アジア・太平洋戦争: シリーズ 日本近現代史 6 (岩波新書 新赤版 1047 シリーズ日本近現代史 6)

著者 :
  • 岩波書店
3.63
  • (13)
  • (30)
  • (41)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 467
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310471

作品紹介・あらすじ

マレー半島上陸と真珠湾攻撃によって開始された「アジア・太平洋戦争」。なぜ開戦を回避できず、長期化したのか。兵士や銃後の人々、アジアの民衆は、総力戦をいかに生き、死んでいったのか。矛盾を抱えて強行され、日本とアジアに深い傷跡を残した総力戦の諸相を描きながら、日米交渉から無条件降伏までの五年間をたどる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一言で言えば「左」の立場であろう。戦争責任という言葉が多く出てくるし、遠まわしながら天皇の戦争責任も問うているようである。責められるのは専ら指導者層と軍の中堅幕僚であり、メディアや国民は統制・扇動される対象として触れられるのみである。宣戦布告の不備を含め国際法上の違法性も挙げられている。しかしそういう本だという前提で読めば、コンパクトながら内容が詰まっている上、新書には珍しく個別記述に出典がまめに明示されており、イデオロギー書でもない。特に筆者のバックグラウンドが社会学だからか、総力戦に伴う小作農・労働者・女性といった従来の「下流階級」の経済力・地位の相対的向上、配給制に伴う格差の下方平準化、という指摘は他ではあまり見たことがなかった。

  • 新書ながら、アジア太平洋戦争の主要な戦いは押さえられており、銃後社会の状況もところどころで交えているのが本書の良いところである。
    敗戦色が強くなってくると、国民、特に夫や息子を戦地に送った女性は本音と建前を使い分けていた。
    ルーズベルトの戦争責任についてはあっさり切り捨てている。

  • よく考えれば当たり前だが、知らなかったことが多い。
    (真珠湾攻撃の通告がどうこう以前に、マレー半島が完全な奇襲であること。アジア解放や大東亜共栄圏が極めてあやふやで矛盾した理念であったこと。天皇の戦争責任など)

  • 最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00239368

  • 太平洋(大東亜)戦争時のことが事細かに書かれており、この特定の時期を学ぶにはこれで足りると思う。人によっては左寄りといる人がいるかもしれないと思った。だが、資料も交え十分な一冊だと僕は思う。

  • 大学受験の浪人生で日本史選択の者です。戦争の時代の感覚を養うことを目的にこの本を読みました。「ふむふむ」と読みましたがいざ説明しようとするとできない状態でした。難しくて9割方は理解できてない気がします。

  • 「日本軍兵士」をきっかけに、吉田裕先生の本で改めて戦争を勉強しようシリーズ。これは大学時代に一度授業の一環で読んだ本を、改めて読み直したもの。
    日中戦争から含めた「アジア・太平洋戦争」を通して知るのに素晴らしく適した本。「日本軍兵士」をミクロな視点とすれば、この本はマクロな視点。「日本軍兵士」を読んだ人は、是非この本も読んでほしい。

  • 日中戦争と日米戦争を分離すべきではなく、セットで考えるべきという立場。だからこその書名なのだろうが、アジアと太平洋に中黒入れるのは分離的と看做される可能性があるとかナントカ。岩波は中黒を入れる派なので、それに従っただけなのかもしれないが。そもそもこの呼称は教科書にも採用されていないらしく、一部のアカデミズム用語?でしかないという冷淡な意見もあるようだが。

  • 真珠湾攻撃の2日前に独軍が後退始めてるの気づこうよ。。。

全42件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

吉田 裕(よしだ・ゆたか)
東京理科大学准教授。専門はカリブ文学及び思想、文化研究。著書に『持たざる者たちの文学史 帝国と群衆の近代』(月曜社)。訳書にノーム・チョムスキー『複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界』(花伝社)、ニコラス・ロイル『デリダと文学』(共訳、月曜社)、ポール・ビュール『革命の芸術家 C・L・R・ジェームズの肖像』(共訳、こぶし書房)、ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』(月曜社)、スチュアート・ホール、ビル・シュワルツ『親密なるよそ者』(人文書院)など。

「2023年 『アンカット・ファンク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田裕の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×