文章のみがき方 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 589
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310952

作品紹介・あらすじ

いい文章を書くために、作家・文章家たちは何を心がけているか。漱石・荷風から向田邦子・村上春樹まで幅広い人びとの明かす知恵を手がかりに、実践的な方策を考える。歩くことの効用、辞書の徹底活用、比喩の工夫…。執筆中と推敲時だけでなく、日常のなかの留意点もまじえて説く、ロングセラー『文章の書き方』の姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • 各項目が2.3頁ずつにまとめられ、それぞれのテーマが明確で読みやすい。

    筆者のことばを補強する、あるいは展開するために引用が多く使われている。引用の数の多さと、引用元の多彩さに驚く。筆者はよほど多くの本を読んでいる人なんだろう。

    本来引用なのだが、その本の良い解説にもなっていて、読みたいと思う本がたくさん出てきた。

  • 文章を書く前から書いた後まで、どうすればいい文章になるのか述べられた本です。
    章が短く、また分かりやすく書かれていますので、とても読みやすいです。
    特に推敲の章は勉強になりました。
    文章を書かれる方、うまく書きたいという方にはおススメです。
    自分の文章が分からなくなった時に読み返したい本ですね。

  • 初めて文芸創作っぽいことを始めたのが中学高校時代。以来恥をかき貶されながらも懲りずに書くのをやめず、細々と続けてとうとう10年くらいが経ちました。そして、文章論、佳い文章の書き方についてしっかり読むのはこれが初めてです。

    文章論としては、10年は読まなくていい本だったかもしれません。単純に文章書きのノウハウ集として「この本、便利だなぁ」と思い、その便利さ故に☆5つ評価です。その点で、この本を手に取ってレビューを書いた大半の方と評価軸が違うかと思います。

    私はもともと我流で文章を磨くことの楽しさもあって、創作に当たって昔は文章論をあまり参考にしたくなかったのです。影響されやすい性分だという自覚もあり、下手に読んだら「佳い文章とはこういうものだ」という考えにズルズル引きずられてしまうからです。10年は読まなくていい本だったというのはそういう意味です。
    そして、読んでみて、やはり、思いました。苟も、これから自分の書いた文章で食っていこうとする人なら、こういう本に安易に手を出すものではない、と。
    確かにこの本の通りに実践すれば佳い文章は書けるかもしれません。しかし、お利口と言わざるを得ません。「読む人に優しい、伝えたいことが一本筋の、よく整理されたお利口な文章」を目指すなら大変参考になります。だから、便利です。そういう文章を書きたくなったときに限りですが、ね。
    この本における佳い文章の対極にあるのは「悪文」ではなく、おそらく「野性的感情的で、迷いだらけの、ごちゃごちゃした、泥臭い文章」かと思います。出版社や新聞社が一番嫌う文章だろうとも思いますが、これはこれで表現出来る独特の領域があり、かつ高度なテクニックも要る、オツなもんでございます。筆者の辰濃さんは朝日の元記者だからやはりお利口な文章の書き方を紹介してしまうのであって、引用した漱石や井伏鱒二や谷崎潤一郎や井上ひさしその他大勢の作家文筆家せいではありません。

    まぁ、こんな風に相対化出来るのも、文章の質や書き方について、実際に書きながら考えこれまでずっと追求してきたからですがね。今までの私の実践と照らし合わせてみれば、この本の中身は「何だ今まで当たり前にやってきたことじゃないか」が半分、「いやいやそうとも限らないんだよなぁ」が半分。

  • 文章のみがき方

    【要するに】
    「文は心である」
    著者がさまざまな文章論や作品から学んだ「いい文章」の書き方をまとめたもの。

    【感想】
    いい文章のための具体的な「書き方」というよりも、具体的な「心構え」。
    各項末の参考文章だけでも興味深い。

    【いただきました】
    ・繰り返し読むp13
    ・借り物でない言葉で書くp65
    ・自慢話は書かないp77
    ・夏目漱石は寄せ通いが好きだったp175

