グアムと日本人 戦争を埋立てた楽園 (岩波新書)

  • 岩波書店 (2007年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004310839

みんなの感想まとめ

戦争の歴史と観光開発が交錯するグアムの実態を描いた作品で、読者は知られざる日本との深い関わりを知ることができます。「戦争を埋め立てた楽園」というサブタイトルが示すように、観光地としての華やかさの裏にあ...

感想・レビュー・書評

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  • YM5a

  • ●サブタイトルの「戦争を埋め立てた楽園」とあるように、戦争の歴史を忘れて観光開発で発展していったグアムの歴史が描かれている。

  • 知られざるグアムと日本の深いかかわり、「リゾート」の陰に隠れた現地の人々の暮らしと切実な願い。

  • グアム旅行前に読んでよかった。

  • 「ハワイよりちょっと安いリゾート」というイメージに埋没した日本との関係史をひもとくための最初の一冊。

  • めったにいくことのない出張先になったので、どんなところなんだろうと手に取った本。日本人が毎年100万人近く旅行するこの小さな島の歴史、知ることができてよかった一冊。

    横井さん発見で改めてそうだなと思いましたが、戦時中は日本が占領していた島(大宮島)でした。その前はスペイン。

    戦後は日本資本による観光開発が進み、かつての戦争や侵略の歴史、現地文化などは意も介さず、ごく小さな地域に資源が集中投下されて、商業施設、宿泊施設が建設される。その裏では、ホテルにいると微塵も感じない停電など、社会資本の整備は置き去り。

    占領時の歴史は現地に残されている資料を丹念に追うだけでなく、当時に生きた方々にインタビューもしている。
    また、戦後のグアム観光開発の歴史を詳しく解説していて、観光社会史としても秀逸。

    観光産業に少し足を踏み入れている身にとって、ビジネスを進める上で必要ないことかもしれないけど、こういうことを知ったうえでビジネスができるとリスペクトされるようなビジネスにつながるのだろうか。

  • 新書で読みやすく、内容も知らないことがたくさんあり、読んでよかったと思える本だった!
    去年観光でグアムを訪れた時にラッテ公園の防空壕を見て、その生々しさに驚いたが、
    グアムには他にも戦争の痕跡を感じさせる場所が未だ多く残っている。次回訪れる際はこの本の内容を思いだし、グアムを違った視点で見てみたい。
    巻末のガイドも参考になった。

  • グアムに対する歪みを感じたことから手にとった。日本人の知らないグアムの歴史、現在の問題が事細かに調べられている。日本人にとっては、沖縄と同じくらいグアムのことを心配する必要があると感じた。詠み終わってから略歴を見て驚いたが、筆者の山口誠氏と同い年だった。我々の世代から、グアムに対する日本人の考え方が変わっていくことを望む。

  •  夏休みにグアムに行ってきた(PIC)。
     事前にこの本を読んで,グアムの歴史,とくに大宮島だったころ(わずか3年)の歴史を心にとめて出かけた。とはいえ,4歳と3歳の娘を連れた家族旅行。戦跡を巡るでもなく,ホテルのプールとビーチ三昧。でもビーチにはトーチカ(旧日本軍が米軍上陸に備えて築いた機関銃陣地)が人知れず残っていたのは読んだ通りで,中に入ってみると,銃眼?から海が見えた。長女は怖がって来なかったけど。

  • タイトルから言って、日本軍と現地人との惨劇や、玉砕の話かと思ったら、それだけじゃなく、10万人いた現地人が1500人まで減少したスペイン統治時代から、平均年齢28歳、死亡率が日本の半分になった今のグアムの問題まで書かれてまして、大変興味深い。再来月グアムに行くのに、かなり参考になりました。
    「グアムなんて、海しかないつまらない島」と、言っているどっかの偉い人にも読んでいただきたい感じ。

  • [ 内容 ]
    年間約一〇〇万もの日本人が訪れる米領グアム。
    その島が旧日本領で、かつて二万近い日本兵が命を落とした激戦地であった事実が、現在の観光者たちに意識されることは、少ない。
    いったい誰が、いつ、どうやって「日本人の楽園」を開発したのか。
    無個性なリゾートの地下に眠る、忘れられた記憶を掘り起こす。
    写真・図版多数掲載。

