アジア・太平洋戦争 シリーズ日本近現代史6 (岩波新書)

  • 岩波書店 (2007年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784004310471

みんなの感想まとめ

歴史を深く掘り下げることで、戦争の選択肢やその影響を考察する内容が展開されています。特に「アジア・太平洋戦争」として捉え直すことで、戦争のイメージが変わり、記憶の薄れた世代にとって貴重な視点を提供して...

感想・レビュー・書評

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  • 1940年、近衛内閣成立後の開戦への道から1945年の終戦までのアジア・太平洋戦争の歴史。
    本のタイトルでよく見かける「あの戦争とは何だったのだろう」ということを考えさせられる良書。なぜ無謀な戦争を初めてしまったのか。なぜ壊滅的な状態まで戦争を長引かせてしまったのか。
    戦争の終盤、若き学生らが戦地に駆り出され、国家のために命を懸ける。その姿は美化もされるが、尊い命を捧げたその意味は何か。彼らは何のために命を懸けたのか。
    歴史は継続している。現代社会はあの戦争とも繋がっている。そこに断絶はない。歴史を学ぶ意義は過去と現在が連続しているからだ。
    現代を生きるものの責務として、あの戦争で何があったのか、だれが何をしたのか、理解しておかねばならない。そのためにもっともっとあの戦争の本を読まねば。

  • 「大東亜戦争」はイデオロギッシュ、「太平洋戦争」では日米戦のイメージとのことで「アジア・太平洋戦争」としている。この戦争を語り継げる人はすでに減少。その中で記憶の中に僅か「戦後」がある世代の著書は貴重であろう。著者はわたしより15上、わたしの子どもの頃にはもう戦後の影は随分薄かった(なかった?)。この戦争の開始には手続的瑕疵があり、ポツダム宣言受諾にも手続的には瑕疵が見られる。この戦争は明治憲法体制が変質・崩壊していく過程あったといえそう。
    また、1945年にはいると天皇周辺でも局面の打開をはかろうとしたが、その中で唯一、近衛文麿だけが敗戦を受け入れることを上奏している(このことは知っていた)。ただ、それは近衛の平和主義ではない。総力戦体制は社会秩序を低下させるために結果として上流階層と下級階層の生活格差を平準化する、ひいては共産主義革命の前提条件が整う。そこで貴族的特権層を維持するために戦争の終結を上奏したという(P207)。

  • 自分の世代は、昭和前期あたりの歴史をちゃんと学ぶ機会のない世代だったので、改めて、アジア・太平洋戦争について知ることができて、良かったです。やはり思うのは、満州事変からアメリカとの戦争にいたるまで、いくらでも選択肢があったはずなのに「この道しかない」と流されてしまったこと、制海権・制空権を失って以降は敗北を受け入れる以外の選択肢がないのに「本土決戦」などとズルズルと引き伸ばし、無駄に戦死者を出し続けたことなど、反省すべきことばかりだということです。現代は、戦争を反省すると自虐史観と言われてしまう時代ですので、このような書籍がもっと広く読んでもらえると良いと思いました。

  • 一言で言えば「左」の立場であろう。戦争責任という言葉が多く出てくるし、遠まわしながら天皇の戦争責任も問うているようである。責められるのは専ら指導者層と軍の中堅幕僚であり、メディアや国民は統制・扇動される対象として触れられるのみである。宣戦布告の不備を含め国際法上の違法性も挙げられている。しかしそういう本だという前提で読めば、コンパクトながら内容が詰まっている上、新書には珍しく個別記述に出典がまめに明示されており、イデオロギー書でもない。特に筆者のバックグラウンドが社会学だからか、総力戦に伴う小作農・労働者・女性といった従来の「下流階級」の経済力・地位の相対的向上、配給制に伴う格差の下方平準化、という指摘は他ではあまり見たことがなかった。

