四コマ漫画: 北斎から「萌え」まで (岩波新書 新赤版 1203)
- 岩波書店 (2009年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312031
作品紹介・あらすじ
現代日本は漫画大国といわれるが、これは今に始まったことではない。江戸時代も同じで、あの『北斎漫画』には四コマ漫画の原点ともいうべき作品がある。以来、今日の「萌え」四コマまで、時代の世相・風俗を記録する四コマ漫画が描かれてきた。「サザエさん」「らき☆すた」など名作・話題作七六点を取り上げ、一九〇年の歴史をたどる。
感想・レビュー・書評
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マンガの歴史を四コマ漫画に焦点を当てて解説してあります。
マンガ史というよりは、各時代ごとに流行ったマンガを短い文章で振り返るような構図。各作品ごとに代表作が一緒に掲載されているため、感覚的につかみやすい構成になっています。
【こんな人におすすめ】
四コマ漫画が好きな人詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:320.4A/R66a//K
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学校授業用資料
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歴史をたどるその道程自体は面白いんだけど、解説というか論考というか、そういうものにやや物足りなさを感じる。
特に現代の四コマ漫画。どういった系譜からどういった作風のものが出ているのかとか、あるいは一人の作家、一つの作品をもっと深く評するとか、もうちょっとあってもよかったのにな。
あと最後の総括も、対象を「新聞四コマ」に矮小化している気がする。 -
<閲覧スタッフより>
四コママンガの原点は江戸時代の北斎漫画に遡る。サトウサンペイ、手塚治虫、長谷川町子から吉田戦車、さくらももこなど現代へ続く四コマの世界を紹介しています。
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所在記号:新書||726.1||シイ
資料番号:10194326
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初期のマンガを1ページに詰めているので、印刷が悪いので、ほとんど読めないのが残念である。四コマ漫画について論文を書くなら読む必要があるが、一般的には読みにくい。
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昔の4コママンガをもっと手軽に読めますように!
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もともと風刺や皮肉、社会情勢を表現するものであった四コマ漫画が、
現代になって娯楽要素の強く特に主張の無いものに変わって行ったようです。 -
江戸の戯画浮世絵から明治の西洋四コマ、戦前・戦後の新聞四コマ、高度成長期のサラリーマン四コマ、雑誌四コマ、そして平成の萌え四コマと、副題通り四コマ漫画の歴史について概観できる一冊。
個人的関心とも重なって、戦後の四コマの変遷は興味深かった。「シュセキゼンケン」として息子が泣かせたよその子の家に謝りにいく「轟先生」(昭和26年9月1日、p.109)。「サンワリ君」のように「毒も個性もない」キャラクターが次々と登場した高度成長期の新聞漫画と、いじわるでふてぶてしい主人公が自由奔放に動き回る、「かりあげクン」「フリテンくん」(植田まさし)ら雑誌漫画のコントラスト。個人的には社会の木鐸であるところの新聞の堅物さや「親目線」に、妙な心地よさを覚える。
もっとも平成十年代頃から、「ののちゃん」をはじめ新聞漫画にもグータラ教師(藤原先生)が出現するなど、自由度が増している。吉田戦車「伝染るんです。」、「らき☆すた」など、媒体もジャンルも多様化している。ビゴーの専門家である筆者をして、「新聞四コマや雑誌四コマは、そうした庶民の生活を詳細に記録してきた貴重な歴史資料でもあるのだ」(p.185)と言わしめるゆえんであろう。
※エピソード:四コマで漫画家としてのキャリアをスタートしている手塚治虫(蟲)の項では、 デビュー作「マアチャンの日記帳」の連載予告の著者名に「はるむし」とルビ(おそらく誤記。初回では「ヲサムシ」となっている)をふられたという(p.100~)。 -
もっと文化的背景に触れてもいいんじゃないかな、と思った。
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四コマ漫画―北斎から「萌え」まで 年代ごとに代表的な四コマ漫画やその作者、その手法について書かれた本。萌え四コマの例にあがっているのは『らき☆すた』。手塚治虫のデビュー作って四コマ漫画だったのか。 http://is.gd/2bvpK