イスラエル (岩波新書 新赤版1182)

  • 岩波書店 (2009年4月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784004311829

みんなの感想まとめ

多様な文化と歴史が交錯するイスラエルの現状を深く掘り下げた本書は、イスラエル国籍を持つ人々のアイデンティティや、ユダヤ人としての国家観を探求しています。著者は1990年代にイスラエルに滞在し、現地の複...

感想・レビュー・書評

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  • 『イスラエル』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/529753

    イスラエル - 新書マップ
    https://shinshomap.info/book/9784004311829.html

    イスラエル/パレスチナの読書案内|イスラエル/パレスチナ|エリアマップ|アジア・日本研究所|立命館大学
    https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/area_map/israel/reading/

    イスラエル - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b225970.html

  • はじめに
    著者:1990年代初頭、イスラエルに2年間滞在。当時イスラエルは「博物館」という言い方をしばしば耳にする。世界各地からやってきたユダヤ人が住むので、「文化の博物館」。また移住以前の地の言語を使用していたので「言語の博物館」

    アラブ人という少数派:イスラエル建国前のイギリス委任統治期のパレスチナに住んでいたアラブ人。難民にならずにイスラエルに残った人々。ほとんどはイスラエル国籍/市民権を持っているので、イスラエル人と呼ぶこともできる。・・が多くは難民となりパレスチナを離れアラブ難民(パレスチナ難民)となった。

    イスラエル人はユダヤ人か:本書でのイスラエル人は、イスラエル国籍/市民権を持つ人という意味で使用。「イスラエル=ユダヤ人」というのをひとまず棚上げして読んでください。

    「ユダヤ国家」へのこだわり:上記のスタンスをとるのは、イスラエルの多くの人々が今後もずっと「ユダヤ国家」であり続けようと望んでいるから。イスラエルはユダヤ人のための国民国家でなければならず、そのためにはユダヤ人がイスラエルで多数を占めなければ「ユダヤ国家」という看板をはずすこと。したがってイスラエルがユダヤ国家でなければならないという立場は、国是として絶対に譲れない。
     だからこそイスラエルは、ユダヤ人が多数である国家を防衛するために、イスラエルの安全保障を脅かす「敵」に対しては、武力など暴力を含むありとあらゆる手段を講じることになる。

    臼杵陽:1956生。1988東京大学大学院国際関係論は癖家庭単位取得退学。京都大学博士(地域研究) 佐賀大学、国立民族学博物館等を経て、現在2009日本女子大学文学部史学科教授。

    2009.4.21第1刷 図書館

  • 広河さんの「パレスチナ」に対応する形で読む。

    イスラエルがエスニック国家なんて
    知ってましたか。
    なかなか日本人には、中東の状況や歴史は理解しがたいが、自分が、日本人で、日本に住んでいることを感謝する。最近だいぶ危ういが・・・

  • もし大学時代にこの本を読んでいて、「イスラエルとパレスチナの対立の経緯と現状について書きなさい」なんて課題が出されたら、多分この本をまる写ししてたと思う(笑)それぐらい、イスラエル誕生からこの本が上梓された2009年までのイスラエル情勢を、きれいに纏めていると思います。

    もう少し、ユダヤ教がイスラエルに与えている影響について深く触れられていても好いかなとも思ったけど、200ページちょいの新書でそこまで取り上げろというのは酷でしょう。

    むしろ、テーマを物凄く狭く絞り、その中でしっかり掘り下げて一つの書籍を組み立てられる、岩波新書に感謝すべきかも。やはり、この手の本になると岩波は強いと感じます。

  • 宗教シオニズムとはシオニズムをユダヤ教の文脈で正当化する思想であり、シオニズム(エレツイスラエルの地を占領)に邁進する事でメシア降臨までのプロセスが早められると考えている。宗教シオニスト政党としては国家宗教党(マフダル)がありグーシュエムニームがここから派生した。カハ党もイスラエルをユダヤ教神政国家に変えようとしており宗教シオニズムといえる。
    また極右政党イスラエル我が家の党首リーベルマンは修正主義シオニスト、ジャボティンスキーを尊敬しており、イスラエル国籍のアラブ人追放を主張している。
    修正主義シオニズムは穏健シオニズムを修正する意味であり今のリクードに繋がる。しかしこの修正主義シオニズムと宗教シオニズムは世俗的か宗教的かで異なる。修正主義シオニストは委任統治時代の頃から対英闘争、アラブ勢力への武力行使を厭わなかった。軍事部門のイルグンはアラブ人虐殺事件やデイビッドホテル爆破などを行っている。
    またユダヤ教の宗教勢力は神学生の兵役免除だけでなく安息日を社会に遵守させ出生婚姻相続埋葬などを監督する権力を持っている。国政にもアグダトイスラエル党やシャス党が進出している。建国当時、極左極右勢力と組まずに多数派を占めるには宗教勢力を取り込むしかなかった。

