占領と改革: シリーズ 日本近現代史 7 (岩波新書 新赤版 1048 シリーズ日本近現代史 7)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310488

作品紹介・あらすじ

新憲法の制定、婦人参政権、教育の民主化、農地改革、財閥解体など一連の戦後改革は、占領政策によるものとされてきたが、本当にそうなのだろうか。改革の原点は占領政策ではなく、総力戦時代の社会から継承したものの中にあった。占領開始から五五年体制成立までの戦後一〇年を斬新な視点で描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後と総力戦体制下の社会変化の連続性を問う、という視覚は(2008年の時点でそんなに新しいものだっただろうか?)良いが、総力戦との連続性を強調しようとするあまりに、占領改革のもたらしたら効果を矮小化する向きが強すぎてかえって説得力が低まっているのではないか。

  • 近衛のことにスポットが当たりすぎて、もうちょっと片山・芦田政権や「協同主義」などについてもしっかり書いて欲しかったかな。

  • 敗戦から講和までの時代を、GHQ主導の占領改革という視点からふりかえる本。本書は総力戦時代から受け継がれた産物がもたらした効果を重要視しているようだが、それはよくわからなかった。この時代の概況を知りたいなら良い本だと思う。

    GHQと吉田茂は対立しており、むしろGHQは片山哲や芦田均首班の政権に好意的だったのは知らなかった。著者は、この時代を自由主義と協同主義の対立の時代としているようだ。また、農村の保守化は55年頃に始まり、現代に至ったそう。

    戦争放棄と再軍備について整理…
    昭和天皇は責任を取ることも辞さない覚悟であったが、マッカーサーは不起訴にした。マッカーサーは、象徴としての天皇制の維持という方向に定めた。ただ、国際的には天皇の戦争責任を問う声も多かったため、その構想を実現させるために、戦争放棄を憲法草案に盛り込んだ。その後、極東情勢の悪化に伴って、アメリカは、(中国ではなく)日本を東アジアの資本主義陣営の砦として捉えるようになり、大規模な再軍備を考えていた。しかし、社会党左派や共産党のような諸勢力の反対から断念せざるをえなくなった。そうして、ついに経済の軍事化は実現せず、日本経済は民需中心へと変化していった。

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  • 天皇が退位せず、ケジメつけなかったのが現在のリビジョニズムの跋扈の根っこなんじゃないでしょうか。

  • この七巻では、第二次世界大戦後の占領時から50年代まで書かれています。

  • 2008年刊行。著者は獨協大学法学部教授。占領期から独立までを、①占領による制度改革、②新憲法制定、③戦後の政党、④大衆運動(共産主義運動を含む)の観点から解説。①は1940年体制という造語を知っていれば、連続性はそれほど目新しくはないが、戦中において小作層の影響力が拡大しつつあったという事実は無視し得ないところ。②も目新しさは感じない。個人的には③が勉強になった。
    ちなみに、戦中のインフレ亢進と食糧不足の結果、農産物を直接生産する小作層が富裕化し、地主が小作から借入している実態を著した地主の日記も新書化されていたような気が…。タイトル忘れた…。

  • 新書文庫

  • [配架場所]2F展示 [請求記号]080/I-3 [資料番号]2008101868、2010101539、2008101773、2008102274、2008101869

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著者プロフィール

1944年生まれ、茨城大学名誉教授

「2018年 『協同主義とポスト戦後システム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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