和歌とは何か (岩波新書)

著者 : 渡部泰明
  • 岩波書店 (2009年7月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311980

作品紹介・あらすじ

たった三十一文字の歌のなかに、枕詞や序詞など、無用ともみえるレトリックが使われる理由とは?答えのカギは、「演技」という視点にあった-。身近な疑問を入口に、古典和歌の豊富な具体例をあげながら、千三百年も続いてきた文学形式の謎に真っ向から取り組む。歌の言葉と人が生きることの深いかかわりを読み解く、刺激的な一書。

和歌とは何か (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • Ⅰ 和歌のレトリック、Ⅱ 行為としての和歌 と題して、分かり易く解説しています。

  • [ 内容 ]
    たった三十一文字の歌のなかに、枕詞や序詞など、無用ともみえるレトリックが使われる理由とは?答えのカギは、「演技」という視点にあった―。
    身近な疑問を入口に、古典和歌の豊富な具体例をあげながら、千三百年も続いてきた文学形式の謎に真っ向から取り組む。
    歌の言葉と人が生きることの深いかかわりを読み解く、刺激的な一書。

    [ 目次 ]
    和歌は演技している
    1 和歌のレトリック(枕詞―違和感を生み出す声;序詞―共同の記憶を作り出す;掛詞―偶然の出会いが必然に変わる;縁語―宿命的な関係を表す言葉;本歌取り―古歌を再生する;和歌的レトリックとは何か―まとめの講義)
    2 行為としての和歌(贈答歌―人間関係をつむぐ;歌合―捧げられるアンサンブル;屏風歌・障子歌―絵と和歌の協和;柿本人麻呂影供―歌神降臨;古今伝授―古典を生き直す)
    和歌を生きるこということ

    [ POP ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 和歌とは演技性を持つ行為だ、というのが著者の主張の骨子のようだ。
    序詞や枕詞などのレトリックは、言葉を儀礼的な空間に呼び込むための技法だ、ともいう。
    そういった技法は言葉に二重の意味を持たせるものであり、声が重なるような感覚をもたらすものだと。
    歌の中で役割を演じながら、他者とのつながりを作り出す、ということらしい。

    こう書いていると、わかるような気もするし、ちっとも腑に落ちない気にもなる。
    本書では実際の和歌がやりとりされる空間のことも扱っていた。
    具体的には歌合せや古今伝授、屏風絵の歌など。
    こちらは具体性があり、読みやすい部分。

    やっぱり実際の歌合せや贈答の場面が見てみたいなあ。
    結局そういう感想に落ち着いてしまった。

  • 長年の学生への講義よって培われた論理と言葉だろうし、それだけ説得力も論理の迫力も感じられる。昔の干からびた文芸学ではなく、今の論理で、和歌の構造解釈に真摯に取り組んでいる。近代言語による和歌解釈の最も真摯な姿であると言える。特に、本歌取りや縁語、掛詞の背後に、「懐かしさ」を論じるあたり。
    しかし、近代言語による和歌解釈の達成とはいえ、それはやはり「近代」である。その「懐かしさ」の本源には近代的研究言語では決して辿りつけるものではない。「分かる」ことと「感じられる」こととは遥かなる距離がある。

  • 和歌は「演技」する文学であるという点と、掛詞・序詞などの文脈が重ならない言葉が「運命的」に一致するところに和歌の美があるのだという点、非常に面白かった。枕詞は、『日本書紀』では、神の言葉に萌芽的にみえるそうで、人類学的、呪術的な奥行きを感じさせる。第二部は歌合、人麻呂影供、古今伝授などの和歌の社会的側面に光をあてており、和歌をよむことは、演技をとおして、心を社会化する試みであり、その点で精神修養であり、「悟り」を求めることであり、為政者たる資格を証明するものであったという点も、たいへん面白かった。古典とはそういうものであろう。

  • 和歌は身近なものではない。
    和歌の詠まれる場に注目すれば、
    和歌の内容は、作者によって「演技され、理想とされ、社会に共有されるもの」である。

    それは儀式的空間を形成するものとして
    精神的状態の一種の憧れとして
    絵や美術と共鳴し合うものとして
    心的距離をもって接するものである。

    身近ではない。だからこそ、
    長い時代を生き永らえてきた。

    きわめて日本人的な、という但し書きはつくけれど、
    「和歌は、人の生き方に深く関わってきた。
    むしろ私たちの生き方そのものだ。」
    という筆者の説に、なるほど一理あり。

    むしろ、和歌コミュニティ拡大の過程が
    日本人的な社会観、価値観、思想の形成に
    大きく一役かっている。
    だから、「場にふさわしい」とか「無心をよしとする」とか
    人生を重ねてしまうのだろうと思った。


    歌合や、障子画や、歌集や。
    すごいな、和歌コミュニティ。
    感性が人生を為し、生き方が感性を為し。

  • 和歌における枕詞や掛詞、縁語などの解説。

  • とてもよくまとまっており、分かり易い本でした。これから和歌を学ぶ人にオススメしたいです。

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  • 和歌のレトリックについて。枕詞、序詞は歌の本題(?恋の歌のなら恋とか)の文脈とは異なる文脈を想起させる。掛詞は歌の文脈を二重にする。縁語は詩の主題を陳腐化させずにまとめあげる力を持つ(ex. 「難波江」の「芦」の「かりね」のひと「夜=節」ゆゑ「身を尽くし=澪標」てや恋ひ「わたる」べき)。本歌取りは本歌への新しい解釈を提供する。
    屏風歌・障子歌は絵の中に入り込んで(絵の中にいるという目線で歌を詠み)二次元の絵に動きを与える。風を吹かせたり。ここで紹介されていた、定家の「秋とだに吹きあへぬ風に色かはる生田の森の露の下草」という、絵に描かれなかった(描けなかった)細部を歌った歌、凄く好きだと思った。障子には採用されなかったらしいが。

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