子どもへの性的虐待 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 144
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311553

作品紹介・あらすじ

子どもをめぐる悲惨な事件の報道が跡を絶たない。いったい、この種の事件の背景に何があるのか。本書では、実態を把握し、抱かれがちな誤解を解き、なぜ適切な介入が困難なのか、解決のためにどうすればいいのかを考察していく。制度改革への緊急提言をも盛り込みつつ、あらゆるいのちに力強いエールを送る「心の救急箱」。

感想・レビュー・書評

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  • 読後は重苦しくなるが、分かりやすい良書だと思う。猥褻、いたずら、小児性愛と曖昧な言葉はあるが、それは児童虐待である。子ども相手に、全く知らない人が犯罪を犯すように感じる人もいるかもしれないが、近親者など身近な人が加害者である場合が多い。日本は虐待、特に性的な事に関し、寛容な法制度だと思う。許す許さないという道徳感情はあるにせよ、やはり法制度でしかないと思う。加害者が親であっても、子を早い段階で救い出せる制度を整え、ヒトの子であれ見守る大人達が正しい知識を身につけ、子供を守っていきたいと真に願う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それは児童虐待である。」
      山岸凉子のマンガで、相手に対して優位に立つコトで成り立つ。と知って、卑怯な大人に嫌悪感が、、、
      「それは児童虐待である。」
      山岸凉子のマンガで、相手に対して優位に立つコトで成り立つ。と知って、卑怯な大人に嫌悪感が、、、
      2014/04/22
  • 経験をシェアして下さった方、ありがとうございまいした。

  • 小説家、ヴァージニア・ウルフの紹介が印象的だった。
    『オーランドー』『灯台へ』『ダロウェイ夫人』

  • 少し古い本なので、現在はこの本に書かれているような提案が実行されているのかどうかが知りたくなった。「『性愛』ではなく『暴力』」という見出しが印象的だった。もし、身近で相談を受けたらと想像したときに、感情的になってダメな対応例やっちゃいそうで怖い。もしもの時のために対話の技法は頭に入れたい。

  • 性的虐待について、本はたくさん出ているけど、ルポ形式のものがおおい中で、データに基づいて、あるいは先行研究から現状とこれからについて語られている、とてもよい本。

    性的虐待は二の足を踏んで踏み込みにくい領域であるのは間違いなく、そこに冷静にメスを入れて、対処していくことが望まれるデリケートな分野。
    自身も能力を発揮できるように、勉強を進めていきたいと共に、司法面接等、専門的な技量についても学んでいきたいと思う。

  • 日本でも子どもへの性的虐待が膨大な数で起きていることがわかってきた。事実認知と介入を困難にする特殊性。

    被害がもたらす社会にとっての損失の大きさに愕然とします。

  • 心の応急手当ての具体的な方法は聴くこと。聞くのでもなく尋ねるのでもなく。相手の十四の心を聴く。共感的傾聴。 27

    小児性愛者ではなく小児性虐待者
    性的いたずらではなく性的暴行
    近親相姦ではなく近親姦
    49

  • 性的虐待の入門として最適。

    個人的にはケース検討が読みたかった。

    最終章の心理治療は、賛否あると思う。

  • つい10年前まで「性的虐待なんて海外の話」と考えていた人は多かったのではないかと思います。其れを考えると,このような本が出たことは頼もしく感じると同時に,このような本が必要とされる社会というものを憂えずにはいられません。本書は,子どもに対してなされる性的虐待について,その現状と提言とを訴えている本です。その記述には,著者の子どもを守ろうとする決意と現状への怒りとが,これでもか,というほど込められています。この「怒り」は,時に冷静な議論を曇らせてしまうのではないかという危うさを感じさせはしましたが,その一方で,このような悲劇を許さないという思いを,読者が共有するには充分な効果を持っているように感じました。
    本書の内容は性的虐待の基礎知識から始まり,発生要因や加害者の心理,性虐待に対応するための政策的な提言まで,実に幅広く網羅されています。しかしそれだけでなく,子どもから子どもへの性加害,児童福祉施設内部で起きている性虐待,そして男児への性虐待など,これまで世論の光の当たらなかったテーマまでも扱っているのは驚かされました。残念なことに,これらは実際にこの日本で起こっている現実です。そのことを私たちはもっと真剣に扱わないといけないのでしょう。では,性虐待を受けている「かもしれない」子どもに出会ったとき,大人には何ができるのか。著者は,「子どもの話を聞く技法」という,子どもたちを守るためにとても大切なステップについて一章を割き,丁寧に解説しています。これは,心理学のスキルを身につけていなくてもできるアプローチであり,子どもを保護する社会の一員として,ぜひとも身につけておきたいスキルだと思います。
    翻って,私たち心理学を学んだ者は何をすべきなのか。9章で述べられる性的虐待の歴史を読むと,様々なことを考えさせられました。心理療法や精神医学の一翼を担ってきた精神分析理論は,「性虐待」の事例から出発したにもかかわらずその存在を否定し,「女性や女子が父親から犯されたいという無意識的幻想を持っている」と捉えてしまった歴史を抱えています。著者はこの過ちを,フロイトの代表的事例「アンナ・O」のその後の人生を交えて語り,「性的虐待の隠蔽の歴史を100年は延長させた」と糾弾します。心理臨床家はこの告発を真摯に受け止めなければならないでしょう。

    (2009年入手・2011年11月読了)

  • 内容が濃すぎて、しばらくレビューをかけませんでした。
    それぐらいの力作。

    詳細は本書に譲りたいと思うが、忘れてはいけない点をいくつか抜き書きしておく。

    ・性的虐待順応症候群
    ・子どもの小さな抵抗が性虐待を防ぐ
    ・「小児性愛」という言葉の危うさ
    ・男子への性的虐待
    ・涙は心を洗う
    ・被虐待児への対話の技法(支え、希望、リファー)と安易な約束はしないこと

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著者プロフィール

米国と日本で、ダイバーシティ人権啓発、子ども・女性への虐待防止専門職の養成に35年携わる。その間、7年間はカリフォルニア大学で多様性、人種差別、性差別など、人権問題の研修プログラムの開発と大学教職員への研修指導に当たる。
その後日本でエンパワメント・センターを設立し、多様性、性暴力、虐待、DV、ヨガと瞑想などをテーマに全国で研修・講演活動をしている。参加型研修プログラムの開発、及びそのファシリテーター人材養成のパイオニア。アロハ・キッズ・ヨガ 主宰。元立命館大学客員教授。
第57回保健文化賞、産経児童文化賞、朝日ジャーナル・ノンフィクション大賞、アメリカン・ヨガ・アライアンス賞などを受賞。

「2018年 『虐待・親にもケアを』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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