大正デモクラシー: シリーズ 日本近現代史 4 (岩波新書 新赤版 1045 シリーズ日本近現代史 4)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310457

作品紹介・あらすじ

多彩な言論や社会運動が花開き、政党内閣の成立へと結実した大正デモクラシーの時代。それは、植民地支配が展開する時代でもあった。帝国のもとでの「民衆」の動きは、どんな可能性と限界をはらんでいたか。日比谷焼打ち事件から大正政変、米騒動、普通選挙の実施、そして満州事変前夜に至る二五年の歩みを、「社会」を主人公にして描く。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人諸君に分かりますか?植民地であるという事がどんな事だか。
    デモクラシーの処理を誤った1925体制。。。

  • この巻では、帝国議会の末期付近の日本政治情勢から世界情勢まで解説されています。

  • ☆大正時代はデモクラシーでもあったが、関東大震災など右傾化への転換点でもあった。

  • とてもおもしろいとか、ものすごく新しい知見があったということはなかったが、とりあえず、最後まで興味をもって読むことが出来た。当たり前といえば当たり前なのだが、このシリーズの前巻があまりに読むのがつらかったので、それだけでうれしい。そろそろ、柳田国男や、小林秀雄、江戸川乱歩など、知った名前がでてきたり、レコードやラジオが登場し、「そうかなるほど、明治から見ていくと、こういうタイプスパンなのか」と、時間の幅が実感できたのがよかった。""

  • 日露戦役後、坂を登りきった日本の25年を内に立憲主義、外に帝国主義のコントラストで描く。世界的には第一次大戦の規模からもわかるようにグローバル化の深化がある時代である。本書では国内的に大衆社会化が進展する様子を様々な切り口で解説する。(ただ、民俗学の常民のくだりだけは本書から浮いているように見える)
    原敬日記「将来、民主主義の勃興は実に恐るべし、是れ余も官僚も同様に心配する所なるが、只官僚は此潮流を遮断せんと欲し、余らは之を激盛せしめずして相当に流通して大害を起こさざらん事を欲するの差あり」とある。1905日比谷事件、1918米騒動、1923関東大震災の虐殺と、もはや逆行することのできない大衆化の深刻さと為政者の危機感が伝わる。本書で25年体制と呼ぶ普選と治安維持法の成立は、改めて大変象徴的に感じる。
    本書では、対外的な帝国主義のブレーキにならなかった大正デモクラシーの限界を述べるが、大衆にとって自身の利益を追求する手段という意味では、立憲主義と帝国主義は全く矛盾することのない一貫したイズムだったのではないだろうか。そして大衆の欲望と政党政治に対する失望、また為政者による国体の守護という目標、これらがない交ぜになって1930年代をむかえたと考えるとき、大衆社会にとっての大正デモクラシーとは高邁な思想だったのではなく、自己目的のツールのひとつに過ぎなかったことを思い知らされる。

  • 2007年刊行。著者は日本女子大学人間社会学部教授。日露戦争後から満州事変まで。表題の「大正デモクラシー」の功罪、あるいは意義と限界を基軸に据えた一書。

  • 新書文庫

  • 当時の市井の人々はどのように思って生きていたのか分かりませんが、現在から振り返ってとても暗い時代だったように感じます。第二次世界大戦の戦場で亡くなった人も圧倒的に大正生まれの人たちだったように思います。大正天皇も若くして薨去されました。韓国併合や第一次世界大戦、米騒動そして関東大震災と塗炭の苦しみを生きたように想います。この平成の世は100年後の世から振り返ったとき、どのような時代だったと評価されるのでしょうか。

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著者プロフィール

日本女子大学名誉教授
『近現代日本史との対話』(2 冊、集英社新書、2019 年)、『歴史論集』(3 冊、岩波現代
文庫、2021 年)など。

「2021年 『対抗文化史 冷戦期日本の表現と運動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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