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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004311201
みんなの感想まとめ
独自の国民総幸福(GNH)指標を掲げるブータンの魅力を、著者の経験を通じて深く掘り下げた一冊です。ブータンの歴史や文化、特にそこに生きる人々の姿が、真面目で学者らしい筆致で描かれています。著者が国立図...
感想・レビュー・書評
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チベット研究者であり、外国人皆無の半鎖国時代にブータン国立図書館に勤務された筆者が、ブータンの歴史、政治、文化、人民などについて自身の経験をベースに綴っている。
ブータン王国と言えば、国民総幸福(GNH)という独自指標を導入し、経済発展以外での国民の満足度向上を志向しているという程度の知識しか持っていませんでしたが、手つかずの自然といい、チベット仏教信仰に基づく生活様式や思想といい、近代化された他の国々とは一線を画す大変興味深い秘境ですね。
現地の人々の生活は、現代日本社会から見ると、ひたすらに穏やかに映ります。私個人も途上国に長期滞在した経験があるのですが、どこか懐かしく共感するところがありました。
著者が図書館の利便性向上のためにチベット経典資料の拡充や蔵書目録の作成などを目論見ますが、ブータンらしい理由のために容易に進まないエピソードには、なるほど一理あると思わされます。
そんなブータンも徐々に近代化が進んでいるようですが、GNHがどのようになっていくのか興味津々です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブータンの本は何冊も読んだが、これが一番面白かった。ぼくはブータンの歴史や風俗より、なによりブータンのひとに興味があったので。真面目で学者らしい書き口のこの本が、ブータンの「人」をよく伝えるのは不思議な気がする。学僧ロポン・ペマラのエピソードは映画になりそうで、電車の中でニタニタしてしまった。4代目ワンチュック王は世紀の名君と言えるだろう。こういう指導者を持ちたいものだと思ったが、こういうひとはおそらく政治家は目指さないし、目指したとしても頂点には立てないのではないかと思った。王制が奇跡をもたらした稀有な例なのかも。
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驚嘆する。他のブータンについての本も読んでいきたい。本書を開く前はほとんど関心無かったのに!
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GNH=国民総幸福
この概念で世界から注目されるブータン。
この概念は早くも1976年には謳われたらしい。
本書の6割くらいは、著者がブータンでの10年の生活で感じた
ブータンの人々の気質、生活の雰囲気についての記述。
興味深かったGNHについては最後の方に出てくる。
読む前の期待感では、
ブータンはGNHについて、どんな知恵を使って国の制度に
落とし込んでいるのだろう、というものがあった。
本文の記述によると、そういう制度的なものではなく、
ブータン国王もこう述べているらしい。
「『幸福感』とは非常に主観的なもので、個人差があるため、
国の方針とはなりえない。
正確に言うなら、国民一人ひとりの『充足』である。
充足感を持てることが人間にとって最も大切である」
つまり、具体的な手法で国全体の進捗を評価するGDP
のような明確な体系はもたない。
本書ではより推し進めて、その方針とは
以下のような問いを発し続けることだ、と述べている。
(あらゆる行為、活動に際して)
「それがあなたが人間的であることに対して
どういう関係があるか?(寄与するか?)」
感想として、
GNHという制度があることへの期待感が
いい形で裏切られたことが、興味深かった。
科学技術や経済原理は、
いうなれば誰しもに通じる共通言語だ、
と思っていてそれは正しいと今でも思うが、
唯一のものではないということに気付かされた。
他に面白いのは、
ブータン通産省の会議において、国外への
輸出品目を検討した際、
ある官僚から
「ブータンが誇る”良質の時間”はどうか」
という提案があったということ。
言葉尻だけからの厳密性は保留しておいて、
こういう発想が出てくることは非常に面白い。
また、水源涵養林としての森林の意義を
「電力施設としての森林」と早期に捉え、
国の7割が失われる前にその価値を明確化したところは、
先走って失敗した先進国に学んだ賢い例である。
また、
近年近代化が進みつつあるブータンの、
途中をすっ飛ばして一気に携帯電話普及、とか、
衛星電話普及、とかいう潔さには、
賢明さを感じます。 -
筆者に文章力があり、読みやすくすっと頭に入ってくる。
旅行記よりも踏み込んでおり、得られるものが多い。
ブータン初心者が読むにはうってつけである。
が、やはり分析とまではいかないので、その辺りはまた新たに書を探してみます。 -
ブータンは外国人を受け入れなかった。隣国のネパールはヒッピーのたまり場と化したほど自由放任観光政策をとって観光公害が起きたがブータンはそうでない。
英語が公用語。
チベット仏教の国だが、信仰の自由はある。 -
GNPでもGDPでもなく、GNH(Gross National Happiness)つまり「国民総幸福」を提唱したことで話題になったブータン。興味深い国です。
