紫禁城―清朝の歴史を歩く (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311416

作品紹介・あらすじ

午門から太和殿へと連なる壮大な権力装置としての宮殿群、皇帝の執務や生活の場であった乾清宮や養心殿、后妃の生活した東西十二宮…華麗な色彩にいろどられた宮殿群を現代の参観コース順にたどりながら、黄金色に輝く屋根の下に秘められた栄光と悲惨の歴史を解き明かす。まったく新しい発想にもとづいた故宮ガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 紫禁城の各宮各殿を具に辿っていくことでこれほど手際よく清朝中国史を概観できるものなのか。文体は簡潔で歯切れよくとても読みやすい。
    中心となるのは紫禁城を「征服した」と著者が語り増改築が繰り返された西太后の時代。その前にドルゴンから道光帝に至る隆盛期の清がコンパクトに語られ、晩清に繋がる流れが明瞭になった。清朝と紫禁城のダイナミックな歴史を眺めた後だと、溥儀の紫禁城追放はいかにも侘しく映る。
    北京故宮訪問はまだ叶わないでいるけれど、どれだけ本を読んでも、実際に訪れてあちこち見て回っても、この宮城の全貌をつかむことなんてできないのだろう。本を読んでますます行きたくはなっても、何一つわかった気がしない。

  • 場所と事跡を経巡る趣向。図書館本。56

  • 古本で購入。

    明末期の李自成の乱に乗じた清軍による北京入城から廃帝溥儀の退去まで、そしてその後の故宮博物院の開館を描く。
    視覚化された権威そのものであり、その内部に複雑なヒエラルキーの構造を内包した紫禁城を、ひとつの「主役」としているところが特徴と言えるかもしれない。
    朝廷に仕える女官(宮女)や宦官(太監)の制度や日常業務に触れられているのも、なかなかおもしろい。

    基本的にはすっきりとした清史概説になっているが、所々に不親切な点もあって困ることも。
    たとえば西太后が表舞台へ登場するくだり。
    宮女選考試験「選秀女」に応募した葉赫那拉(エホナラ)氏こそ後の西太后なのだが、この後、帝位継承に絡むところで唐突に
    「今や皇太后に昇格した載淳の生母・懿貴妃と~」
    という文が出てくる。
    葉赫那拉氏(西太后)=懿貴妃という繋がりがそれまでに全然出てこないので、やや面食らってしまうのだ。

    筆者の引用する、1921年(大正)に中国を旅した芥川龍之介が『支那游記』で紫禁城について記した文が印象的。
    「紫禁城。こは夢魔のみ。夜天よりも厖大なる夢魔のみ」

    大宮殿が抱える光と闇の強烈なコントラスト、とそこに蠢く人間に興味がある人にはオススメできる1冊。
    でも清史の概説だったら、同じく「紫禁城」をタイトルに冠した『紫禁城史話』(中公新書)の方がいいかも。

  • 「紫禁城」をキーワードに清朝を読み解く。

  • 紫禁城に行ってみたいのですが、当面中国に行く予定がありません。
    しかし、春に台湾へ行く予定なので、故宮博物館で清朝の雰囲気だけでも味わいたいです。

  • [ 内容 ]
    午門から太和殿へと連なる壮大な権力装置としての宮殿群、皇帝の執務や生活の場であった乾清宮や養心殿、后妃の生活した東西十二宮…華麗な色彩にいろどられた宮殿群を現代の参観コース順にたどりながら、黄金色に輝く屋根の下に秘められた栄光と悲惨の歴史を解き明かす。
    まったく新しい発想にもとづいた故宮ガイド。

    [ 目次 ]
    序章 視覚化される権威
    第1章 清朝の登場―順治帝・康煕帝
    第2章 隆盛期へ―雍正帝・乾隆帝
    第3章 内廷と外廷の接点―嘉慶帝・道光帝
    第4章 「女帝」誕生の道―咸豊帝・同治帝・光緒帝
    第5章 後宮という名の秘境―西太后・東太后
    第6章 豪華絢爛な私的空間―乾隆上帝・西太后
    第7章 黄昏の紫禁城―宣統帝溥儀
    終章 地上の天宮から人民の博物院へ

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 中国に行ってみたいです。

  • たまたま北京に行くことがあって見学したので、無性にこの宮殿のことが知りたくなりまず読んでみた。
    清朝と紫禁城の歴史の概略がとてもよくわかります。

    [10.1.7]

  • ほどよくドライでほどよくドラマチック。わかりやすく、かつ面白い。
    中国の皇帝についてもっと読みたくなる。
    皇帝の妃が髪を切ったり自傷したりするのは最大の反逆行為とか、「あなたは午門を通ってきた皇后なのだから」とか、ほんと気になる。

    「紫禁城の大屋根は依然として黄金に輝いている。しかし太陽はすでに西に傾きつつあった。
     太上皇帝となって二年目の晩秋、天はこの宮廷造営熱に憑かれた皇帝に最後の課題を与えたのであろうか。乾清宮と交秦殿が火災によって焼失した。」

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