子どもが育つ条件―家族心理学から考える (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 255
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311423

作品紹介・あらすじ

自己肯定感の低下、コミュニケーション不全の高まりなど、子どもの「育ち」をめぐって、様々な"異変"が起きている。一方、子育てのストレスから、虐待や育児放棄に走る親も目立つ。こうした問題の要因を、家族関係の変化や、親と子の心理の変化に注目して読み解き、親と子ども双方が育ちあえる社会の有り様を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 心に残ったことば
    ・おとなになったあとも、人の心や行動は、様々な体験を通して成長・発達し、さらにそうした日々の成長が人を活性化させ、充実感や幸福感をもたらすことが実証的に明らかにされてきた。(225p)
    ・(ひきこもりや不登校)は表面的には社会からの逃避や退行の現象ですが、一方では未成熟な自我を再生させる「さなぎ」の敷きであるともいえます。(67p)
    ・一般の対人関係では、自分が集団や相手に貢献することと、集団や相手から自分が得ることとのバランスがとれていることが大事です。これが崩れると、人はその集団や相手から離れていく傾向があります。これは社会的交換という理論で説明されています。・・・(こうした関係は)家族内でも働くようになっているのです。(140,141p)
    ・赤ちゃんの視覚が、実は敏感で正確であり、しかも積極的なものであることが明らかとなっている。(151p)
    ・聴覚も同様。・・・とりわけ人の声に格別の関心を示します。そして自分の興味に応えてくれる人が大好きです。(152p)
    ・乳児でさえ個性や気質をもっている。(157p)
    ・子どもに重要なのは応答的な人と環境。(157p)

  • 2008年08月25日 08:55

    家族心理学という学問の分野があることを知りませんでしたが 
    なかなか良い分析をされていて読み応えがありました 

    単に「育児書」としての視点だけでなく、結論としてワークライフバランスの重要性にまで論理的に展開し、説得力がありました 

    いくつか心にとまったポイントを列挙 

    育児不安を抱えている母親は多いが、 
    これは日本に顕著に見られる傾向で、 
    有職女性よりも無職女性(つまり専業主婦)に多いということ 

    日本では働きすぎの問題があり、男性が育児に参画しないことが通常となっているが 
    このため社会で子どもを育てるという構図にゆがみが生じている 

    少子化によりひとりの子どもに目が行き届くようになったため、親が常に子どもが失敗しないように気をつけてレールを引いてあげる「先回り育児」になってしまい、その結果引きこもりや不登校をもたらす原因となっている 

    子どもは生まれながらにして自ら学び、自ら育つ力を持っているので、親が「育てる」なんていうのは一種のおごりである 
    自分の力が発揮できたときに喜びを感じるのであって、親の先回りによってその喜びが殺がれていることが多い 

    ワークライフバランスの推進が叫ばれている背景には単に働きすぎを解消するという目的だけでなく、「子どもと共に親も育つ」社会にしていかなくては、現在の教育問題は家庭の問題というのは一朝一夕には解決しないからで、男性が家庭や育児に深く関わることは今後の日本社会にとっては不可欠である 

  • 今まで読んだ育児に関する本の中ではベスト!即効性のあるハウツー本とは違うけど、学術書ともいえる内容で、統計やら研究資料に基づいているので、納得させられる。
    子育てをする母親の心理が痛いほどよくわかった。すべての父親に読んでほしい内容です。
    特に、
    母親が仕事をすること
    育児は母親の手だけでは足りないこと
    子どもが家事をすること
    父親と母親の話が合わない原因
    などの記載は何度も頷いた。
    著者の本をもっともっと読みたい。

  • ふむふむと思う記述が多いけど,それは私が体験を通してその通りと思っているからであって,そのような体験なく読むと説教くさく感じるんじゃないかなと思った。
    M字のボトムが上がっている理由についての認識不足に反省。

  • 367.3

  • HUMICでの請求記号「岩波新書/1142」

  • 3

  • 「おとなが育つ条件」とセットで読むとおもしろい。

    ・自分なりに他者のために働く体験をさせる(お手伝い)
    ・食事を共にする
    ・男女共同の育児参加
    ・夫婦間のコミュニケーションを十全に
    ・過剰な教育投資は子どもを歪める 量より質を
    ・先回りで、よかれと思って、発達を阻まない
    ・子どもの問いに応答する姿勢を

    「子育て」ではなく「子育ち」をという発想の転換にうなづくこと多し。子どもを親任せでなく社会全体で育てるという空気、ワークライフバランスの確立。かねてから推奨されてきたことだが、実現への道のりは遠い。

    保育士や教師、子どもの教育に関わる人の地位があまり軽視されすぎている世の中で、親のあり方だけを問うだけではすまないだろう。

  • 子育てにおいて、親の関わり方がいかに大事か、子どもが育つためには大人も育たなければいけないかがよくわかりました。

  • 子育てに正解はないけれど、情報として育児書を読むときがある。
    子供を持つ親の分析が細かくなされており、うなずけるところところも多かった。
    もう少し先かもしれないけど、不登校や引きこもり、先回り育児先行の中、何をすべきがとても参考になった一冊。二人目は、早期に保育園や母親以外の集団を経験させたいなー(働きたいだけ?)

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