日清・日露戦争: シリーズ 日本近現代史 3 (岩波新書 新赤版 1044 シリーズ日本近現代史 3)
- 岩波書店 (2007年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310440
作品紹介・あらすじ
立憲国家となった日本は、日清戦争、北清事変、日露戦争とほぼ五年ごとに大きな戦争を繰り返し、台湾と朝鮮という二つの植民地を獲得した。帝国議会が開かれた国内では、藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方、国民統合の動きも見られる。「輝かしい明治」像を問い直しながら、「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の二〇年を描く。
感想・レビュー・書評
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戦場で戦死した人、戦場で病死した人の扱いがここまで違うとは知らなかった。後者は靖国神社で祀られる事はない。それは皇族であっても不可であり、その為に一人の親王は台湾に作られた神社で祀られる事となる。
また、国語の逆輸入にも驚いた。得た領土に住む人達を日本人化(とは言え本国とは扱いも法も全く違う)する上で教えた日本の国の語が、日本へ入ってきていわゆる学校教育の国語へと繋がる。
それにしても、議会も対外情勢も軍事費などを含む財政も常にギリギリというか、どんどん泥沼にはまっていくのが手に取るように分かる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日清戦争なけりゃ日露戦争もなし。日清戦争なんて戦争したくて仕方ない大日本帝国が仕掛けたような戦争なんだなぁ。
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「日本の植民地支配は、台湾や韓国などの「遅れた」地域に最新の科学技術や社会制度を届けたのであり、欧米のような極悪な支配とは異なる、という言い訳が20世紀後半以降の日本に広まりつつあるが、とんでもない間違いである。」
「憲法の理念と植民地支配という矛盾を抱えた各国が、その思想的課題を解決するため自ら植民地の独立を認めるという経路を辿った諸外国と異なり、太平洋戦争における敗戦という外圧によって「安易に」植民地問題を解決できてしまった日本は、その歴史的経緯を何度でも思い出さねばならない。」 -
<目次>
はじめに
第1章 初期議会
第2章 条約改正
第3章 日清戦争
第4章 台湾征服戦争
第5章 日清戦後と国民統合
第6章 民友社と平民社
第7章 日露戦争と韓国併合
おわりに
<内容>
淡々とした記述が進む。与えられたページ数と書きたいことの狭間で著者が悩んだ感じがする。しかし、リアルなおさえた記述が妙に響いたりする。日頃の授業で単純化された描写しかしてこなかったので、こうした本は役に立つ。 -
ようやく読了。
文章の繋がりが読み取りづらいのと、テーマに纏まりがないのが気になる。
特にテーマについては、ページ数の少ない新書であえて通史をやる以上、この時代を考える上での目安となるタテ軸を明示的に示してくれればもっと読みやすかったはず。その辺の気配りについては前巻が素晴らしかっただけに残念。 -
明治維新が起こってからの内容のため、政治絡みが強くなってしまう。また人物はあまり変わらないのに役職が変わってしまうため、整理するのに時間がかかる気がした。
個人的に政治よりも民衆の生活や感情について記しているものが興味深かった。
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2021/11/10
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