王妃の言葉を引用、「きわめてわかりやすくいえば、GNHの立脚点は、人間は物質的な富だけでは幸福になれず、充足感も満足感も抱けない、そして経済的発展および近代化は人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない、という信念です。」
色々考えさせられます。 -
国力を示すものが一般的に言われるGDPではなく
『GNH(Gross National Happiness)』
『国民総幸福』を提唱する国のブータン
非常に考えさせられる国だと思います。
また国ということでなく、友達や仲間に対してどう思い、接していくことが大切なのかということも学べる一冊だと思います☆ -
「国民総幸福(GNH = Gross National Happiness)」という理念を掲げるユニークな仏教国ブータンについて、チベット仏教研究者が自らの滞在経験をもとに綴ったもの。
ブータンがこうしたユニークな政策を打ち出せる背景としては、人口が60万程度の小国であることと、何よりも仏教信仰が人々の日常生活に深く根付いていることが挙げられる。よって、現代日本に於いてブータンと同様の政策をそのまま実現させることは、不可能でありナンセンスであろう。
しかし、世界中が経済成長という強迫観念に取り憑かれて「国内総生産(GDP)」の増加を至上命題とする経済至上主義が猖獗を極める現代の状況に多くの人間が息苦しさ=生き苦しさを覚える昨今、そうしたイデオロギー(具体的には新自由主義イデオロギー)とは別のヨリ人間的な価値を志向する社会/国家/世界のデザインを考え出さねばならない時期ではないだろうか。
僕を含め殆どの人間は、別に何十億ドルもの資産を所有したいなどと思っているわけではない。ただただ、自分の能力に応じて仕事をしつつ、生きていることの意味を味える、人間として真当な、ささやかな生活を欲しているだけなのだ。そんな市井の人間の慎ましい望みを叶えるのが政治の使命ではないのか。しかし近年の日本では、財界の利益――それも巨万の利益――追求の為に、持たざる者の生がその全体を以て犠牲に供されてきた。非人間的な生存競争と無謀なギャンブルを強要され、日常の安息が悉く奪われていった。日々を真当に生きている人間に生存の恐怖を強いる社会は、正義に適っていない。
著者も述べているヒューマニズム――これは決して大仰な"思想"などではなくて、一人一人の日々の生活に根ざした真当な人間らしさを当たり前に求める、という意味でのヒューマニズム――、これを指針にしていかねばならないのではないか。
本としてはブータン賛美がやや鼻につく。かの国の犯罪状況・刑事制度・軍事制度・税制についても知りたかった。 -
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ちょっとしたきっかけでブータンに興味を持っていたのでこの本を読んでみることにしました
皆さんはブータンという国を知っていますか??
今チベットの問題が大きく新聞やテレビで取り上げられていますが、ブータンはそのあたりにある国です
経済発展よりも自分たちのペースで技術やモノを取り入れている彼らは本当にマイペースな人々だと思います
日本という国は戦後どんどん発展し、暮らしは豊かになってきました
その一方でブータンのように自分たちのペースで生活をし、経済発展などは二の次だ位に考えている国もあることをぜひ知ってください -
題名の通り、今枝さんはブータンの虜になってます。
読んでるこっちも虜になりそう笑
もちろんブータンのように昔ながらの伝統が残っていて、日本が近代化する中で失ってきたような心の余裕とか優しさというものがブータンには残っているっていうのは、裏返していえば開発されてない、近代化から取り残されているともいえる。
実際若者たちはメディアなどを通じて先進国への憧れを持ち、西洋化への道を歩み出してもいるし。
いいとこずくめとはいえないと思う。生活もやっぱり不便やと思うし。
でも、それでも国王の政策には目を見張るものがあると思う。
資本主義の流れにのって、国を開発して観光地にすることもできるやろう。今は開放してない伝統的なお寺や山なども、外貨収入の手だてになると思う。
でも、信仰心の強いブータン人には、お寺や山(神?仏?が宿っていると信じられている)が仏教徒でもない観光客に汚されることをよしとしない。
だから、国王の政策で禁止にした。
本の中でも引き合いに出されているけど、お寺とかを売り物にしてる京都に住んでて、しかも観光客が集うような有名なお寺がたくさんあることを誇りにも思っている私にはない考え方だった。
貧しいけれど医療・教育は無料。
こういう政策って、先進国よりも途上国に多い気がする。中南米にもそういう国が多いと思う。
そういうことを考えると、やっぱり何が”先進”で何が”途上”なのかわからない。
儲かるか儲からないかじゃなくて、やっぱり国民の命、最低限の生活水準や充足度を保障する。そこに国家の目標があるのが理想なんちゃうかなぁ。
ブータンの政治についてももう少し勉強して日本やアメリカ、そして北欧などとの政治や体制と比較してみたいと思います。 -
