大正デモクラシー: シリーズ 日本近現代史 4 (岩波新書 新赤版 1045 シリーズ日本近現代史 4)
- 岩波書店 (2007年4月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310457
感想・レビュー・書評
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勉強になりました。
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韓国併合、関東大震災など大正も激動の時代であった。
非常に読みやすく書かれています。 -
1910ごろから1930ごろまでの大衆社会、政治、文化、マイノリティの変遷を概観しながら、大正デモクラシーというものについて整理する一冊。大衆運動、社会主義、帝国主義、民本主義など思想的にも錯綜し、なかなか全体像を見通すことのできない大正時代を捉えるにあたって最適な一冊である。
この時代についてのある程度の知識があれば、それがうまく整理されてきて気持ちいい読後感を味わえるだろう。 -
日露戦争後に爛熟期を迎えた日本社会の様相を、「帝国」という枠組の中での国民の形成、そして国民による運動に焦点を絞りながら明らかにしている。なかでも、植民地に対する国民の意識や、女性の社会進出・政治参加に関する記述などは、概説書の中でも白眉。
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[ 内容 ]
多彩な言論や社会運動が花開き、政党内閣の成立へと結実した大正デモクラシーの時代。
それは、植民地支配が展開する時代でもあった。
帝国のもとでの「民衆」の動きは、どんな可能性と限界をはらんでいたか。
日比谷焼打ち事件から大正政変、米騒動、普通選挙の実施、そして満州事変前夜に至る二五年の歩みを、「社会」を主人公にして描く。
[ 目次 ]
第1章 民本主義と都市民衆
第2章 第一次世界大戦と社会の変容
第3章 米騒動・政党政治・改造の運動
第4章 植民地の光景
第5章 モダニズムの社会空間
第6章 恐慌下の既成政党と無産勢力
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
日比谷焼打ち事件に象徴される幾多の騒擾に始まり、満州事変、五・一五事件の中で終焉を遂げる「大正デモクラシー」の歴史像。
「主婦之友」1927年5月号の中で、すでに夫婦の性的生活がトピックになっているという話は面白かった。「セックス特集」なるものを編み、性生活を赤裸々に露わす風潮は、現代の女性誌特有の傾向なのかと思っていたら、80年前からやっとるんかい……。また、「太陽」1924年1月号ではすでに内地在住朝鮮人への参政権付与の是非を尋ねていて、韓国併合当時からこの問題が存在していたことが判る。そして、大正デモクラシーを終焉に導いた原因として、「東京朝日新聞」は「第一に腐敗、第二に無能である」と喝破していて、まさに今現在の民主党政権の腐敗と無能、危機に瀕する民主主義がダブる。
こうして見ると、途中、第二次世界大戦と占領統治による分断はあるものの、「大正」という時代は確かに、今の "日本" という国が確かな形を帯びて形成されていった時期であることがよく判る。社会主義や共産主義の勃興、台湾、朝鮮、満州へ進出、第一次世界大戦、関東大震災、大恐慌といった歴史的なイベントも盛り沢山で、非常にダイナミックな歴史の一断面を見せてくれる。 -
成田龍一『大正デモクラシー』(岩波書店)
「大正デモクラシー」が、第一次と第二次の世界大戦間の一時期を画する歴史事象であることは、よく知られている。
明治期の「殖産興業」「富国強兵」、戦前の「十五年戦争」にはさまれて、「自由」、「政党政治」、「穏健」のキーワードが思い浮かぶ。
1905年の「日比谷焼き討ち事件」。「雑業者」と「旦那衆」。日露戦後の講和をめぐる評価をめぐる意思表示。「雑業者」と「旦那衆」による「東京騒擾」が発生する。
大正デモクラシーといえば、民主主義の用語の前に「民本主義」。吉野作造の名が浮かぶ。民本主義には、国内で主張される「政権にもとめる自由、主権」と、政権とともに植民地や本土外の隷属を正当化する「限界」があったとする。
藩閥政治に政党政治、ロシア革命があれば東南アジアの植民地化がすすむ。普通選挙法に治安維持法、第一次大戦時の好景気と戦後の不況、国内で金融恐慌、世界で同時恐慌。軍の拡大主義と軍縮の国際世論。
相対軸がからんで、乖離と揺り戻しが繰り返されつつ、軍の台頭、議会政治は空洞化。デモクラシーが定着したかにみえながらも、なお未熟。
いま、「世界同時不況」がいわれるなか、時代の趨勢を読み取るためにも、多くの人に読まれるべきである。岩波新書「シリーズ日本近現代史」の一冊。
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大正の政治しか興味が無かった私にとっては、同時期の民衆などの動向を簡単に纏めてくれるお助け本です。
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大正デモクラシーは、すなわち庶民の台頭によってあらわれた現象であることに納得しました。
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近現代史シリーズの第四弾。大正デモクラシーを中心に大正時代、さらには満州事変前夜までの流れが書かれている。