司法官僚 裁判所の権力者たち (岩波新書 新赤版1200)

  • 岩波書店 (2009年8月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004312000

みんなの感想まとめ

司法制度の深層に迫る本作は、裁判所を行政機構の視点から捉え、司法官僚の実態とその影響力を明らかにしています。著者は、裁判官が内向きにならざるを得ない現状を指摘し、最高裁事務総局の権威が司法権の独立を守...

感想・レビュー・書評

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  • 裁判所を行政機構の視点から切り込み、問題点を浮き彫りにした。司法制度の中では、裁判官を批判できるのは裁判官だけ、とも言われる。視点を変えることで説得力が生まれた。

  • 裁判官会議の進め方や最高裁事務総局での人事の決定方法など、通常であれば知り得ない情報が網羅されており、著者のリサーチ能力に驚愕した。歴史的な価値のある一冊と言えるように思う。
    司法権の独立を守るという大義のために、最高裁事務総局を頂点とする司法官僚が権威になっているというのは、仕方のないことなのかもしれない。しかし、それが故に裁判官が内側を向いて仕事せざるをえないという現状は、やはり克服されなければならないだろう。

  • 深いベールに包まれた司法行政機構とりわけ司法官僚の実態や機能について切り込んだ意欲作品である。

    裁判員制度の導入にいたった司法制度改革審議会の設置は、たしかに人びとの司法への関心を高めた。

    社会にむけて「ものいわぬ人」とみられてきた現職裁判官のなかにも、司法の現実について積極的に発言をかさねるグループがつくられたが、最高裁事務総局を頂点とする司法官僚の支配は強固であり、突き崩していくのは相当な困難を伴うと著者は分析する。

    終章で、司法改革の責任は市民にあるとし、国権の最高機関である国会の役割が重要であると締めくくっている。

    まずは裁判所情報公開法の制定に取り組むべきであるとするなどなかなか読み応えがある作品であった。

  • 司法行政が、公務員制度の中でも極めて特殊ということは分かった。日本は公平・公正な登用や昇任というものの標準的な考え方を煮詰めてこなかった、単なる制度輸入(猿真似?)国家だという読み方もできる。だが、一般行政官僚と違いすぎて「わからない」ままにしている記述が多いので、もっと紙幅を割いて制度そのもの解説をすべきかなぁと思う。

  • 垣間見る事があまりないセカイだけに、なかなか興味深いです。ついでに某外郭団体あたりについての言及もあれば面白いのに、とか勝手なことを言ってみる。

  • 裁判官はそれぞれ独立したものとして判断を下すべきであるが、実際は最高裁事務総局を頂点とする行政機構によって縛られており、10年毎の任命権・人事権を握っている事務局に嫌われたら、弁護士へと職を変わるとかない。 何のことはない、裁判所は行政や、検察庁と密接に癒着しているのである。もし正義感に溢れた裁判官がいても、便宜上、最高決定機関とされる最高裁判官会議の決定に逆らうべくもない。ヒラメ裁判官と呼ばれるゆえんである。
    司法の独立とはやはり幻想だなと感じさせる。著者は現状への改革を提言しているが門外漢なので、それが有効なのか、よくわからん。

  • なぜ「ヒラメ判事」が生まれるのか!?
    最高裁事務総局を頂点とした司法行政機構の実態がわかります。

  • 予想より大分堅い,ちゃんとした本だった。
    それゆえに難しくて大分適当に読んだ。
    裁判所で出世するって大変なんだなーという感じ。どの組織でも一緒だろうけど。

  • 久々に重いテーマの本を読んだ気がするw

    昨今になって裁判員制度が出来て司法に関心が高まってるように見えるけど、実際はもっと根深いよっと。司法病巣の根源は一部の職業裁判官の官僚機構にあるとのこと。

    この本を読んで初めて知ったことも多かったし、テーマは一貫していて面白かった。

    ただ、この本の著者って選考が行政学だからなのか、司法行政関連についての記述に偏っているように見受けられました。んで、結論は裁判所の情報公開法制定って、、、学者なのにどこかの活動家みたいな結論だな・・・というわけで星3つということで。

    司法や裁判に関心をもっている人、もしくは籍を置いている人にはお勧めですが、それ以外の人は得るものは何も無いです。

  • 日本人は犯罪への関心が高い割には法を執行する公務員への関心は著しく低いように思います。さらに日本の報道機関には裁判官を批判しないという慣習があることもそれに拍車をかけています。冤罪事件が相次ぎ、受刑者の社会復帰を重視した拘禁刑が施行されたからこそ、権力を監視するのが仕事の報道機関は、裁判官や刑務所所長といった法執行機関の幹部人事の報道に力を入れるべきです。

  • 序章 日本の司法のなにが問題なのか/第1章 いま、なぜ、司法官僚なのか/第2章 司法官僚は、どのように生まれるのか/第3章 司法官僚の支配の実態/第4章 裁判所をどう変えるのか/終章 司法改革の責任は市民にある

  • 資料を引用して一般人には調べられないような裁判所内人事や組織内部の事情を知ることができる本。ただ、同じことを違う角度から何度も書いている部分が散見され全体的には内容が薄いような印象を受けてしまった。

  • ふむ

  • ほんとどんな人たちなんだろ。

  • 737円購入2009-09-24

  • 日本の司法の消極性をもたらしている要因として、裁判官でありながら、裁判官の人事や予算など司法行政を担当する最高裁判所事務総局の「司法官僚」に焦点を当て、その実態を明らかにするとともに、市民のための裁判所となるための司法行政改革について提言している。
    司法官僚という存在への着目は非常に興味深く、最高裁事務総局幹部のキャリアパスの分析などは良く調べられていると感心した。
    しかし、著者には権力=悪、市民=善というようなバイアスが感じられ、本書の主張には少し疑問も感じた。本当に、司法官僚による「支配」の実態はあるのだろうか。人事権限は確かに絶大だとは思うが、それはどこの組織でも同じで、特に司法だけ特筆すべきことだとは思えない。また、司法官僚が司法の消極性をもたらしているという主張は、多分に著者の憶測が混じっていると感じた。
    著者の提言については、裁判所情報公開法の制定などはどんどんやるべきだと思ったが、裁判官人事システムの改革など、他の多くの提言については、市民を入れた合議制の機関に任せればうまくいくというような市民への幻想が感じられて、あまり共感を覚えなかった。

  • ・中には特例判事補にもなっていないのに、最高裁事務総局付きとなる裁判官たちがいる。将来のエリート候補生。
    ・最高裁長官は必ずしも事務総長経験者ではないが、最高裁判事としては必ずいる。

  • [ 内容 ]
    全国の裁判官の人事や予算などの司法行政を担う最高裁判所事務総局。
    その幹部を構成する「司法官僚」とは、裁判官の衣をまとった行政官である。
    彼らはどんな経歴の持ち主なのか。
    判事たちをどのように「統制」しているのか。
    司法の消極性をもたらしているその実態を検証し、市民のための裁判所のあり方を提言する。

    [ 目次 ]
    序章 日本の司法のなにが問題なのか
    第1章 いま、なぜ、司法官僚なのか
    第2章 司法官僚は、どのように生まれるのか
    第3章 司法官僚の支配の実態
    第4章 裁判所をどう変えるのか
    終章 司法改革の責任は市民にある

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2010年8冊目。

  • レビューは後ほど。

    ヴェールに包まれている裁判所の行政的側面を知る良いキッカケとなった。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授

「2020年 『概説 日本の公共政策 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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