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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004311898
感想・レビュー・書評
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政治に対してどのような心持ちをしたらよいのか、政治家はどのような考えでいるべきなのか、さらに日本の政党政治は今後どのようになっていくのかを論じている。
第一章 政治を考える視点
第三章 政治に関与する精神
上記の2章分が我々にとって必要な考えが得られると思う。
「本書は政治を支える政治的基盤・素地と政治的統合というテーマに焦点を当てて政治を論じたものである。」ⅰ
本書は2009年に執筆され、「戦後自民党が作り上げてきた仕組みはもはやそのままでは維持できないし、維持すべきではないということである」234とある。今の自公連立解消を予知している。
政党や政治家を選ぶ際に大切にすべきことは、現実というものはいろいろな可能性の束であるたるため、
「「各政党が非常にいい公約を並べ、その公約の中でどれがいいだろうと思って選択する、そいう選択の態度」に対して疑問を投げかける。何よりも、政治的な選択というものは必ずしも一番よいもの、いわゆるベストの選択ではないこと、精々ベターなものの選択であり、あるいは「悪さ加減の選択」であるということが見失われているのではないか。」136
このベターを選択することを念頭に置かなくてはならない。
「上からの権威によって統合されている社会では、統治者が矮小化すると、下からの、「匿名の無責任な力の非合理的爆発」である下剋上を抑えられなくなる。」6
大きな組織ではこのような課題があるのではないか。SNSでは、正義という名の下剋上が蔓延っていて、なぜなのか分からなかったが、この文章で納得できた。
「民主制である以上、「誰かがしてくれる」という話で済ますのは、自己統治の仕組みとしての民主制の基本を自ら放棄していることに等しい。」9
現在、日本の政治の世界は目まぐるしく動いているように見える。このまま良い方向に進んでいくことを願うと同時に国民が政治に関心を向けなければならない時代にもなっている。
ひとりひとりは、「はい」か「いいえ」ということを投票という形でしか表現できないが、その選択を間違えないためにも、本書を読んだ意味があったのではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐々木毅『政治の精神』岩波新書 読了。古典的な政治思想を参照しながら、「政治的統合」の議論が展開される。難解でさっぱりだったが、部分的にわかる箇所があって、これこそ新書ならではの趣ってところ。丸山眞男に対する理解が多少は進んだと思われるので、挫折した『日本の思想』再度挑戦しようか
2012/03/29 -
「政治の精神」というタイトルからは内容がなかなか想像できず、はじめは政治学の入門的概説書かと思ったのですが、じっさいに読んでみると、著者自身の問題意識の反映されている意欲的な内容だったように思います。行政の役割が肥大化し政党が重要な役割を占めている現代的な政治状況を見据えながら、そこに働いている人びとのエートスについての考察がなされています。
自由や民主主義についての形而上学的な考察でもなく、現代の政治に対して人びとが抱いている社会心理の探求でもなく、もちろん自民党をはじめ政党内闘争についてのるポタージュでもなく、ウェーバー的な政治倫理の現実と理想を正面からテーマに掲げる本書は、まさに「政治の精神」というタイトルにふさわしい内容だと思います。個々の問題にかんしては、かならずしも著者の議論に説得されたわけではないところものこるのですが、マキャヴェリやウェーバー、アレントといった政治学者たちが取り組んだ政治学の中核的な問題に、あらためてアプローチする試みとして、興味深く読みました。 -
利益誘導型政治を可能にする財源はなくなり政治の真価が問われる歴史的段階に入った。空疎な美辞麗句ではなく日本の将来像を踏まえた真の政策課題を示さなければならない。政治家試練の時代である。新時代に向けた審判の日が刻々と迫る。
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政治の精神 (岩波新書)
(和書)2012年11月22日 16:00
佐々木 毅 岩波書店 2009年6月
苅部直さんの「政治学(ヒューマニティーズ)」でおすすめされていたので図書館で借りてみました。
現在の政治を考えるのに役立つ良書でした。
丸山真男やマックス・ウェーバーなども引用されていて現在の浮薄にみえる政治を厚みを持って思考するのに役立ちます。彼らの作品もあわせて読んでみようと思います。 -
190202 中央図書館
古典のエッセンスから著者の血の通った思考を・・というつもりかもしれない。 -
S311-イワ-R1189 300033917
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地元の図書館で読む。興味深い本でした。民主党の勝利は確実です。さて、日本にとって、いいいことなのでしょうか。悪いことなのでしょうか。