  • 5章まで読了。それ以降は断念。

    イスラエルの多様性を知ることができた。
    ユダヤ教というと排他的でイスラム教との対立を思い浮かべがちだが、ユダヤ人の内部でも信仰心の強弱や人種などによって諸派が存在する事を知った。

  • 難しすぎる国だよね。
    民族国家でもないし、これで民主国家と言えるのかどうにも理解できない。それにも増して「反ユダヤ主義」が分からない。世界(特にヨーロッパでは)の嫌われ者なのはなぜ? まだまだ勉強不足だ。

  • イスラエルはパレスチナ問題とあわせて語られる事が多いと思うが
    本書は新書というスペースの中で、イスラエルという国そのものを
    なるべく大枠から伝えようとしてくれている。

    そもそもの成立の仕方自体が
    特殊な国だという気持ちで見ていると
    特殊な場所の特殊な出来事のように見える。

    いや、そうなのかもしれないけれど
    どの点がどの程度特殊なのかということを考えにくくなってしまう。
    しかし、人がおり、社会がある。そこは変わらない。

    イスラエルは国民の統合をユダヤ教に委ねているわけではない。
    ユダヤ教によって統合されている、
    という人々もいればそうではないという人もいるし
    ユダヤ教が根底であるが、アラブ人を排除する必要はないとする立場もある。

    同じユダヤ教の中にもヨーロッパからの移民(アシュケナージ)と
    アラブからの移民(ミズラヒーム)での立場の違い。
    移民する時期の違いもあるが、
    その多くは外面的な特徴の違いがあるだろう。

    イスラエルで起こっている出来事は決してイスラエルだけの問題ではない。
    いずれ同じ問題を解かなくてはいけない時が来る。
    政治的、経済的な繁栄はそうした問題を解く時に猶予を与えてくれるというだけだ。


    >>
    社会主義シオニストはマサダ砦の玉砕における集団自決を、降伏せずに最後まで戦った国民的英雄行為の事例として称賛した。イスラエル版の「伝統の創出」である。(中略)
    マサダの防衛戦でのユダヤ人の勇敢さが、ヨーロッパのユダヤ人がホロコーストに直面して戦わずして死を選んだという「不名誉」な受動性と対置されていることは明らかであった。(p.72)
    <<

    これは全く思いもしなかった視点であるが、
    勇壮さは統合運動と相性が良いのであろう。シオニズムはそのような積極的な側面があると。

    >>
    和平の挫折は結局のところ、和平の果実の分配に与れずに不満を蓄積した貧困な社会層が、和平に反対する右翼勢力を選挙で支持したためであり、労働党が貧困層の不満に目を向けることができなかったからであった。「和平の配当」に与れなかった社会集団の代表が、貧しいミズラヒームであった。(p.191)
    <<

    弱いものが優先されることは合理的な配慮をすれば当然ありえない。
    大多数を占めるものの利便性を図ることは、もっとも効率が良いはずだから。
    しかし、それでは社会は自らを危うくすることでしか変われない。

  • 2.3章を読んで。
    ナチス・ドイツとの闘いの中でいかに自分たちの安全地帯を確保するかが急務だった建国期、それを阻むアラブやイギリス、ひいては国家存在について国連という名の元他国からの多数決で決められる状況は不安定極まりないものだっただろうな、とシオニストを同情してしまう。そんな状況を乗り越え軍事力の圧倒的な差で隣国にも打ち勝ち、国連による国家承認を経ていくシオニストの逆転ストーリーには圧巻させられた。しかし、ユダヤ国家と民主主義という矛盾を抱えた状態でのスタートが今後70年の歪みを作り出していったのだった。。。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・日経アソシエ7月

  • イスラエルの政治的歴史、現在の事情などを簡潔に理解できる。ホロコーストの否定がディアスポラの否定、つまり自由主義の否定につながっていて、それが社会主義的勢力であるシオニズムによって利用されているという指摘が興味深かった。ユダヤ人はホロコーストを受けたかわいそうな民族であるという思いは民族主義を強めることができる。しかしその一方的な感じがまたテルアビブ大学内で見たディアスポラミュージアムで感じた君の悪さみたいなものの理由なのだろう。恨みは克服できるならした方がいい、暴力的勝利ではなく平和と共存を求めているならば。

  • (後で書きます。イスラエルが内部に抱え込む多様性について詳述)

