テレワーク―「未来型労働」の現実 (岩波新書)

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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311331

作品紹介・あらすじ

自宅のパソコンを使ったり、出先でモバイル機器を利用しながら、オフィス以外の場所で仕事をする-テレワークとはそうした「柔軟な」働き方をいう。はたしてこれは仕事と生活を調和させた「夢の未来型労働」なのか。それとも働き手の私生活に食い込んでくる歯止めのない労働の安売りなのか。データを駆使して検証するその実像と問題点。

感想・レビュー・書評

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  • 情報通信機器を活用しながら、
    従来のオフィス以外で働く情報加工の仕事として、
    「テレワーカー」をとらえると、
    大別して4タイプに分けられる。

     1.在宅勤務型(従業員)
     2.モバイルワーク型(直行直帰)
     3.在宅ワーク型(個人・請負契約)
     4.SOHO型(法人・自宅がオフィス)

    国策によって印象づけられた感のある、
    この「柔軟な」働き方の仕事と生活の現実を、
    データから検証している。
    [more]
    統計、実地インタビュー、論考、
    をバランスよく配置した構成は、
    新書のお手本のよう。
    [more]

    【目次】
    1.テレワークは新しい働き方か
     テレワークという夢
     政府による多彩な振興施策
    2.在宅勤務とワークライフバランス
     「在宅勤務」という選択
     ホワイトカラーと在宅勤務
     在宅勤務はなぜ、広がらないのか
    3.モバイルワークとオフィス革命
     企業にとってのモバイルワーク
     モバイルワーカーの仕事と生活
     モバイルワーカーは第三空間で働いているか
    4.テレワークという名の自宅残業
     自宅残業は労働時間なのか―――ある裁判から
     自宅残業と在宅勤務
    5.在宅ワーク―――家事・育児と仕事を両立させる切り札か
     調査データが語る「在宅ワーク」
     誰が在宅ワーカーになるのか
     「電脳内職」化の構造
     脱電脳内職をめざして―――在宅ワーカー・ネットワークの試み
     家事労働と在宅ワーク
    6.労働が見えなくなるということ
     テレワークのかたちを決めるものは
     不可視化する労働のあやうさ
     よりよいテレワークは可能か
    おわりに 「新しい技術」が生み出す「新しい社会問題」

  • フォトリーディング&高速リーディング。

  • 書籍としては発行から時間が経っているけれど、テレワークの現状についておおかた今と変わっていないかなと思いました。勉強になりました。

  • テレワーク反対派の意見。
    いつでもどこでも仕事ができる、が、いつでもどこでも仕事をしなければならない、につながりひいては、労働力の安売りや過労につながるという内容。
    明日の仕事をラクにするために、深夜メールをチェックするのは、本当に自由な働き方なのか?テレワークを求める側も自由について誤解しているという指摘は鋭いと思った。

  • 最終章前までは、各種データとテレワーク実務者の実話。データ解説の方が多く、文章のまま読むのはちょっと骨が折れる。だが、それらをまとめて問題点を分析する最終章はとても参考になった。

    テレワーク(モバイル環境)の整備は良い面だけが取り上げられがちだが、家で作業できてしまうが故に、”自主的なサービス残業の増加”などの問題も抱えている。自分もテレワーク環境を持っているため、こうした問題点を認識させてもらえ、良い収穫だった。

  • テレワークという言葉は安倍前首相がさかんに使った外国語の1つでした。いかにも夢をばら撒くような言葉でありながら、その過酷な労働の実態を詳細な調査のものに暴いていく本です。一体誰のためのテレワークなのか?疑問を感じざるを得ないのは、私たち自身も「電脳残業」を強いられることになることからよく分かります。そして、テレワーク勤務、テレワーク労働、モバイル労働と概念を使い分けていますが、確立したものかどうかを別として、確かに「電脳内職」の過酷な実態とエリートの自宅での勤務が可能になっていることの区分は重要です。モバイル労働は私自身も便利さを感じますが、それは仕事中毒症状なのかも知れないと反省です。最終章に出てくる「誤解した自由さ」「強制された選択」などのキーワードの的確さは苦笑いでした。

  • [ 内容 ]
    自宅のパソコンを使ったり、出先でモバイル機器を利用しながら、オフィス以外の場所で仕事をする―テレワークとはそうした「柔軟な」働き方をいう。
    はたしてこれは仕事と生活を調和させた「夢の未来型労働」なのか。
    それとも働き手の私生活に食い込んでくる歯止めのない労働の安売りなのか。
    データを駆使して検証するその実像と問題点。

    [ 目次 ]
    第1章 テレワークは新しい働き方か
    第2章 在宅勤務とワークライフバランス
    第3章 モバイルワークとオフィス革命
    第4章 テレワークという名の自宅残業
    第5章 在宅ワーク―家事・育児と仕事を両立させる切り札か
    第6章 労働が見えなくなるということ

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2011/03/31 法務マンブログで知る

  • 総務省、厚労省等、国を挙げて推奨する未来型ワークであるテレワークの実情に迫る本。正規社員の在宅勤務型が部分型の在宅勤務であること、テレワーク浸透前から存在するモバイルワークと在宅ワークの詳細レポが中心。<br />面白いのは、著者の分析でテレワークの内在環境分析として、在宅勤務者の勤務状況が見えない不可視性と勤務時間に縛られない自己裁量の部分をどうマネジメントするかという部分。やはり考えていた通り、オフィスでの労働環境と違い、見えていない部分をどう評価するかが在宅勤務が広がる上で重要なポイントだと感じた。同時に、外在環境分析でも挙げられた正規・非正規の労働差別という問題もクリアしていかないと日本の労働市場の未来は非常に暗いといわざるを得ないかもしれない。

  • 図書館で借りた。

    IT機器を使って在宅で仕事をする、IT機器を使って移動中や職場以外でも仕事をするなど定義の曖昧なテレワークというものの実態を探っている。

    営業所をなくして営業活動をしているMRの生活スケジュールや、高度な専門性を必要とする機関誌の編集を在宅でやっている人の1日の時間の使い方が載っていてイメージしやすかった。
    内職としての在宅ワークもあり上記のものとの賃金差がひどかった。

    会社としては時間管理をしなければならないけど、労働の実態が在宅では見えづらいことが問題になっているように思った。
    どこでも仕事ができてしまうことは、気が休まらないのではないかと思う。
    自営でやる分にはいいかもしれないが、雇われで在宅にすると現状では面倒が増える気がする。

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著者プロフィール

1957年生まれ。甲南大学大学院人文科学研究科応用社会学専攻博士後期課程退学、博士(社会学)。大手前大学准教授、龍谷大学准教授などを経て、2010年より龍谷大学社会学部教授。専攻は都市社会学・情報社会論。主な著書:『テレワークの社会学的研究』(2006年、御茶の水書房)、『テレワーク―「未来型労働」の現実―』(2008年、岩波新書)、『ヴィレッジフォン―グラミン銀行によるマイクロファイナンス事業と途上国開発―』(共著、2010年、御茶の水書房)

「2014年 『バングラデシュの船舶リサイクル産業と都市貧困層の形成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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