「悩み」の正体 (岩波新書 新赤版 1068)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310686

作品紹介・あらすじ

「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の「悩み」の背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。

感想・レビュー・書評

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  • やりがいや自分らしさとは、その人が今置かれている状況によって大きく変わるもの。
    この部分にはとても共感した。
    自分を含め、今の若年層はネットを使って多くの人に関心を持ってもらえる機会が増えた。
    だからこそ、就職してコツコツ仕事を覚えて一人前になるまでの努力が無駄のように思えて仕方がないのかもしれない。
    やりがいなんてものはあまり考えず、まずはがむしゃらになることが大切だと感じました。

  • 本の紹介より

    競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の悩みの背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。


    人の心のありようと社会の在り方は、確かに密接に関係していると思います。「新型うつ」などの解説してきた香山さんが、過去では個人の悩みの対象とならなかった関係性も今は重大な悩みへと変化している事象を捕
    え、現代の「悩み」の正体を解きほぐしています。
     
    読み進めながら自分自身を振り返ると、同じような局面で解けない重石を背負っていたことにも気づかされます。

  • 常に世に悩みの種は尽きない…のだが、社会が新たに蒔いた悩みの種というのもあるのではないか。

    効率だけ(見かけの数字)を求めるだけで意味を読み違え、その犠牲となった人たちの悩みなどがまさにそうだ。

  • 現在の悩みは、昔だったら悩みにならないものだったのではないか?その悩みは、本人の責任ではなく、社会の構造、社会の問題のために悩みになっているのではないか?というのがこの本の語るところ。

    複数の章に分かれて書かれているので、読みやすい。
    その中で、「忙しく働いていないと不安だ」の章が、自分を見ているようでヒヤヒヤした。
    また、女性の結婚、出産のくだりは、実際に会社で見かける事柄であり、この本を著者が書いた時(2007年)と、まったく進展していないな。。と、思わずにいられなかった。

    読みやすさからいったら、星三つ以上なのだが、私の読み方が悪かったのか?解決策らしきものを得ることがあまりなく、症例を扱ったものという印象があったので、二つにした。

  • ふむ

  • 悩み相談!というよりは、精神科医である作者の精神科患者の症例?(相談例)みたいな感じだった。私が1番共感出来たのは、『自分に自信が無い』人の自信が無いのは自分のせいではなく、その人をとりまく環境が悪いのだということだ。私もよく悲観的になって、自信を失ってしまう事が多いですが、その原因は何なのか改めて考えてみたい。

  • 39161

  • S141.6-イワ-R1068 000491647

  • <閲覧スタッフより>
    誰もが悩みを抱えて生きている。しかし現代人の悩みは、昔の悩みと中身は変わっている。現代人の「悩み」とその正体・背景を精神科医の著者が考察。現代人の「悩み」は果たして「悩む必要のある悩み」なのか考えさせられます。
    --------------------------------------
    所在記号:新書||141.6||カヤ
    資料番号:20086385
    --------------------------------------

  • ちょうど深い悩みを抱えているときに読んだので、色々共感できる部分や気づきを得る部分もありました。
    ただ、他人に勧められるか?といえば、そこまで自分を魅了しなかったのも事実です。
    ちょっと悩んでいるとき、悩みを解消しつつある時に読むと気持がちょっと落ち着くと思います。

  • 悩んでない人なんていなくて、それに大きい小さいなんてなくて、主観が全てになりがちで。自分が欲しい言葉しか受け付けない、そうじゃなくて、他人からの客観的な例え都合の悪い言葉だとしても受け入れなくてはな、と思った。

  • この本は星二つだけど、私は香山リカは好きである。軽そうなこと言ってるように見えて、とてもまともなことを言ってるので。偉そうなところもないし、昔(たぶん20年くらい前)北海道新聞で悩み相談の連載をしていたときと同じような雰囲気である。毎回楽しみに読んでたけど、いつのまにやら中央で大活躍!本もたくさん書いているのに、いつまでも頼れるお姉さんのよう。

    この本は、わかりやすく、現代の日々の悩みをちょっと軽くするようなヒントがいろいろあって、軽く読むにはいいんじゃないかと思う。とりあえず、スピリチュアル癒し系、ポジティブシンキング系の本を読むよりはマシか。家にあったス江原なんとかさんのスピリチュアル系の本ピリチュアル系の本も読んでみたが、いまいちしっくりこなかった。

    しかし、悩みってあるのが普通っていう、こんな当たり前のことが現代では当たり前に考えられないのか!と軽くショックだった。子育てなんてしてると悩みだらけでどうしていいかわかんなくなるけど・・・その悩みの一部は、もしかして「子育てってすばらしい」っていう先入観のせいかもしれないし、外的な環境にもよるし、一概に「全部自分が悪いんだ」ともいえないもんだな。と本を読んで思った。もう、私なんてかなり子供のせいにしてるけどさ・・・

