エスペラント―異端の言語 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310778

作品紹介・あらすじ

誕生して一二〇年、国家の枠を超えようとする「危険な言語」、正統派言語学者たちにとっては「異端の言語」-国際共用語・エスペラントのたどった道のりは劇的で険しいものだった。この言語の構造と特性、受容と反発の歴史の生き生きとした紹介から、「言語は人類にとっていかなる意味をもつか」という根本問題が呈示される。

感想・レビュー・書評

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  • 「エスペラント」という謎の響きに前々から興味深々だったので読んでみた。
    エスペラントの単なる説明に留まらない、エスペラントがうまれた歴史的背景や思想をわかりやすく解説しています。
    「世界語」であるエスペラントが、さまざまな思想と結びついて使用されてきた様が興味深いです。
    ちょっとやってみたいなエスペラント。

  • 骨太な学者の著書。
    エスペラントの入門書でもなければ、エスペラント礼賛書でもない。なので、そういうのを期待する向きには不向き。
    エスペラントの存在について、健全な疑問がいろいろ湧くタイプの人には、とりあえずその疑問を解いていく入口に立つための案内書として、ぜひ読むことをお勧めする。

  • 『爆笑問題のニッポンの教養』(NHK)で紹介された
    一橋大学名誉教授の田中克彦さんの本。

    テレビで見たとき、おじいちゃんなのに、
    考え方は若いし、分かりやすく説明してくれるし、
    この人おもしろいなぁ~って思って借りてみました。

    …感想は、




    エスペラント語の発祥から、アジアにおける
    エスペラントまで多岐に渡ってエスペラントに
    ついて書かれているんだけど、特におもしろいのは
    エスペラント語の構造のところ。

    ここを読むだけで、ほとんどの文法が理解
    できてしまうんじゃないかってくらい、わかりやすい。
    説明もそうだけど、エスペラント自体が、
    本当に学びやすく作られた人工言語なんだって
    実感した。今まで、エスペラントの本を
    ぱらぱら見ても、フランス語みたいだし、
    世界の共通語っていうわりにラテン語中心で、
    全然アジアの言語が考慮されてないじゃないかー。
    って思ってたけど、これは、ちょっと言語学を
    かじって、実際エスペラントを勉強した事もない人が
    調子乗ってよく言うことみたい笑
    まさにそれでびっくりした。

    実際は、英語に見られる語尾が活用する屈折語よりも、
    日本語のような膠着語よりで、不規則活用が全くなく、
    名詞・形容詞・動詞や反対語などが規則どおりに
    派生されて作られてるから類推しやくて覚えやすい。
    発音も、ほぼ綴りどおりで、難しい発音がない。

    すごく学びやすくて、おもしろい言語なんだ!って
    よく分かりました。
    ザメンホフすごいなぁ。

    そして、この田中克彦さんは、
    多言語を操れるみたいだけど、決してひけらかした
    ような文章ではないし、初心者にも分かりやすく、
    でも高尚な日本語を使っていて、読み応えがあって
    とてもよかった♪


    エスペラントは、民族も国家も歴史も文化も何もない
    言葉。だから、学んでいる人や話している人が
    そのイメージとなる。
    …っていうのがほぉなるほど~っと思って、
    複数の民族が対立しあう国で育ったザメンホフが、
    何の背景もない新しい言葉を作ったのも
    納得できるなと思いました。


    ぜひ著者の授業を取りたかったけど、名誉教授は
    授業ないらしい(?)ので残念。
    他の本も読んでみます♪

  • エスペラントのことをほとんど知らない私にとっても、わかりやすくて、よかったです。

  • エスペラントの歴史と意義が中心。
    簡単な文法も紹介されているけれど、あくまでエスペラントの考え方や意義を説明するための、予備知識という感じが強い。
    エスペラントの背景を知りたい人向け。

    文法だけを学びたいのであれば、語学書コーナーで他のエスペラント語の本を選んだほうが良いかもしれません。

    中国にエスぺランティストが多いというのは、意外でした。
    欧米じゃないからこそのエスペラント活用の道というのも、あったんですね。

  • いわゆるエスペランチストではない田中克彦先生の書いた、エスペラント導入本。文法書ではないものの、エスペラントがいかなる言語であるか、というくらいまでには理解できるようになっている。

  • ヒトラーはエスペラント活動を禁止した。
    人類を民族や国家に分けるのはまさに言語の仕業である。したがって人間がこれまでのような仕方で言語を使っているかぎり、人類は一つになれない。

  • 人工言語エスペラント語を紹介。
    第2章では、簡単なエスペラントを紹介している。確かに単語が分かりやすい、一目で品詞、時制などが分かるようになってある。誕生して、120年も経っていること、中国にエスペランティストが多いこと、実は言語学者にはあまり受け入れられていないこと、などが意外で、印象に残った。

  • 大幅な国際化、もはや英語ができるだけでは通用しない、という時代がやってきた。
    俺自身アメリカ生活10ヶ月をもって英語を普通レベルの会話は辛うじてでき、カナダと大学の授業を通しフランス語、さらにチェスの影響と現在の国際情勢を見て興味を持ち今学習中のロシア語、と多くの言語に手を出している。
    そんな中上記3言語とは全く性質の異なる言語・Esperanto。
    人工言語であり、ネイティブスピーカーというものはほぼ存在しない。
    話者人口もけっして多くはない。
    それでもこの言語を学ぶ意味は何か。

    その答えを俺は「言語とはどういうものかを理解する」ということだと感じていたし、この本の中身はそれを手伝ってくれた。
    自然言語で発生する「異言語間ではたいがい通じない」ということへの、過去の人々の考察、意見を基にEsperantoができる経緯を語り、現状はどうなのか、ということに言及している本。

    けっしてEsperantoの学習書ではない。

  • なぜかエスペラントです。特にエスペラントに興味はなかったのですが
    図書館の新館コーナーにあったので借りてみました。
    予想以上に面白かったです。言語は、やはり話されてなんぼですね。
    実際にもっと普及していて、国際共通語として確立していれば
    だいぶ楽なんだろうなと思います。特に英語が主流とされている領域の
    方々は・・(私も含め)。

    作られた言語は変化も規則的で非常にロジカルなのですが、
    言語として機能するには使われることが大前提なんですよな・・
    そしてコミュニケーションには相手と同じ言語を使うのが基本なので
    少数言語が淘汰されることはあっても逆はなく。
    そういう意味で第2段階目がクリアできずに自然言語になれないのかなと
    ぼんやり考えてました。
    皆が第2言語をエスペラントにでもしてしまえばいいんですけども。

    日本語も考えてみれば全くもって美しくなくコスパの良くない言語です。

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著者プロフィール

1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科、一橋大学大学院社会学研究科、ボン大学哲学部・中央アジア言語文化研究所(フンボルト財団給費)でモンゴル学・言語学・民族学を学ぶ。一橋大学名誉教授。社会学博士。モンゴル国立大学名誉博士。2009年モンゴル国北極星勲章受賞。著書に『ことばと国家』『ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国』『「シベリアに独立を!」諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす』(すべて岩波書店)、『差別語からはいる言語学入門』(ちくま学芸文庫)、『従軍慰安婦と靖国神社 一言語学者の随想』(KADOKAWA)、『田中克彦 自伝 あの時代、あの人びと』(平凡社)、『言語学者が語る漢字文明論』(講談社学術文庫)、『田中克彦セレクシヨンⅠカルメンの穴あきくつした』(新泉社)など多数。

「2018年 『カナリヤは歌をわすれない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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