浮世絵 カラー版 (岩波新書 新赤版 1163)

著者 :
  • 岩波書店
4.07
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本棚登録 : 171
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311638

作品紹介・あらすじ

北斎、広重、写楽-江戸の浮世絵は、日本国内のみならず、海外でも日本美術の代表として人気が高い。なぜこのように親しまれているのか。浮世絵の歴史、ジャンル(美人画、役者絵、名所絵、花鳥画等)、彫り、摺りの創作技法、隠された主題の読み解き方など鑑賞のための基礎知識を紹介しながら、その魅力を探る。図版七五点を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2018/5/13岩波新書にしてはカラー版で浮世絵入門。図書館本で駆け足でめくったが座右に置きたい。★4

  • 名古屋市博物館「浮世絵」展覧会に合わせて読みました。浮世絵について、様々な観点から詳しく説明されており、実物を観るのが一層楽しめました。

  • 新聞書評にて「正月の読書に好適」ということで。確かにそのとおり。わかりやすい入門書で、装丁もきれいなカラー刷り。子供に裏表紙を曲げられたけれど。。。戯画の所や市場性に関する部分が興味深い。

  •  印刷という大量生産技術を用い、時代の動きを視覚的かつ迅速に報道するという機能が高まるほど、錦絵は近代化の波の中で海外から流入してきた新しい複数技術と否応なく競合せざるをえなくなる。迫真性という点では写真や石版画、銅版画には太刀打ちできず、量産性の面では機械印刷にいずれ圧倒されることになる。
     近年の研究では、絵双紙屋の店頭で錦絵にとってかわったのは、日露戦争後にブームとなった絵葉書であるとされる。これも幕末以後の錦絵が強めていった前述の機能ゆえに、絵葉書という写真技術と新しい印刷技術とを用いたメディアに席を譲らざるをえなかったとみることもできるでしょう。(pp.30-31)

     合巻などの草双紙の挿絵や役者絵などの中に描かれた庶民の家の居室に置かれた枕屏風に、役者絵などが貼られている光景もよく目にする。町人を主体とした江戸の庶民、ときにはその日暮らしの生活を送っているような下層民でさえも、錦絵を手に入れることができたのである。今日の映画スターのブロマイドのように、浮世絵師が描いた人気役者の似顔絵が彼らの生活空間を彩っていたわけである。(p.142)

  • 図版が多くてそれぞれの解説も簡潔にして十分。浮世絵の流行の変遷がわかりやすい。

  • 浮世絵の歴史を丁寧に説明してくれる好著だ.適切な図もあって理解がしやすい.第5章の「錦絵の技法さまざま」で実際に現物を見ないと読み取れない「空摺」などの技法を解説しているが,その通りだと思う.でも,浮世絵の技術は素晴らしい日本の文化だと思う.

  • 資料ID: C0029106
    配架場所: 本館2F新書書架

  • S721.8-イワ-R1163 200052553

  • あまり時間がなくて、走り読みになってしまった。
    サイズは小さいながら、図版がすべてカラーで載っているため満足度は高い。
    後半の技法は、ちょうど同時期に「いろあわせ―摺師安次郎人情暦」(梶よう子著)を読んでいたので、参照するのによかった。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:721.8||O
    資料ID:95110495

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著者プロフィール

1959年生まれ。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。
専門は日本近世絵画史。
著書に『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会、2007年)、『カラー版 浮世絵』(岩波新書、2008年)、『浮世絵出版論―大量生産・消費される〈美術〉―』(吉川弘文館、2013年)などがある。

「2017年 『鍬形蕙斎画 近世職人尽絵詞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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