贅沢の条件 (岩波新書)

著者 : 山田登世子
  • 岩波書店 (2009年7月22日発売)
3.21
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311973

作品紹介

「あなたにとって贅沢とは何ですか?」-贅沢はお金で買えるのか、買えない贅沢とは何か。「タイム・イズ・マネー」の呪縛にとらわれた世界にあって、「真の贅沢」とは何なのか。著者ならではの冴えた批判精神のもと、中世修道院文化からココ・シャネル、白洲正子まで、豊富な実例を読み解く。そこに浮かびあがる「現代の贅沢」とは。

贅沢の条件 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 贅沢と裕福は違う。かといって無関係でもない。はて贅沢とはなんぞやという課題に答えを探すべく、著者の専門分野である近世ヨーロッパ文化から、「贅沢」を考える材料が提供される。王宮、貴族、ベルエポックの都 .... なにぶんこうした価値観なので、ドイツやイギリスのような固い国ではなく、イタリア・フランスの中心の華やかな歴史がメインになる。その中で、一風変わった分析は、 贅沢とは真逆とも言える修道院である(ココ・シャネルは修道院出身)。「贅沢の条件」に対する演繹的な解はないが、帰納して愉しむネタが満載だ。

  • バルザックの「暇なし人間」への批判から始まる本著。やはりゾンバルトのの奢侈論を辿るが、ブルジョアの跋扈により階級文化としての贅沢は富の競争の精華として認識されるようになり、そこで「ダンディー」達の反抗が始まる、という叙述は30頁まで。バロックからシックの時代がやってきたということだ。王朝風雅を慕いつつ身は侘びにやつすという中世からの日本詩人の姿を聯想する。著者は黒を基調とするシックなスタイルを「孔雀のような率直な自己顕示に代わって、メランコリックで内省的な自己顕示が現れた」と論じ、それを精神の英雄性の最後の輝きと見る。鮮やかな筆である。そこからは産業社会の幕開け。self-denial, diciplineの時代、明日のために今日を準備する「アジェンダ」の時代、贅沢(luxe)から富(wealth)の時代に移る。ここで著者はイギリスのアダムスミス、フランスにサン・シモン主義者を挙げ、次第に贅沢が貴族から女性に移っていく様を描く。そこでヴェブレンである。代理的有閑性、つまり夫の生産力の象徴としての妻の消費、それが夫の名誉の顕示となる。ここでようやくココ・シャネルが登場、ここまでで半分、読み応えあり。

  • 贅沢とあって、もっと精神論的な部分に突っ込むのかと思ったら。著者が服飾学が専門のためか、ファッションや貴族階級の思想の歴史みたいになっている。

    岩波新書なのに、ちょっと学術書としてはもの足りない。紀行文かエッセイのような。修道院の話は興味深かった。

    要旨としては、贅沢とは華美な装飾で富貴をひけらかすためではなく、手仕事や時間をゆったりかけて行う作業や自然との触れ合いを通じて精神的充足が得られるものとする。これは至極まっとうな意見。

  • 贅沢とは…?
    年代別その人の置かれた状況によって感じ方は違う。
    お金?自由な時間?家族と過ごす時?
    様々に分かれるが、しかし、結論は心の持ちようと時間。優雅に如何に時間を過ごせるか。
    ファッションや価値観が時代によってここまで変わったのか、ということも!

  • 7年後どこでどんなふうに生きているのか・・・自分にとっての夏炉冬扇、心のゆとりを求めて、この一冊の中で様々な出会いをしてみませんか?お金では買えないぜいたく、時間やタイムスケジュールに縛られずに生きる、そんなひとときをめざして。By 寧夢 さん

  • 何もしない、ぼーっとする時間が本当の贅沢な時間の使い方なのかも

  • 贅沢についての考察を時間をかけて行えることも贅沢だと思う。
    彼女が贅沢とは何かと興味を抱く部分に共感。明確な結論はないように思えるけど、森茉莉や白洲正子の例、プロヴァンスの別荘から広がるヨーロッパ人の、歴史が感じられるもの好きの考察は面白かった。


    タイム イズ マネー思想が全く関わりのない世界に贅沢はあるのかも

  • 贅沢の条件

    本当の贅沢とは何か。
    時代と共に男女の衣装の価値観が変わってゆく。
    しかし、現代の贅沢とは、お金や優雅な衣装ではなく、閑散と著者は主張する。

  • なかなか興味深かったけど、事例が時には深く時には浅くで散漫な印象でした。私の読み込みがたりないのかも。

  • 201.5.29

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