  • 国際社会の中での日本がどういう国なのか、戦争を知らない世代として読んで良かったと思う。

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00188658

  • 図書館で借りた。
    岩波新書の太平洋戦争。専門家による分析であり論文調の新書だ。太平洋戦争は日本でも詳しい人が多い土壌だからだろう。世代でもなければ専門でもない「太平洋戦争ってなぁ~に?」という解ではないので要注意。一般書の新書ではあるが、せめて大学受験で世界史を学んだとか、一通り一度は学んだ上で読むレベルと感じた。格式高い。
    私は高校で歴史を学んでないし、正直最近になって石原莞爾って人が居たんだね、くらいの中学生レベルの知識なので、本書の議論にはついていけなかった。いや、読み難いわけじゃない。その前に身に付ける知識があるだろう、ってのを物凄く感じられた。出直します。

  • 20241223 読了

  • 太平洋戦争直前から敗戦までの通史。自虐史観との批判をレビューで見たが、最初と最後にそのような文面も目立つように思える箇所もあったが、本文全体を通して読むとそこまで感じなかった。

  • 新書ながら、アジア太平洋戦争の主要な戦いは押さえられており、銃後社会の状況もところどころで交えているのが本書の良いところである。
    敗戦色が強くなってくると、国民、特に夫や息子を戦地に送った女性は本音と建前を使い分けていた。
    ルーズベルトの戦争責任についてはあっさり切り捨てている。

  • よく考えれば当たり前だが、知らなかったことが多い。
    (真珠湾攻撃の通告がどうこう以前に、マレー半島が完全な奇襲であること。アジア解放や大東亜共栄圏が極めてあやふやで矛盾した理念であったこと。天皇の戦争責任など)

  • 太平洋(大東亜)戦争時のことが事細かに書かれており、この特定の時期を学ぶにはこれで足りると思う。人によっては左寄りといる人がいるかもしれないと思った。だが、資料も交え十分な一冊だと僕は思う。

  • 大学受験の浪人生で日本史選択の者です。戦争の時代の感覚を養うことを目的にこの本を読みました。「ふむふむ」と読みましたがいざ説明しようとするとできない状態でした。難しくて9割方は理解できてない気がします。

  • 「日本軍兵士」をきっかけに、吉田裕先生の本で改めて戦争を勉強しようシリーズ。これは大学時代に一度授業の一環で読んだ本を、改めて読み直したもの。
    日中戦争から含めた「アジア・太平洋戦争」を通して知るのに素晴らしく適した本。「日本軍兵士」をミクロな視点とすれば、この本はマクロな視点。「日本軍兵士」を読んだ人は、是非この本も読んでほしい。

  • 日中戦争と日米戦争を分離すべきではなく、セットで考えるべきという立場。だからこその書名なのだろうが、アジアと太平洋に中黒入れるのは分離的と看做される可能性があるとかナントカ。岩波は中黒を入れる派なので、それに従っただけなのかもしれないが。そもそもこの呼称は教科書にも採用されていないらしく、一部のアカデミズム用語?でしかないという冷淡な意見もあるようだが。

  • 真珠湾攻撃の2日前に独軍が後退始めてるの気づこうよ。。。

  • 新 書 IS||210.75||Yos

  • この巻では、忌まわしき「アジア太平洋戦争」の原因など解説されています。

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著者プロフィール

吉田 裕(よしだ・ゆたか)
東京理科大学准教授。専門はカリブ文学及び思想、文化研究。著書に『持たざる者たちの文学史 帝国と群衆の近代』(月曜社)。訳書にノーム・チョムスキー『複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界』(花伝社)、ニコラス・ロイル『デリダと文学』(共訳、月曜社)、ポール・ビュール『革命の芸術家 C・L・R・ジェームズの肖像』(共訳、こぶし書房)、ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』(月曜社)、スチュアート・ホール、ビル・シュワルツ『親密なるよそ者』(人文書院)など。

「2023年 『アンカット・ファンク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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