民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書)

著者 : 牧原憲夫
  • 岩波書店 (2006年12月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310433

作品紹介・あらすじ

一八七七(明治一〇)年の西南戦争終結後、議会開設の要求が強まり、自由民権運動が全国各地でまきおこった。そして一八八九(明治二二)年、大日本帝国憲法が発布され、翌一八九〇年には帝国議会が開かれる。国民国家と競争社会が確立した現代の原点ともいえる時代を、政府・民権派・民衆の三極対立という新しい視点で描きだす。

民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 明治憲法の成立史を、政府と民権派、そして民衆の3勢力の抗争史として描き出す。日本で国民国家がいかに成立していったかを知る上で絶好の著作。

  • 明治政府成立間もない1870年台の混沌とした時代を、従来の政治中心の記述だけでなく、民衆から「国民」へと変貌する一般庶民の諸相・風俗を含めて概観する。

    天皇、憲法、政府、議会それぞれの位置付けすら定まらぬなかで、薩長の既得権益、外国からの圧力、国民からの自由民権運動に揺さぶられながらも、徐々に国の形が整っていく様子は、壮絶だ。この時代の人達をして(その後に軍国主義化するという道を歩むとは言え)「国を作る」という大事業を為し遂げさせたエネルギーとは、一体何だったのだろうか。

    今では普通と把えられることが多い伊勢神宮参拝や各種の天皇行事(新嘗祭、大嘗祭など)、学校での隊列体操、唱歌、万歳を叫ぶ風習などが、実は比較的新しいこの時期に、それも「国民意識」を据え付けるための道具として導入されたという考察は面白い。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:210.63||M
    資料ID:95070030

  • 2006年刊行。著者は東京経済大学助教授。◆本書の叙述対象の時期は、西南戦争後に本格化した自由民権運動期から帝国憲法制定まで。また、この時期におけるステークホルダーとして、政府、自由民権運動参画者の他に、自由民権運動とは距離を置いた(つまり自由民権運動とは利害を異にする)民衆を想定し、その三極構造を前提として論を進めていく。◆デフレ政策である松方財政の中での、日本の工業化の進展、経済発展との連関性については再度検討が必要と感じた。

  • <目次>
    はじめに
    第1章   自由民権運動と民衆
    第2章  「憲法と議会」をめぐる攻防
    第3章   自由主義経済と民衆の生活
    第4章   内国植民地と「脱亜」の道
    第5章   学校教育と家族
    第6章   近代天皇制の成立
    おわりに

    <内容>
    岩波新書日本近現代史シリーズ第2巻。自由民権運動から憲法の完成期を描く。普段の授業で自由民権運動と経済や文化を分けて教えているので、例えば国粋主義の三宅雪嶺、日本主義の陸羯南などがこの時期に提唱していたことに気がつかなかった(勉強不足ですね)。政権内部の矛盾も多く描かれ(征韓論はともかく、明治14年政変期や憲法制定をめぐる争い、外交や軍事に関するところまで、政権内部も一枚岩でなかったことがよくわかった。そう考えると伊藤博文の努力には頭が下がる。

  • 読了。

  • 著者はおわりにで謙遜しているが、新書として提供しうる最高の内容だったと思う。

    今の日本で当たり前だと想われていること、いわゆる日本近代文化というものが、この時代に根を持っていることが分かったからだ。

    ・民権運動の中で、芸妓さんや視覚障害者も演説会を催し、参加していた。
    ・「蛍」「隅田川」は賛美歌が原曲、「君が代」も賛美歌経由の歌。
    ・ナショナル・ミュージックと斉唱というスタイル。体操と万歳も。
    ・福沢諭吉:身→家→国家の独立。明治以降の家制度は封建的というより近代国家に共通する家長制の一つ。
    ・民法、商法のあと、憲法ができた。
    ・「バンザイ」が集団としての一体感をつくった。

  • 勉強になりました。

  • 明治維新後、どんな政治が行われ、人々がどんな生活をしたか。

    意外に知らない人が多いのでは(私だけか・・・?)

    当然江戸から明治になったからといって、急にすべてを変えるのは不可能。

    紆余曲折あった。

    何せ憲法ができるまで20年以上かかっている。

  • 自由民権運動や憲法作成について。

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