  • イスラエルで1950年に制定された帰還法は世界各地において反ユダヤ主義が広がってユダヤ人んお安全が保てなくなった場合、いつでも避難地としてイスラエルに逃げてくることができるという意味で、安全のための担保となっている。このような発想の前提として、いつ反ユダヤ主義の悪夢が再び蔓延するかわらないという悲観的な現状認識がユダヤ人には共有されている。
    メイール首相はサッチャーよりもずっと前から鉄の女と呼ばれた辣腕の政治家だった。

  • 支配が続いたこと。その後も2大政党制にはならず、小党乱立・連立政で微妙なバランスを取っていること(これは日本では最近崩れたが)。そして、アシュケナジーム、ミズラヒーム、パレスチナ人という厳然たる階層と、超正統派ユダヤ教など様々な宗派が分立することで国民相互の分断が図られていることは、今日のわが国民の相互分断状況(例えばネット上で顕著な在日韓国朝鮮人、貧困層等への差別)に酷似する。
    しかし考えてみればこれはグローバリゼーションに晒されるあらゆる国々に普遍的な現象なのかもしれない。ただ、それが一国内に収まりきらず、隣接するアラブ諸国や最大の支援国であるアメリカとの国際関係に密接にリンクしていることが、この国に特殊の困難さであろう。

  • イスラエルについては特別関心がある国なので、何度か別の本を読んでいた分新鮮味はなかった。各トピックスをバランスよくまとめた本であるかもしれないけれど、それぞれもう少し深く掘り下げてほしかったと感じる人もいるかもしれない。個人的にはアモス・オズの「イスラエルに住む人々」のように、参考文献ではなく現地の人の直接の声に触れられるような章があれば嬉しかった。

  • Israel-USA relation

  • イスラエルの存在は、ヘブライ語、ユダヤ教、ユダヤ人が鍵とのこと。
    ユダヤ人といっても、
    アシュケナジーム:ドイツ系ユダヤ人:イディッシュ語
    スファラディーム:スペイン系ユダヤ人:ラディーノ語
    ミズラヒーム:中東系ユダヤ人
    など、いろいろだとのこと。

    世界中にいる中国人とユダヤ人。中国人は、すぐに見分けがつくが、
    ユダヤ人は各国での分岐が大きいような気もする。

    中国人とユダヤ人に共通の特質である世界経済との関係の記述がないのはなぜだろう。
    また、食料、音楽、習慣などの生活が見えないのはなぜだろう。

  • 少なくともイスラエルは多文化国家であるべきである、ということはわかった。

  • イスラエルの暴力の背景には何があるのか。

    僕は、イスラエルが人事だとは思えなかった。
    彼らは「数百万の同胞が虐殺されたとき、世界は誰も助けなかった」という歴史的悲劇からスタートしている。それは、大東亜戦争で日本が「植民地主義が横行していて、誰も助けてくれなかった」というのと似ている気がするのだ。

    イスラエルが抱える命題は、そうしたユダヤ人の歴史と、国の内部での多様性をどう乗り越えるかだ。イスラエルにはユダヤ人だけでなく、白系ロシア、パレスチナ難民、モロッコ系など、多様な民族がいる。もちろん、アラブ系も。

    暗殺と紛争と殺戮の歴史の果てに、和平プロセスは進んでいくけれども、いまだパレスチナとの溝は深い。

  • [ 内容 ]
    イスラエルはいま、「ユダヤ国家」という理念と多文化化・多民族化する現実とのはざまで切り裂かれ、国家像をめぐって分裂状態にある。
    なぜそうした苦悩を抱え込んだのか。
    シオニズムの論理、建国に至る力学、アラブ諸国との戦争、新しい移民の波、宗教勢力の伸張、和平の試みと破綻など、現代史の諸局面をたどり、イスラエルの光と影を描く。

    [ 目次 ]
    第1章 統合と分裂のイスラエル社会
    第2章 シオニズムの遺産
    第3章 ユダヤ国家の誕生
    第4章 建国の光と影
    第5章 占領と変容
    第6章 和平への道
    第7章 テロと和平のはざまで
    終章 イスラエルはどこに向かうのか

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著者プロフィール

1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論博士課程単位取得退学。在ヨルダン日本大使館専門調査員、佐賀大学助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員、国立民族学博物館教授を経て、現在、日本女子大学文学部史学科教授。京都大学博士(地域研究)。専攻は中東地域研究。主な著書に、『見えざるユダヤ人――イスラエルの〈東洋〉』(平凡社選書)、『中東和平への道』(山川出版社)、『イスラムの近代を読みなおす』(毎日新聞社)、『原理主義』『世界化するパレスチナ/イスラエル紛争』『イスラエル』(以上、岩波書店)、『イスラームはなぜ敵とされたのか――憎悪の系譜学』『大川周明――イスラームと天皇のはざまで』『アラブ革命の衝撃――世界でいま何が起きているのか』(以上、青土社)、『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)などがある。

「2018年 『「中東」の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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