ルポ雇用劣化不況 (岩波新書 新赤版 1181)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311812

作品紹介・あらすじ

大幅な人件費削減で不況を乗り切ろうとする日本企業。規制緩和の後押しも受け、いまや労働現場は激変している。過酷な労働と不安定な生活を強いられる非正社員、目先のノルマに追われる正社員…。劣化し続ける雇用は企業の力を奪い、さらなる不況をもたらしている。丹念な取材で今日の雇用の実態を浮き彫りにし、解決の糸口を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 2010/3/1一連の流れをわかりやすく書いた良書。★5

  • 雇用劣化の実態、非正社員で組織されるユニオンの活動の広がりや意義についても紹介されている。

  • 自分にとっては既知の事実が多く、あまり新しい内容が含まれていなかったのは残念。

  • これは非常に面白かった!さすが岩波。

    バブル崩壊以後から小泉政権期の「戦後史上最長の景気回復」に至るまでに日本経済が採った「人件費削減」という道が成功したかのように見えて、そのしわ寄せが日本の人的資源に致命的なダメージをもたらしつつあり、それが2008年のリーマンショックを期に表面化したという話。

    非正社員の待遇、正社員の使い捨て、中間管理職の疲弊。日本の労働環境は、ことごとく破綻の危機にある。
    日本人の幸福度という観点から、何とか労働問題を収束させ国民が安心して働き、幸福を享受できる社会へ方向転換することが急務である。

  • [ 内容 ]
    大幅な人件費削減で不況を乗り切ろうとする日本企業。
    規制緩和の後押しも受け、いまや労働現場は激変している。
    過酷な労働と不安定な生活を強いられる非正社員、目先のノルマに追われる正社員…。
    劣化し続ける雇用は企業の力を奪い、さらなる不況をもたらしている。
    丹念な取材で今日の雇用の実態を浮き彫りにし、解決の糸口を探る。

    [ 目次 ]
    序章 賃下げ依存症ニッポン
    第1章 津波の到来
    第2章 労災が見えない
    第3章 しわ寄せは「お客様」に
    第4章 「公」が雇用をつぶすとき
    第5章 「名ばかり正社員」の反乱
    第6章 労組の発見
    終章 現実からの再出発

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 1003 一連の流れを分かりやすく解説。

  • 自分の首を自分で絞める日本の経済界。
    長期的に見て、こんな経営の仕方を続けていたら日本は決して発展しない。
    こんな社会に放り出されることが怖い。

  •  労働問題について初めて読んだ本。現状は思ったよりひどいみたい。

  • 《大幅な人件費削減で不況を乗り切ろうとする日本企業。規制緩和の後押しも受け、いまや労働現場は激変している。過酷な労働と不安定な生活を強いられる非正社員、目先のノルマに追われる正社員…。劣化し続ける雇用は企業の力を奪い、さらなる不況をもたらしている。丹念な取材で今日の雇用の実態を浮き彫りにし、解決の糸口を探る。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    竹信 三恵子
    1976年、朝日新聞入社。経済部記者、シンガポール特派員、学芸部次長、総合研究センター主任研究員などを経て、2007年4月から朝日新聞編集委員。2009年、「貧困ジャーナリズム大賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 》

  • 図書館で借りた。

    人件費を減らすために正社員を派遣社員などに置き換え、
    派遣社員等が雇用主にとって嬉しくない事や現場の改善点を
    報告すると首を切り、改善されない問題点が顧客に不満を
    与え、企業の業績が悪化する。悪化するから更に人件費を
    減らしたがり・・・という悪循環についての本。

    現場から上がって来る声を経営者は聞きたくない、という
    話があるが何故経営者がそう思うのかが分からない。
    自分が経営者になる前は会社がどのようにして回っていたのか
    よく観察していなかったのだろうか?
    経営者は意思で、現場はその意思が消費者にどう受け止められて
    いるかをフィードバックするものではないのか、と思う。

    生活できない賃金設定をしていると、その会社や業界そのものが
    危うくなることがよく分かった。
    現状を見据えてよりましな解決策を話し合うことが大切だ、
    という著者には共感した。

    著者とスウェーデンの社会民主労働党の女性議員との対話が印象に残った。
    スウェーデンは昔から男女平等や福祉を大切にする国だったのか?という問いかけに対し、議員はとんでもない、と答える。
    60年代までは男は仕事、女は家庭だった。60年代の好景気で女性も社会に出て働いて欲しいと要請があった。地域で集会を開き、女性に外に出て働く事を求めるなら、家庭でやっていた仕事にサポートが必要だと要求した。内容は保育園と介護施設の充実。
    集会でこの目標に向かって自分たちの仲間から議員を出して行く事が決められ、その議員達が税金の使い方を変えて行った。
    保育園と介護施設が増え、女性が働いた結果税収が増え、さらに保育園と介護施設が充実した。という好循環。
    議員を出そうとする意思の強さを見習おうと思う。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2021年 『POSSE vol.47』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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