戦艦大和 生還者たちの証言から (岩波新書 新赤版1088)

  • 岩波書店 (2007年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004310884

みんなの感想まとめ

戦艦大和の乗組員、生存者23名のインタビューを通じて、戦争の悲惨さやその影響を深く考えさせられる一冊です。沖縄旅行の際にこの本を手にした読者は、実際に沈んだ戦艦を思い浮かべながら旅を進めることで、歴史...

感想・レビュー・書評

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  • 生還者証言は貴重。2007年の本だから成し得た。

  • 著者:栗原俊雄(1947-、東京都、ジャーナリスト)

  • 初めて沖縄を旅行するので、お供に手にとった書。
    行きの飛行機の中でほぼ読んでしまった。
    沖縄に沈んだ戦艦大和を思いながら旅程を進むことにする。

  • 2007年刊。著者は毎日新聞大阪本社学芸部記者。戦艦大和の誕生から沈没、さらに、生存者や遺族のインタビュー、関係者の記録を分析。戦後史と生存者・遺族のインタビューを中心とし、記者らしい手法が特徴的。その意味で、第五章生還、第七章遺族が中核だろう。特に「蜘蛛の糸」状態で生還した人物の経験は胸を打つ。また、生存者が戦友の遺族を憚り、肩身の狭い思いをし、このため、事実を開陳することを差し控えていたと思われる点は、当時の時代相や軍人意識を伺わせ、生還者の戦後の控え目な証言の意味合いを読み解くことができよう。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(立花隆選)106
    あの戦争

  • 戦艦大和乗組員、生存者23名のインタビューからなる本です。戦争の非常さ、悲惨さを痛感しました。このような記録はとても貴重なことです。

  • 「大和」入門書として良書。副題の通り生還者の証言から大和の一生を描いている。ただ、もっと詳しいことを知りたい人には物足りんかも。

    特攻なのに二階級特進がないのは何故か、の記述(推測)あり。

  • 静岡本館開架5F新書 081/I95SD/S1088

  • [ 内容 ]
    真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。
    だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。
    約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。
    著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。

    [ 目次 ]
    序章 誕生
    第1章 初陣
    第2章 海戦
    第3章 出撃
    第4章 沈没
    第5章 生還
    第6章 責任
    第7章 遺族
    第8章 戦後
    第9章 真相
    第10章 未来

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  超ド級の大和型戦艦1番艦である「大和」は、同型艦「武蔵」とともに、世界最大の戦艦として世に知られている。

     本書はその「大和」を概説するルポである。

     まず最初の3分の1ほどで「大和」建造の背景、ミッドウェーから沖縄特攻に至るまでの戦歴などが簡潔に紹介されている。

     戦艦「大和」を語るという場合、そのほとんどは、天一号作戦と呼称される悲愴な沖縄特攻作戦と撃沈についである。

     そしてご多分に漏れず、本書も存命している生還乗組員へのインタビューを通して、その模様を点描している。

     ちなみに、他の戦史ドキュメンタリーと大きく違うのは、著者は戦艦「大和」を通して、反戦・反軍国主義の反省を行おうとしている点であろう。
     その部分については読者の好みの点もあるだろうが、生還者の証言を率直にまとめているというよりはある種の誘導があるように感じる部分もあった。


     個人的には、戦艦「大和」という巨大兵器を通して、日露戦争以来の大艦巨砲主義、「海軍の休日」と言われた戦間期の建艦構想などを描写し、アジア最大の海上兵力として君臨した帝国海軍の終幕を論じて欲しかったが、まだ若いジャーナリストにそれを求めるのは酷かもしれない。(もちろん本人もそんなことを書こうとは思わないだろうが)

     戦艦「大和」については、既に古典となった吉田満の『戦艦大和ノ最期』、辺見じゅんの『男たちの大和』(註:断じてあの軽薄な映画ではない。原作の小説である)という素晴らしい戦記小説がある。
     本書は、それら以上の感動を与えてくれるものではないが、入門書と思って読む分には結構だし、ほとんどいなくなってしまった生存者の声を聞き取ろうとする姿勢は立派なものだと思う。


     最後に、本書の中で紹介されている生還者がひそかに書き写していた元海軍少佐の詩を引用しておきたい。

     海よ、語ってくれ
     若者が生命を捨て
     守ろうとしたものが何であったかを
     海よ叫んでくれ
     今もなお海底深くから
     己れの生命の価値を問い続け
     眠っているいるもののあることを

  • 副題からも分かるように生還者たちに聞き取り調査をして書かれた本。

  • 栗原氏は近代史の「発掘」や証言者へのインタビューを積極的に展開する毎日新聞記者。その活動は研究者の間でも定評がある。戦艦大和の歴史を概観しながら、要所に生存者の証言を織り交ぜる。新たな大和の姿を我々は垣間見ることになる。綿密な調査に裏づけされた冷静な筆致からは、「あえて大和にこだわる」著者の、次代に大和の記憶を継承させようという情熱が伝わってくる。大和ブームに便乗したわけでなく、生きた大和の声を伝える最後の機会に満を持して発刊されたもの。栗原氏の功績を讃えたい。

  • こってりを期待していたのですが、やっぱり新書なのであっさりとした内容です。大和入門書としては最適かな。

  • 戦艦大和について書かれた本はやまほどあろう。本書の特色は、使い惜しみされた大和が実際にどれほどその威力を発揮したかという戦歴をたどったあと、すでに20人ほどしか残っていなかった大和の生還者たちにインタビューすることで、大和の最後の様子、生死をわけた理由、生き残ったものたちの戦後を語ろうとしている。大和が片道燃料しか積んでいなかったのはウソだったとか、吉田満の『戦艦大和の最後』に書かれた、駆逐艦にしがみつく生存者の指を艦上の上官が切り落としたのは事実かどうか、大和の沖縄行きは水上特攻であったはずなのに、戦死者たちが2階級特進しなかったのはなぜか等、新たな問題提起も多く内容は新鮮だ。ほとんど活躍もしなかった大和が、これほど人々に愛され語られるのか、それはやはり沖縄特攻という悲劇があったからであろう。

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著者プロフィール

毎日新聞社学芸部記者

「2025年 『検証 戦争に加担した日本文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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