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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784004311867
感想・レビュー・書評
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【名誉毀損】
山田隆司
新聞記者である筆者が、記者をしながら興味を持った名誉毀損について過去の事例(主に雑誌、地方紙)を研究し、人権と表現の自由とのバランスについて問題提起している。記者という立場上、「表現の自由」の方に力点を置いていることがうかがえる。
今はだいぶ少なくなったが、昔の事例で出てくる1980年代までは報道される側への配慮も乏しく、覗き見主義的な報道が非常に多かった。それでも数々の判例において、「公人(政治家、首長など)」においてはある程度批判を甘受する覚悟が必要だという判例が紹介されている。
メディア側が敗訴した例の中で「取材内容の相当性」という言葉が度々登場し、筆者はここに問題提起している。表現の仕方に節度は必要としながらも、裁判所の判断の線引きが曖昧過ぎると公権力に対するけん制機能が萎縮されるということに危機感を持ち、その判断の明確化を求めている。
2009年に書かれた本。当時もネット上の書き込みの在り方が問題になり始めていた。現在では雑誌よりも、瞬時に世界中にでも拡散しかねない情報発信の仕方(メディアだけでなく個人にも広がってしまった)がより問題になり、本書が書かれた頃よりさらにスピードアップして歯止めが効きにくなってしまっていると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思索
社会
メディア -
書名:名誉毀損――表現の自由をめぐる攻防
著者:山田隆司(新聞記者、法学博士)
【目次】
はじめに (i-iv)
第1章 名誉毀損とは何だろうか 001
第2章 表現の自由をめぐる攻防 023
1 現職の総理が小出版社を訴えた――森喜朗首相対雑誌『噂の真相』事件 024
2 意見が名誉を毀損したら――長崎教師批判ビラ事件 050
3 ネット上の中傷をどうするか――動物病院対2ちゃんねる事件 078
第3章 判例の枠組み――「相当性」の基準とは何か 109
1 事実を真実と信じた「相当の理由」があればよい――「署名狂やら殺人前科」事件 110
2 刑事事件でも「相当性」の基準が使われる――『夕刊和歌山時事』事件 137
第4章 名誉毀損の救済手段とは 165
1 事前差止めはどんなときに認められるか――『北方ジャーナル』事件 166
2 損害賠償が高額化する――女優X氏対『女性自身』事件 191
終 章 名誉毀損裁判のこれから 213
あとがき 231
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判例索引
事項索引
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