  •  題名からハウツー本みたいだが、作家の文章を例示し筆者の長年の文書修行の蓄積を綴っている。だから、カテゴリーを随筆に。今までどこかで聞いたことある文書論だが、達意の文で読ませる。井上ひさしの作文の秘訣、姫野カオルコのピエロ的文章論…なるほど。

  • これは以前いたリサーチ会社でアンケートのコンテンツ企画をしていたとき、上司に薦められて買った本だったがようやく読むことができた本だ。

    私はどちらかといえば構えて文章を書く傾向があるので、この本は参考となった。

    奇をてらわず、「正直に飾りげなく書く」こと、そして、「わかりやすく書く」ことが大事だと本書は伝えている。

    著名な作家たちの文章を引用し、納得できる『文章のみがき方』が書かれているのだ。

    この著者は朝日新聞の天声人語を1975~88年に担当していた方。なるほど、文章の基本を押さえて的確に、教えていただけるものとなっている。

    少し教条的な感じもするが、いい本だ。

    著者が以前に書いた『文章の書き方』もぜひ読んでみたいと思う。

  • 多くの文章論から書き抜いて集めた言葉を整理し、38個のいい文章の条件にまとめた本。様々な作品から抜き出したいい文章と、それらの文章への筆者の感想が興味深い。中でも、35番目の「自分と向き合う」にとても共感できた。才能のある人でさえ、自分の書いたものに不満、劣等感、引け目を持っている。しかし、そう感じるからこそ、彼らはさらなる高みを目指すことができるのだろう。劣等感のようなマイナスな感情でさえ自分の力にできると、僕は思う。

  • 朝日新聞の天声人語欄を長年担当した著者による、文章の書き方本。
    堅苦しいタイトルですが、内容はわかりやすく、すいすいと読んでいけました。

    さまざまな作家たちの文章論を紹介しながら、良い文章についての定義や描き方など、文章のみがき方をやさしく説いていきます。
    漱石、荷風、三島、向田邦子、村上春樹、瀬戸内寂聴、ばなな、江國香織、レイチェル・カーソンなどの文章が掲載され、その出典情報が記載されているのが親切です。

    「正直に飾り気なく」「単純・簡潔に」「具体性を大切にして」書くこと、「紋切り型を避け」「外来語の乱用を避け」「流れを大切にして」推敲すること、などが章ごとにまとめられているため、目次を読むだけでステップがわかるようになっています。

    ビギナー目線で、一般読者に歩調を合わせ、文章を書く方法について教えてくれているため、肩肘張らず、難しさに投げ出すこともなく、興味を持って最後まで集中力を切らさずに読み通せる本となっています。
    やはりそれは、この著者の長年の努力とキャリアによる文章力ならではだろうと思いました。

    全編を通じて、刺激的、つまりは攻撃的な批判めいた言葉は一切ないため、心理的に煽られることもなく、落ち着いて読める一冊です。

  • 文章をどうしたら磨くことができるかは
    「渾身の力でとりくむ」という言葉に集約されます。

    そのために毎日書く、書き抜く、読む。
    わかりやすく書く、自分の言葉で書く。推敲する、削る。

    文章を書くときに注意したい点がまとめてありました。
    これから自分が何かをヒトに伝えようとするときに注意したいと思います。

    分かりやすく説明するときに、長すぎてはいけない。
    正確さを極めるあまりに、内容を盛り込みすぎてはいけない
    バランスが難しいと思うが、毎日書くという修行を積むことで
    自分なりのバランスを見つけることが大切なのかなと感じました。

    本気で渾身の力で取り組んだものは
    何かを伝えることができるのだと信じて文章を書きたいと思います。

  • 著者が書き付けた「名文」を独自の切り口にてまとめた本。著者厳選の名文をたくさん読めることが単純に面白いし、その名分に対する解説文章を読むのがまた楽しい。
    無性に文章を書きたくなるし、文章を読みたくなる本。文章好きの人は一読して損なしの本ですね。

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