ほぼ鎖国状態の‘近代化’に遅れた貧乏国で、インドと中国という大国にはさまれた小さな立憲君主制の国(2008年から国王の命令で立憲君主制のもとでの議会制民主主義に移行)が、第4代元国王のGNH(国民総幸福)という方針で注目され、「世界幸福地図」の第8位にランクインしている。同じく貧しい鎖国家の北朝鮮がGNM(国民総不幸)で注目されているのと大違いなのはどうしてだろうと、ブータンと北朝鮮の基本的な条件の違いを気にしつつ読んだ。●森林が多く、国土の8%しか耕作地がないけれど、国民の80%が農業に従事し、食料はほぼ自給自足できていままで飢饉も無かった。●1度も外国の植民地になったことがない。ご近所がロシアではなくインド。●伝統的に母系性社会で女性が経済基盤を相続する場合が多く、またもともと結婚のための法的制度がない(今はある)。●第5代国王に譲位しながら国王の権力を縮小し議会制民主主義への移行を断行した第4代国王は質素な人で、国王の車はトヨタのランドクルーザーであった。国賓用のロールスロイスも処分。形式ばらない、気配り上手な人柄らしい。●仏教国。100年前に王制になる前は仏権国家。普通の人には見えないものが見えるという人が多いらしい。●もともと他民族多言語国家だった。など、同じ貧乏でもずいぶん違うということが分かる。たぶんこの中で一番決定的なのは食べ物だろう。10年間もブータン国立図書館顧問として首都ティンプに滞在したという著者による本で、平易だけれど深みのある文章で、ブータンの人たちのよいところがよく分かる面白い本だった。
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日本人としても女性としても初の世界銀行副総裁に就任した西水美恵子氏は、著書「国をつくるという仕事」で、担当した南アジア地区のリーダーたちを論評しています。そのなかで、理想的人物として描かれているのが、ブータン国・雷龍王四世(当時)。
国民と同じ質素な生活をし、GNPではなくGNHを考案。権力を放棄して王政から民主制へ移行。国境紛争で戦闘となる際には兵士を率いてやむなく応戦するも、「相手にもこちらと同様に愛しい人がいる」と殺生を慎ませ、不幸にして亡くなった兵士の家には王自ら弔問。
昭和天皇の大喪の礼で来日した際、経済大国だった日本に援助を求めて居残る国が多いなか、雷龍王は一切の「葬儀外交」を行わず、大喪の礼のみを行って帰国。記者がその理由を尋ねると、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金の無心に来たのではありません」と答え、颯爽と機上の人となったのは有名な話です。
本書はブータンの生活風景と雷龍王四世の退任時について書かれています。小国のため軍事支援をインドに頼らざるを得ず、不平等な条約や慣行が古くからあったなか、「対等」なパートナーに引き上げることを在位中の目標とし、時間をかけて少しずつ実行。これが実ったことから「役目は終わった」と退任を決意されたとあります(王位継承した雷龍王五世は新婚旅行で来日)。米国依存の某国にあって、ブータンの清々しい生き様は参考になるのではと思えた一冊です。 -
ブータンを知るための入門書として最適です。ブータンの社会、文化、歴史、経済、風習、国民性などが広く書かれているので、この本を読むだけでブータンを少し語れるようになります。
1.この本をひと言でまとめると
ブータンの暮らしと魅力をありのままに描いた本
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・仕事は人生の半分(p89)
→一度そのような低ストレスな生活をしてみたい。
・ブータンの女性たち(p99)
→女性のほうが立場が上な国もあるのかと驚き。
・水力発電による収入は国家歳入の四割を占めている・・・しかも現在全発電量のうち国内で消費されるのは15%に過ぎず、のこりの85%はインドに輸出されている・・・環境保護と経済発展が補完関係にある(p134)
→水力発電が主要産業とは知らず以外だった。国内消費量が少ないのもブータンらしいと感じた。環境保護と経済発展が補完関係にあるというのは理想的。環境保護は何かしらの経済的利益につながらないとなかなか進まないと思っている。
・国会側の発議で、国王不信任案条項が廃止され(p138)
→国民側が非民主化を望むのが驚き。よほど国王を信頼していたのか。
・1998年の政治改革(p139)
→国王の立派さ、先見の明、人格者の様子がよくわかる。
・国王が国民義勇隊の一人として加わった王子一人を伴って陣頭指揮にでかけた(p149)
→かっこいい。まさにリーダーシップ。このあたりが国民に慕われる所以かと思った。
3.突っ込みどころ
・著者は元々それほどブータンに思い入れはなかったと書いていたが、本当?かなり「ブータン愛」が感じられます。
・GNHについて、「生き方の構え」と言っている以上、哲学的なものになるのではないか?
4.自分語り
・一番気になっていた「国民総幸福」GNHは、ヒント的なことがかかれていた。
抽象的な哲学理念、経済概念ではなく、日常生活に即した実際的なあり方である(p163)
経済発展および近代化は人々の生活の質および伝統価値を犠牲にするものであってはならない(p164)
「経済発展は、人間が幸福であることとなんの関係があるのか」(p169)
でもやはりピンとこない。この問いかけに対してこたえるのは今の日本人にはできるのだろうか。
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実はあまり期待していなかった一冊。
ブータンの風俗、歴史、文化についてもコンパクトにまとめられています。
しかし、ブータンにおけるIT革命がMacによって行われていたとは... -
ブータン国立図書館顧問として赴任した著者によるブータンの歴史とその魅力。第4代国王から現在の第5代国王に政権が移り変わる時期を振り返りつつブータンの発展を細かに解説している。
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香ばしい。
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