  • 時代が変わって、昔だったら悩みじゃなかったことも悩みになったんだよという本。現代人の悩みを通して、社会病理を紐解くとでも言えばいいんでしょうかね。

    香山氏安定のエッセイ。
    私が共感できたのは、真面目に生きてきたのに・・・ってやつとか、結婚とか出産のくだり。やっぱり女性ならではの悩みってのはありますねー。
    こういうのを読んでいると、本当に生きづらい世の中だと悲観的になりますw
    かといってこれと言った解決策も提示されてるわけじゃありませんし(社会がこうなるといいなぁという理想は述べられていたと思いますが)。

    もう今手元に本がないのでどんな内容だったかいまいち思い出せないですが・・・wそんなに記憶には残らない本だったってことでしょうかw

  • 忙しく働いていないと不安だという章ではかなり自分と重なる点があり、生き急ぎすぎているな。休む大切さをまた忘れていたと反省しました。

    またP54のこれぞ生きがいという究極の答えなどないという。一文は覚えておきたいと思います。なぜなら常に満足できない人間になる危険性とはまさにこの生きがいの追及のためだからです。

    また、老いたくないきれいでいたいの章では、過ぎた他者意識の行く末は自分の体さえも所有物化するという意見にも頷かせられました。

  • 悩みには社会的なものもある。

  • [ 内容 ]
    「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。
    競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。
    心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。
    現代人の「悩み」の背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。

    [ 目次 ]
    1 嫌われるのがこわい―人間関係編
    2 無駄が許せない―仕事・経済編
    3 このままで幸せなのだろうか―恋愛・結婚・子育て編
    4 老いたくない、きれいでいたい―身体・健康編
    5 いつも不安が消えない―こころ編
    6 まじめに生きてきたのに―社会・人生編

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 現代人に共通する悩みについて少しでも理解が深まった。

  • 分かりやすい言葉で現代多く悩まれていること、その対処法が書かれている。心が軽くなる かも。

  • 「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の「悩み」の背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。

  • メンタルヘルスを扱った本と言うのは、人によって評価はそれぞれだろう(皆が自分の自己イメージで読むから)
    著者は、現代はかってなく多様な悩みが混在する世の中だと述べているが、また、それは自分の中でつくりだしてしまっている悩みだとも言っている。
    社会や経済のあり方につかまってしまっていては、いつまでも悩みのスパイラルから抜け出せないのではないだろうか?
    この本を読んで何となくそう感じた。

  • (1) 〜という現状がある(e.g.親になったが自信が持てないという人が増え、「あなたの子育てでいいのだ」と安心させてくれるスピリチュアルな本が人気だ)

    (2) だが、本当はそれは正しくないのではないか(e.g.悩む親に、家族や友人よりもスピリチュアルカウンセラーの言葉の方が響くとしたらむしろそのことの方が問題だ)

    (3) それよりも、〜した方が良いのではないか(e.g.「親になってしまったのだからここから始めよう」と自己を肯定するところから出発するのも手ではないか)

    という流れでいろんな事柄を扱っている。

    [Not good]
    ・いろいろな事柄を取り扱いすぎてとっちらかっている
    ・悩みを何とかしたい人にとっては(3)が一番大切なところだと思うが、とってつけたような分量しか割かれていない。分量としては(2)がほとんどで、「大衆はメディアに流されて愚直に信じちゃってるのよ。けど、私は冷静な目で物事の本質を見れてるのよ」という自意識か透けて見えて嫌だった。

  • 2.5

  • 大事な処方箋はいつも寸止め。
    血を吐くような切実な問いには、
    ケースワーカーのような距離で評論する。
    求める相手が違うのか。
    現代社会の病理を、ピックアップするのはいつもながらの
    手際の良さ。

    (詳細)http://3amop.jugem.jp/?eid=851

  • みんな、なんでそんなに悩むのか。
    生きてるだけで儲けもの、って思っていればいいんじゃないかな。
    私は誰の役にも立っていない、でも私にはとりあえず生きてる価値がある。その前提で、では何ができるか、を考えよう。

  • 2007/7-2007/8 読。

  • 現代社会のなかで、人々の悩みの中身も変わっていく

  • どちらかというと女性向けの本だったような気がしますけど。

    人間ですもの。やっぱり悩みはありますよ。

    いろんな悩みが定型的に解決できるとは思っていないけど、そのい糸口はどこかに転がっているかもしれません。


    そのいとぐちをみつける第一歩として読んでみてはいかがでしょうか。

  • 人生に落ち込みや悲しみはつきもの。立ち止まってもため息ついてもいいのだ。気分は変わりやすいものであるし、それを止めることは難しい。
    奉仕する人の多くは相手のためだけにではなくて、そうする自分に満足したくてやっている。外からみればいくら幸せであっても本人が「つらい」といえば本当に辛い。同じ涙を流しても、外から見ればその苦しみの質も量も違う。しかし、どちらもそれなりに悩み「私は不幸だ」と思っていることは同じ。「私は不幸だ」「私は辛い」と一旦思ってしまえば他の人の不幸や辛さを想像してそらがうすまるということはない。P91.92. ’07.12.16

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  • 【070921】

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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