は改造された人民だったそうで。
    かつて彼にかかわった日本人も裏切り、
    中国国内でも…

    救えねぇ。

  • 「事実は小説より奇なり」まさにこれ。やっぱり感覚が普通の人とは違うよなという奇妙なエピソードが多い。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705615

  •  溥儀について概要は知ってはいたが、新たな気づきも多かった。著者は李玉琴、金源、李文達など溥儀ゆかりの人々に直接インタビューしている。また、「流転の王妃」嵯峨浩への評価は、特権階級意識や封建的価値観だと手厳しい。
     最後の皇帝として「復辟」を担わされた姿と、そこから逃れたい姿の併存。皇帝だが、父なるものに庇護されたい欲求。常に権力者から求められるものを敏感に察知し、演じる姿。著者が描く溥儀は、強者ではないのは確実だが複雑だ。人格を形成した成人後に即位しまた廃されたのなら性格は違っていたのかな、と考える。
     辛亥革命後、一夜にして世の中が完全に変わったわけでもなかった。「小朝廷」戦争の中国古代史住み続け、財宝は処分され始めたとは言え大量にあり、多額の費用を使い婚礼が行われる。民衆の方でも王朝を見る感覚が残っていたようだ。ジョンストンは英国版大陸浪人の趣がある。
     日本とは、満洲国時代の前から縁が深い。北京の日本兵営に駆け込み公使館に移ってから天津に旅立つ。その後訪日を希望するも、幣原外相の意を受けた吉田茂天津総領事が巧妙に阻止する。日本側は一枚岩でもなく、東北への溥儀連れ出しを図る陸軍に対し、幣原や天津総領事館は反対か慎重だ。
     満洲国皇帝としての溥儀は、男子を得られないことが確実になった頃、第2代皇帝を日本の皇族から迎えるよう溥儀自身が願い出るとの密約を関東軍司令官との間で結んでいた。傀儡は傀儡だが、天照大神の勧請も含め、天皇家との関係強化を溥儀自身が願っていたという。
     シベリア捕虜収容所では、幼少年期の小朝廷時代を夢想。続く戦犯管理所も含め、生活常識のなさと相まって痛々しい。実際の小朝廷時代はむしろ西欧に憧れていたのに。

  • 烏兎の庭 第五部 書評 2016年7月
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/diary/d1607.html#books

  • 天子蒙塵の副読本に最適。

  • ラストエンペラー溥儀の生涯を概説する一書。
    本全体から全体的にそっけない印象を受けるが内容は分かりやすく
    溥儀の入門書に適している印象を受けた。

    溥儀の心情を様々な資料から読み解くが、
    あまりに極端で非日常的な環境下における人物の心情であり
    正直うまく消化しきれていない。
    著作が多数発行されているとのことなので、
    こちらも合わせて読んでみたいと感じた。

  • 「ラストエンペラー」で有名な溥儀の一生を、溥儀の自伝「我が半生」への批判を取り入れつつ、ある程度小説チックに紹介した1冊。事実は小説より奇なりを地でいったような溥儀の人生は、ただただ圧巻です。清朝の皇帝として生まれ、廃帝となり、日本の皇族と兄弟関係になり、戦犯として裁かれ、最後は時計仕掛けのオレンジのように「改造」される。平和ボケしている自分の人生を見つめ直したくなるような伝記です。

  • 日本の第2次世界大戦の敗北により、日本の傀儡国家であった満州国の皇帝溥儀は、東京裁判での日本の敗れてなお寛容を欠き、傲慢ですらあった姿勢や中国で漢奸裁判で国家の裏切り者として裁かれるのが判っているのにもかかわらず、「弟のごとく親しまれた」天皇家から慰めの一言すらも無かったことで大いに傷つき、日本人を嫌悪するようになったのである。

  • [ 内容 ]
    三度皇帝となり、後半生は「人民」として生きたラストエンペラー溥儀(一九〇六‐六七)。
    三歳で清朝最後の皇帝として即位、辛亥革命後の張勲の復辟による二度目の即位、満州国の「傀儡」皇帝、東京裁判での証言、戦犯管理所での「人間改造」、自伝『我が前半生』の執筆、文革中のガンとの闘いなど波瀾に満ちた数奇な生涯をいきいきと描く。

    [ 目次 ]
    第1章 近代化の波のなかで
    第2章 紫禁城の虜囚
    第3章 天津日本租界で
    第4章 日本への失望と期待
    第5章 傀儡皇帝としての日々
    第6章 シベリア捕虜収容所時代
    第7章 人間改造という実験
    第8章 北京での後半生

    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • この人の生涯と文革に衝撃を受けた。というか自分が全然知らなかったこと自体も怖い。

    「紫禁城」をとても面白く読んだのでこちらも手に取ったけど、清朝の歴史、と、その最後の皇帝の生涯、だと重さに違いがあるのは当たり前だった。筆者の好きなところでもある適度なドライさと距離感と、ほどよくドラマチックで冷静な心理描写が読んでいてしんどかった。密度という意味で。

    同情でも攻撃でもない、ただしく言葉通りの批評というか、そういう筆者自身の視点は全然邪魔ではなくてむしろそこが読みがいがあるんだけど、とにかくしんどい。この人の人格というか歴史背景というか、は、気軽に手を出すと自分では飲み込みきれない。やたら小難しいわけでもないんだけども。

    次に読むときは「わが名はエリザベス」。

  • ・満州国は五族共和(日、満、漢、蒙、朝)を掲げ、新5色旗を使っていた。
    ・溥儀は自分のことを「翻弄されたトランプのキング」と言った。
    ・「私の人生で辛かったのは清朝の皇帝時代、最も辛かったのは満州国の皇帝のころであった」
    ・北伐=北洋軍閥打倒戦争の略
    ・孫文が中華民国(華南中心)の臨時大総統に→清室は鎮静化のため袁世凱を派遣→袁は裏切って孫文と手を結ぶ(清帝の退位と共和制への移行を条件に袁を臨時大総統にする)
    ・袁世凱の専制と、宋教仁が作った国民党弾圧に反抗=第二革命 →その後、孫文が東京で中華革命党を結成し、袁の事実上帝政に対抗していく。

    溥儀は清朝再興のために関東軍を利用し、関東軍も満州の地を得るため溥儀を利用した。(溥儀は親日になってるからね。日本が亡命を助けたわけだしね。

    以上。2つの国の皇帝を経験した男の物語でした。

  • ラストエンペラーである、愛新覚羅溥儀。時代に翻弄された流転の人生。権力や富など全く関係なしで、自分の人生をどうとらえていたのか、聞いてみたくなる。

  • 宣統帝溥儀の人生をまとめたもの。
    それにしても中国三千年の歴史でもこれほど数奇な人生をたどった人も珍しいでせう。
    でも、皇帝としてそだった半生の中で、本物の愛だけは終生得ることも与えることもできなかったんかなあ

  • 内容は知らなかったことも多く、おもしろいのだが、岩波新書とは思えないような稚拙な文章。読みにくいこと、読みにくいこと。

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