火山噴火―予知と減災を考える (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 52
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310945

作品紹介・あらすじ

日本列島には一〇八の活火山があり、思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる。噴火を科学の力(噴火予知)でやり過ごし、災害を減らす知恵が「減災」である。一方、噴火の後には、長い期間にわたって火山の恵みを享受することができる。火山の恩恵と魅力を伝えつつ、自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 著者はテレビによく出てくる人なんですね。
    その番組を見ていないから知らなかったです。

    火山の噴火は短いけれども
    それから生まれる恩恵は実に長い…
    きちんと兆候を予知し、
    非難につなげれば被害は避けられませんが
    人命に関する被害は抑えられるのです。

    火山の噴火の形も様々です。
    島に由来するのが2つもあることに驚き。
    そのうち1つは火山の英語の語源にもなっているのです。
    これぞ火山、といった感じですね。

    風評被害のところは
    必ず覚えておいてほしいことです。
    噴火の災害だけではなくて
    あらゆる災害にも言えることだと思いますよ。

  • 噴火のタイプといった基礎知識から防災、いや著者の言葉では「減災」のことまでわかりやすく書かれている。昔キラウエアに行って溶岩の上を歩いたことなどを思い出した。

  • 火山噴火について、きちんと説明してくれる本を探していたところ、情熱大陸にも出演された火山学者鎌田氏の2007年の著作が再販されていたので読んでみました。
    アウトリーチ(研究成果を一般社会に伝えること)の重要性を主張されている鎌田氏の本だけに、読みやすく、またそれでいて内容もしっかりしています。そこはさすが岩波新書。
    火山噴火の概要、予知の現状、減災の方法など2007年当時での火山学の最先端を知ることができます。
    なぜ噴火の前兆現象として火山性微動が重要なのか、噴火のタイプ別による災害の種類の違いなど、火山噴火のニュースを読み解く際に役立つ情報や、地震予知よりも噴火予知のほうが実用段階に達している、など興味深い情報満載でした。
    災害をもたらす元凶という負のイメージで火山を見るのではなく、豊かな自然(景観や肥沃な土壌と農産物)をもたらしてくれる存在や信仰の対象など、火山に対する著者の愛情や畏怖の念が感じられる一冊です。

  • 火山の噴火という現象について詳しく知れる本です。噴火の危険性や火山の実態なども含めた啓発的な内容なので、用語の説明などもされており、知識がなくても読める内容です。

    火山の分類というのは中学校の理科なんかで習ったことがありますが、噴火の仕方というのはもうちょっと込み入った分類法があるということ、それから火山によりもたらされるさまざまな物体、軽石や溶岩の種類などの解説もわかりやすく興味深いです。
    火山という恐ろしい存在とどう付き合っていくかというのは日本列島に住む我々にとっては頭の痛い話題ではありますが、同時に多くの恩恵がもたらされているのも事実。ハザードマップなど、ソフト面でいかに対応し人命を守っていくかという問題もあるのです。

    先日九州で阿蘇や桜島を観る機会がありましたが、ハワイや知床の火山にも俄然興味が湧いてきました。

  •  テレビ出演も多い火山学者,鎌田浩毅の本。特定の火山ではなく,火山噴火について一般的にまとめている。
     ちょっとかわった人で,本も面白い。火山,地球科学を通じて科学の啓発教育活動に力を入れており,子供向けの本も書いている。どの本にも噴火の様子や火砕流の写真が載っているが,記述的であるべきその説明文にも「みごとな噴火」とか「美しい山体」とか,情緒的な表現が多い。
     彼にとっては,メディアを通じて皆に火山のすばらしさを伝えるのが非常なよろこびなのだろう。その思いがひしひしと伝わってくる。

  • [ 内容 ]
    日本列島には一〇八の活火山があり、思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる。
    噴火を科学の力(噴火予知)でやり過ごし、災害を減らす知恵が「減災」である。
    一方、噴火の後には、長い期間にわたって火山の恵みを享受することができる。
    火山の恩恵と魅力を伝えつつ、自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る。

    [ 目次 ]
    第1章 火山噴火とはどんな現象か(溶岩流-地表に出たマグマ 軽石-泡立つマグマの破片 ほか)
    第2章 噴火のタイプとその特徴(噴煙柱が立ちのぼるプリニー式噴火 爆発的なブルカノ式噴火 ほか)
    第3章 噴火は予知できるか(地震を調べる 地殻変動を測る-火山体の膨張と収縮 ほか)
    第4章 噴火が始まったらどうするか(活火山のランク分け 活動中の火山のレベル化 ほか)
    第5章 火山とともに生きる(溶岩の流れを変える 災害は短く、恵みは長い ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 長引く余震に環太平洋プレートの活動が活発化していることを感じつつ、「富士山が噴火したらどうなってしまうんだろう」という素朴な疑問を解決するために図書館で借りた。
    筆者が提唱する火山噴火の減災の観点からは、マスクをして火山灰を避ける努力をするべきらしい。マスク大事!
    筆者は火山噴火の恐ろしさや対策の必要性を訴える一方で、火山や地殻活動のお陰でできあがった美しい自然や温泉などの産物についても紹介している。火山を愛する研究者ならではの視点でおもしろい。
    火山学者はフィールドワークと称して世界中を旅できて楽しそうだと思った。

  • 本当に火山が好きで研究を続けているんだとひしひしと感じる。あまり世に知られていない火山に関するいろいろな現象を紹介しており、また噴火の際の減災対策なども書かれている。火山に興味がない人も自然科学系の読み物として楽しめる一冊。

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著者プロフィール

1955年、東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞。著書は『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)、『火山噴火』(岩波新書)、『富士山噴火』(ブルーバックス)、『マグマの地球科学』(中公新書)、『次に来る自然災害』『資源がわかればエネルギー問題が見える』『火山はすごい』(以上、PHP新書)、『地球は火山がつくった』(岩波ジュニア新書)、『火山と地震の国に暮らす』(岩波書店)、『地震と火山の日本を生きのびる知恵』(メディアファクトリー)、『世界がわかる理系の名著』(文春新書)ほか多数。

「2018年 『座右の古典 今すぐ使える50冊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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