教育力 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310587

作品紹介・あらすじ

教師に求められるものとは何か。あこがれの伝染としての教育、祝祭としての授業、社会に食い込む技術、さらには開かれた体、課題のゲーム化…。著者は数々の斬新な視点から、それを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の齋藤孝はメディア等でも有名ですが、明治大学文学部教授で教育に関わる著書を多数出版しています。実は、個人的にはあまり好きではないのですが、この本は変わった角度から教育の諸方面を考えていて、一読してなるほどと思ったものでした。岩波新書なので、気軽に読めますし、内容も平易ですので、新入生にもどうかな、と思った次第です。(渡部洋一郎准教授より)PAC→http://libopac.lib.juen.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=0000198272&key=B143132237522233&start=1&srmode=0

  •  齋藤氏のイメージがバッサリ変わった。こんなに熱い人だとは思ってなかった。失礼ながら。
    「教育の根底にあるのは、あこがれの伝染である。何ものかを価値あるものと認め、そこに心のエネルギーを注ぎ込む。何ものかを目指して飛ぶ、矢のようなベクトル。それがあこがれだ。
    心引かれるものがあるからこそ、努力しようという向上心が湧く。あこがれが根底にあるからこそ、技を習得する意欲も生まれる。」
    齋藤さんの「教育者」への理念?理想?がぎっしりつまっている。
    これから教師になろうって人には是非読んでほしいけど、あまりにもこめられたものが多くて気がくじける気もする。そのくらいのぎっしりさ。
    教育者に求められるものって確かにこういうことなんだけど。
    「教育欲」「文脈力」「コミュニケーション能力」「段取力」「発問力」「文化遺産を継承する力」
    どんだけ、パワーが必要よ?
    自分の出会った先生方を思い出し、子供の先生方を思う。
    そして、自分、この歳になると多かれ少なかれ誰かに「教える」立場にいるわけで、そのときにどんな態度で臨んでいるだろうかと考える。

    「あるテーマについてまとまった量の文章を書くにためには、ある程度の知識が必要だ。しかし、知識の引き写しだけでは、アピール力が足りない。書き手の価値判断も含み、個人的な経験というものもどこか行間からにじみでるような形で、しかも知識の豊富さも示すような形で文章が書き上げられる、そういう能力がいま求められている。」(暗記も大切)
    「運動をすると運動神経がよくなる。運動部に入って何年かやっていると、元はそんなに動きが鋭くなかった人でも、ある程度、体が動くようになる。それと似ている。勉強すると頭がよくなる。頭がよくなると同時に心のコントロールもうまくいくようになる、というのが大方の筋道だ。」(勉強ってなんでするの?)
    「知らないことを恥ずかしいと思っていた時代から゛知らなくて、別にいいじゃん。ぜんぜん恥ずかしくないし。もう、ばかのほうがいいし、気楽だし゛というような前代未聞の教養無視の時代に突入してしまった現実は見過ごせない。」
    「才能とは、自分に必要なものがわかるということである。」
    「文学は論理の下にある感情を理解する力を養うのに大切なものだからだ。ものごとを理解する力を身につけるということが、学校で学ぶことの中でいちばん重要なことだ。」
    「向上心を支えたもの。それは、きっちりした技を身につければ、絶対に一流になれる、それは間違いないのだ、という信念だ。それは技の概念でもあり、型の概念でもある。」
    「言葉なんて信用できないとか、どうせ伝わらないというのではなくて、言葉でかなりのところまて伝わるんだ、と信じていることが大切なのだ。」
    「現在、゛主観優先(好き嫌い優先)で別にいいじゃん゛という人が増えてきてしまっている。その事態に社会全体が非常に手を焼いているが、そういう態度は勉強から逃避してしまった場合に起こりやすいことなのだ。勉強は客観性、多角性視点を非常に重んじるからだ。」

  • 勉強しすぎてキレやすくなる人の率よりも、ぜんぜん勉強しないでブチギレている人の率のほうが圧倒的に多い。
    勉強というものをすることによって、ある種の自制心という、メンタルコントロールの技術も学ぶことができる。

  • 著者は教育法を専門としているらしい。だから超多作の著者にとって本著は代表作にならねばならない。確かに著者の熱い想いは伝わってくるし、内容的にもそれなりの説得力はある。教育は学校だけでなく企業や家庭やその他人に何かを教える場面においては全て関係するというのも頷ける。しかしながら、その熱さ故か教育者を聖職扱いし、過重労働を推奨している点は気になる。10年前の作品なので今は考えが変わってるのかもしれないが、なら著者のライフワークとして改訂版を出すべきだろう。また、教育者をリーダーとしているが、教育者はリーダーではなくコーチである。その辺も履き違えている印象がある。

  • 模範的な教育者とは、こういう人ですよ、ということを詳しく説明した本。
    教育者の資質について、かなり具体的に書かれているので参考にはなるが、後半は、結局は生まれ持った資質が教育者に向いているかどうか、ということなのだ、と言っているように読めた。
    そうではないと思うので、星3つ。

  • 道に迷ったら読みたい本。
    斉藤先生の本は読むと元気になる。
    教育の祝祭性は納得がいった。
    教育は祭りなんだ。
    結果じゃなくて過程。

  • 好きでたまらない情熱に溢れた人が先生であるべき、親も子供にその背中を見せるべし的な。

  • 1つ1つ納得しながら一気に読み通しました。「読書力」「コミュニケーション力」に続く決定版とでも言えるでしょうか。著者が一貫して言っていることは「あこがれにあこがれる関係作り」というものです。これが教育の基本です。新しい世界にあこがれ、燃えて学んでいる人は魅力を放っている。その「あこがれ力」に触発された人は自分も学びたくなる。私にもそんな経験がありました。予備校の夏期講習で「カオス」について熱く語っている先生がいました。30年以上前の話です。それを聞いて、大学に行けばこんなおもしろそうなことが勉強できるのだと思ったものです。また後に、私自身が理科を指導するようになって2年目のこと。当時、隔週で公開講座に通っていた私は、聞いてきた話を(たぶん)いかにもうれしそうに(自慢げに)生徒に話していました。全く反応のないクラスで、誰も聞いていないかなあと思いながら話していたのですが、その中の一人が「合格体験記」の中でこんなことを書いてくれました。「理科の先生がいろんな話をしてくれたので、理科も結構おもしろいんだなあと思いました。」まだ経験の浅かった私にとってとても励みになったことをおぼえています。学ぶということは楽しいものです。そこにいたるまでにつらい時期もあるかもしれません。我慢する必要もあります。でも、基本的に楽しくないことは続きません。学ぶことが楽しいということを何とか伝えて行きたいと思っています。そのためには、自分自身が日々楽しんで学ぶ、そしてその姿を見せるということが大切なのでしょう。

  • タイトル通り「教育力」とは何かということが、きちんと丁寧に書かれている王道の本。
    筆者自身のエピソードが交えてあるのも読みやすく、納得できる箇所、勉強になる箇所が随所にちりばめられている。それでいて押しつけがましくなく、「私も前向きにがんばろう」とそう思わせてくれる。特に序章にかかれているこの1文が心に響いた。
    「教育の一番の基本は、学ぶ意欲を書き立てることだ。」

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著者プロフィール

齋藤 孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。学者、作家、文化人の役割で多くのメディアに登場している。
2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞を受賞。2001年発行の『声に出して読みたい日本語』は250万部を超えるヒットとなり、第56回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
その他、『語彙力こそが教養である』など多くの著書があり、発行部数は1000万部を超える。『こども孫子の兵法』など監修作のヒットも多い。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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