教育力 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310587

感想・レビュー・書評

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  •  齋藤氏のイメージがバッサリ変わった。こんなに熱い人だとは思ってなかった。失礼ながら。
    「教育の根底にあるのは、あこがれの伝染である。何ものかを価値あるものと認め、そこに心のエネルギーを注ぎ込む。何ものかを目指して飛ぶ、矢のようなベクトル。それがあこがれだ。
    心引かれるものがあるからこそ、努力しようという向上心が湧く。あこがれが根底にあるからこそ、技を習得する意欲も生まれる。」
    齋藤さんの「教育者」への理念?理想?がぎっしりつまっている。
    これから教師になろうって人には是非読んでほしいけど、あまりにもこめられたものが多くて気がくじける気もする。そのくらいのぎっしりさ。
    教育者に求められるものって確かにこういうことなんだけど。
    「教育欲」「文脈力」「コミュニケーション能力」「段取力」「発問力」「文化遺産を継承する力」
    どんだけ、パワーが必要よ?
    自分の出会った先生方を思い出し、子供の先生方を思う。
    そして、自分、この歳になると多かれ少なかれ誰かに「教える」立場にいるわけで、そのときにどんな態度で臨んでいるだろうかと考える。

    「あるテーマについてまとまった量の文章を書くにためには、ある程度の知識が必要だ。しかし、知識の引き写しだけでは、アピール力が足りない。書き手の価値判断も含み、個人的な経験というものもどこか行間からにじみでるような形で、しかも知識の豊富さも示すような形で文章が書き上げられる、そういう能力がいま求められている。」(暗記も大切)
    「運動をすると運動神経がよくなる。運動部に入って何年かやっていると、元はそんなに動きが鋭くなかった人でも、ある程度、体が動くようになる。それと似ている。勉強すると頭がよくなる。頭がよくなると同時に心のコントロールもうまくいくようになる、というのが大方の筋道だ。」(勉強ってなんでするの?)
    「知らないことを恥ずかしいと思っていた時代から゛知らなくて、別にいいじゃん。ぜんぜん恥ずかしくないし。もう、ばかのほうがいいし、気楽だし゛というような前代未聞の教養無視の時代に突入してしまった現実は見過ごせない。」
    「才能とは、自分に必要なものがわかるということである。」
    「文学は論理の下にある感情を理解する力を養うのに大切なものだからだ。ものごとを理解する力を身につけるということが、学校で学ぶことの中でいちばん重要なことだ。」
    「向上心を支えたもの。それは、きっちりした技を身につければ、絶対に一流になれる、それは間違いないのだ、という信念だ。それは技の概念でもあり、型の概念でもある。」
    「言葉なんて信用できないとか、どうせ伝わらないというのではなくて、言葉でかなりのところまて伝わるんだ、と信じていることが大切なのだ。」
    「現在、゛主観優先(好き嫌い優先)で別にいいじゃん゛という人が増えてきてしまっている。その事態に社会全体が非常に手を焼いているが、そういう態度は勉強から逃避してしまった場合に起こりやすいことなのだ。勉強は客観性、多角性視点を非常に重んじるからだ。」

  • いまいち統一性はない?気がするが、著者の溢れる教育熱を感じた。
    教育の難しさに気落ちしそうだったが、斎藤氏のように教育を楽しみ、やりがいを感じるようになりたいと思った。
    学生時代に学ぶプロになりきれなかった自分は、まず多くの本を読んで学ぶプロになりたい。
    そしてこの熱を生徒に還元したいと思う。

  • 後日掲載

  • さまざまなテーマの著書を刊行している著者ですが、本職は教育学者です。本書は、著者の教育論の根幹が、分かりやすく語られている本だと思います。

    著者は、教育の中核に「あこがれにあこがれる関係づくり」を置いています。つまり、教師自身が学ぼうとする強い意志を持ち、その熱気が生徒たちに伝わることで、生徒たちを教え導いていくような関係が、望ましい教育の形だと考えられています。著者はこうした立場から、教育に関するさまざまなテーマを論じています。

    「真似る力」や「段取り力」などは、著者の自己啓発書ですでに目にしたことのある言葉ですが、それらが教育という場面で培われた発想だということを知ることができて、興味深く読みました。

  • 齋藤孝三冊目。今回の話題は「教育力」。教育と名がついていてもそれには会社の上司と部下の関係、サークルの先輩と後輩の関係など人間社会であらゆる場面で起こりうる「指導する」事に関して述べた言わばリーダーシップ論である。出版から6年経ち、最近の著書に比べると言葉がキツく書かれているのが面白い。少し丸くなったのか…?

    どんな新書を読んでも毎回感じる事だけれど、知識人なり研究者の経験、努力をこんなに手軽に見られるというのは幸せな事である。本書について書いてしまうとそれは膨大な量となりそう(というか自分も頭の中で整理しきれてない)ので直接引用してゆこう。

    ・優先順位をつけて必要な手順を説明できるのが「段取り力」だ。この骨組みだけは外さないでくれというのが、段取りの一番重要な所である。…(全体の骨組みが見えている状態で)作業をやると安心感をもって仕事ができ、ストレスがとても少ない。

    ・(全国規模での)統一試験をすることが、管理の行き過ぎを招くとか、子供の個性を潰すと批判された。…(しかし)統一試験の実施において本当な何が一番怖いかと言うと、教師の力量が(各地区で点数が詳らかにされることで)問われてしまうことではないだろうか。…その当たり前の事実を突きつけられるのを怖がっていたのが、今までの教育界だった。

    ・「技」(技術と言い換えられると思う)というものが、実は日本を支えてきた概念なのだ。素質と関係なく、技を丹念に磨けば誰でもが一流になれる、という考え方が日本人の向上心を支えてきた、と私は思う。例えば生まれつきの才能のあるなしで決まってしまうのだったら、みんな努力しないだろう。そうなったら社会全体が停滞状態になってしまう。

    ・見抜いて見抜いて(間違えを指摘することを)我慢する、見守る能力が、教師にとって重要である。…(間違えを指摘することだけで)十分なわけではない。問題は、その状況を打開するアイデアが浮かぶかどうか、ということだ。

    ・(指導者)にとって、(自らも新しい知見を)学ぶことは才能でなくて、職業としての義務なのだ。

    ・言葉の力を信じて、言葉で色々伝えられるのだと信じることが大切だ。…言葉の力を大切にする態度を伝えること自体が、教師の役割だからだ。



    長く書いてしまったけれど、読んでいただいてありがとうございましたっ。

  • 教師はどれだけのエネルギーを持っていなければいけないのか、ということがよくわかりました。この本に書いてあるような先生に勉強を教わったら、子供は勉強好きになるでしょうね。

  • 教採の試験の国語に出てきた!
    再読せねば。

  • 教育に関する本だが、仕事には教育がつきもの。何かを教えることに関係している人には、読んでほしい。教える際の心構えと教え方のヒントが満載。

  • 教育の理想についてかかげられた本。
    教育者は研究者でなければならないという。
    ただ、理想が高すぎる様な気がした。

  • 教師の資質、教師はどうあるべきかがわかりやすく書かれた本^^

著者プロフィール

齋藤 孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。学者、作家、文化人の役割で多くのメディアに登場している。
2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞を受賞。2001年発行の『声に出して読みたい日本語』は250万部を超えるヒットとなり、第56回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
その他、『語彙力こそが教養である』など多くの著書があり、発行部数は1000万部を超える。『こども孫子の兵法』など監修作のヒットも多い。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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