    [ 目次 ]
    第1章 「大宮島」の時代(日本領グアムに生きた人々 短い戦闘と長い戦争 「私たちの中の横井さん」から「ヨコイさん」へ)
    第2章 基地の島と観光の道(「立入禁止」の孤島 グアム観光の「基本計画」 慰霊観光と記憶をめぐる抗争)
    第3章 楽園の建設、記憶の埋立て(観光開発と日本のメディア 宮崎の南、ワイキキの西 タモン湾の開発と記憶の埋立て)
    第4章 値札と忘却(日本人の観光変容と「三つの波」 格安旅行とマニュアル型ガイドブック 値札を付けるメディア 「記憶の回路」の途絶)
    第5章 見えない島(誰も死なない島 二一世紀の植民地 見えないことさえ見えなくなるまえに)

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 課題の本がこれで、読んでみたら図表が思ったよりも多くて読みやすかった。
    興味がなかったのでグアムはリゾート地、という一般的な見識しかなかったけれど、この本を読んで行ってみたいと思うようになった。好きな日本史が絡むからかもしれないけれど。
    ひとつのものを色々な角度から見ることは必要。

  • 「戦争を知らない」世代だからこそ書ける、あの戦争、の本。
    大東亜戦争を肯定するでもなく、弾劾するでもなく、冷静に見つめるまなざしがあります。

    グアムに行きたくなりました。
    「ビーチで泳いでショッピング」なんて旅はもう絶対にできないけれど。

  • 明日からグアムで仕事です。
    グアムは昔、大宮島といわれていた。戦争地でかなり激しかった。横井さんはずっと潜んでいた。今は立派な観光地。初グアムなのでわくわくしています。戦争に関わった日本人、チャロモ人、各位に合掌。

  • とても衝撃をうけた一冊。

    以前グアムに行ったとき、自分は何を見てきたのだろうと、本当に愚かな気持ちになりました。
    「日本と同じだ」なんて日本人が口にすべき言葉ではないのです。

    グアムが日本の植民地であったこと。
    多くの被害者を生み、「日本と同じ」「楽園」となることで、その傷跡は隠れているように見えるけれど、決してそれは消えていません。
    そして今でも、私たち日本人観光客の滞在が、現地の人々を隅に追いやっているということを、知らなければならないのです。

    日本人であるならば、グアム=観光地で済ませておくべきではないのですね。
    もっと早くこのことを知っていたら、私は現地で全く違うことをしたでしょう。
    悔しいです。


    たとえ旅行であっても、どこかに出かけるとき、必ず現地の歴史や事情をきちんと勉強しなくては。
    またそれが海外であれば尚のこと、日本人として、自分が現地においてどのような立場の人間であるかということをわきまえておくことが、相手国に対する礼儀なのだということを知りました。
    もちろんそれは日常の諸事に関しても同じこと。

    そんなふうに自分を省みることのできる、大切な一冊との出会いです。

  • やはり、ガイドブックに関する章が1番おもしろい。

    でも正直、なによりも、この膨大な歴史と情報量を読み手に分かる形にしたという点に脱帽。

  • グアムが太平洋戦争中「大宮島」と呼ばれた日本領土だったこと、今でもアメリカの「領土」ではあるがどの州にも属さない、つまり大統領選挙に参加できない事実上の植民地(「未編入領土」Unincorporated Territory)であることなど、知らないことだらけ。その日本人がなぜ「知らない」ようになったのかの分析も含めて、目からウロコが落ちっぱなし。
    日本軍のトーチカと、結婚式用のチャペルとがほとんど同じ場所にある、なぜかというと「眺めがいいから」というのには、笑い事ではないが笑ってしまった。

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著者プロフィール

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会情報学)。獨協大学外国語学部教授。専門は観光研究,メディア研究,歴史社会学。
[主な業績]『英語講座の誕生――メディアと教養が出会う近代日本』(講談社,2001),『グアムと日本人――戦争を埋立てた楽園』(岩波書店,2007),『ニッポンの海外旅行――若者と観光メディアの50年史』(筑摩書房,2010),『客室乗務員の誕生――「おもてなし」化する日本社会』(岩波書店,2020)

「2023年 『観光が世界をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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