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【読書その75】丸山真男、マキャベリ、ウェーバー、トクヴィルらの思想を手掛かりに政治家、マスコミ、官僚を含めた政治を取り囲むものの精神、政党政治の条件について考察した本。トクヴィルの本を読みたくなった。
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政治に興味ない人間にとっての第一ステップと思い、購入。相変わらず興味はないかも。。。
いや興味ないのは大半の政治家にか。 -
2009年は政権交代が成された年として日本の政治史に記録されることになります。その年にあってこの新書は、自民党から民主党に政権がうつるまえから日本の政治が培ってきた経験値がどれほどのものかを鋭く指摘していたという点において傑出した作品といえると思います。著者の佐々木氏(http://www.gakushuin.ac.jp/univ/law/teachers/pol/sasaki/index.html)のお名前は東京大学の学長職につかれていたというところから知っていました。今は学習院大学で教鞭をとられています。
毎日の動きを追うために新聞を読むだけでは大局的・長期的視点でのこの政権交代の意味を見出せないのが私の浅はかな知識の限界なのですが、専門家が国民に理論的な説明をもってものごとの本質を明らかにするという成果が随所に盛り込まれていてあっという間に読めてしまいます。国内政治に関する本で私が読んだ中では今年一番の本と言えます(私は遅読なのでそもそも選び出す前の母集団として読書量はかなり少ないことはお断りした上で…)。
野党・自民党がマニフェスト・公約違反だと反論してみても、かれらが与党だった頃にも同じような光景を見た気がしてしまうので説得力を感じない瞬間があります。また、自民党が駄目になったから民主党に任せてみようという多くの有権者の間に、奇跡といえるほど共通理解として認識されていたことから民主党の地滑り的大勝を生んだとも言えます。
でも政権発足100日を経ってみえるのは首相(http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/profile/index.html)の決断力のなさや、自分が大好きな閣僚たちが自由な発言を繰り返しばかります。政権や内閣という組織の中では、あまりあってはならないように感じるのですが、船頭多くして…、の言葉を思い起こさずにはいられません。閣僚みなが優越感にひたって自分の考えを政権のそれとの一致を考えずに口に出してしまうのでしょうか。
与党慣れしていない与党(http://www.dpj.or.jp/)と野党慣れしていない野党(http://www.jimin.jp/index.html)。年の瀬に漂う国内政治に漂う空気がなにから来るのかも、この本(特に最後の第4章)を読めば自民党と霞ヶ関ががっちりと戦後政治を高度経済成長と冷戦構造の中で盤石な政策集団として機能していたことから、小泉ー安倍ー福田ー麻生という瓦解の過程にも言及しています。総理官邸の諮問会議の委員も務めた著者が、そのプロセスを内側から見ていた経験談も含まれて描き出された政権交代への流れはルポタージュにも似た生々しさを伴っており読み応えがあります。
暫定税率廃止という公約の撤回、普天間移設問題の越年決定など、政権交代に伴う政策方針の転換(もしくは首相一人のブレ岳なのかもしれませんが…、→)がこれほどの影響を生むことを私たちは政権交代でもってようやく経験できたとも言えるかもしれません。その意味では、民主主義がようやくそれらしき影響と教育を日本人に与えているのが今この瞬間なのではないかとも思う訳です。入門書としても、今年の政治を振り返る意味でも読むのをお勧めできる本です。 -
利益ファクターと並んで政治的統合のテーマとなってきたのが、文化、宗教、人種やエスニシティ、マイノリティに関わる問題群である。
歴史的に見て、特に大きなストレスを政治体制に与えるのは戦争の問題であった。
政治的統合は国際関係の環境によっても大きな影響を被る。
政治権力は制度を変えるだけではなく、現実を変えるのに必要な大きなリソースを動員できる。
選挙民の第一義的役割は政府をつくることである。
自民党が人材不足と言っているが、そんなのは怠慢である。人材不足などというのは天に唾を吐くようなもの。 -
リアリズムと哲学の調和。
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昨今の政の騒動を見つめながら手に取った一冊。日経新聞の書籍紹介欄で目にしました。政治の具体的な事例についての解決や、ノウハウが書いてあるのではなく、あくまでも哲学、思想的見地からの政治論。読むのに時間がかかりはしましたが、基本的には非常にわかりやすく書いてあります。「政治統合」を目指して、私たちも勤しみましょう。
09/9/1 -
岩波新書新刊
精神的基盤・素地と政治的統合
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