国際連合: 軌跡と展望 (岩波新書 新赤版 1052)

著者 :
  • 岩波書店
3.13
  • (2)
  • (14)
  • (46)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 260
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310525

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • THE・国際連合の入門書。実際に国連で働かれていた明石さんによる著作で、実情も踏まえられており、とても参考になる。

  • 国を一単位と考えた集合組織が国際連合だと言える。
    国際連合の担う役割は大きいが、問題点の方が多いということがわかる。
    しかし、不完全な組織であるからこそよりよくしていくために各国が協力していくという共通の目標があることがわかる。

    印象に残った箇所3つ。
    ?[1964年にはアジア、アフリカからの国連加盟国が56カ国となり、その比率は国連全加盟国中の50%に達した。これによって国連では、新興国による民族主義と、米ソ両国の対決から独立しようとする中立主義が、主流の勢いを示すようになった。]それまでの米ソの強大さが伺える。第三次世界大戦にならなくて本当によかったと思える。中流主義が大きくなることは、世界の発展・協力に役立つことだから、大きな岐路だったのではないかと思える。
    ?[国連総会での各国の一票は、人口数億人を有する中国、インド、アメリカも、人口10万人に満たないアンチグア、ドミニカ、セイシェルなども同じだという点。一見、不合理に思われることが行われるのは、国家主権が絶対であり、主権国家はその大きさや政体の如何に関わりなく権利において平等であるという、近代国際法と国連憲章の原理に基づいているからである。]人口の多い国の発言力が強いわけではないということは、よいことだと思うが、貢献度に対して恩恵がないということは、貢献する意味に疑問が生じてしまうことにつながり難しい問題だと感じてしまう。
    ?[国際公務員制度が抱えている問題。国連職員は国連のみに忠誠心を誓い、国際的中立性を守らなければならない。しかし、自国の国家的な利益と、国連によって代表される国際的利益が衝突する時はどうすればよいのだろうか。]個人のアイデンティティに絡む問題になりうるからこの問題は根深いと感じる。

  • 明石さんの授業を取ったときに読んだ。
    最後の、国際連合の実態に失望するのはいいが絶望してはいけない、という感じの文が響いた。

  • ちょっと読みにくかったけど、常識が養えてよかった。現代史苦手なので、国連という視点からそれを順繰りに見ていけたのはためになりました。国連ってちょっと頼りないような感じに思ってたけど、やっぱりスゴイ組織なんだと思いました。理想はいつの時代にも必要ですね。

明石康の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×